自己破産すると原則車は没収される!車が処分されないパターンも併せて解説
自己破産時は、あらゆるものが没収されますが、車もその一つです。
交通機関が発達している都心部ならいざ知らず、地方では通勤通学、買い出しや通院の足として活用されるため車が没収されると生活が困難になります。
自己破産すると車(マイカー)はどうなってしまうのでしょうか?
この記事では、自己破産時の車の行方について、没収されるパターンと没収されないパターンに分けて解説していきます。
自己破産すると車は原則没収対象になる
残念ながら、自己破産すると原則車は強制的に没収されてしまいます。
勿論、没収されない例外事象もあります。
それは、車の価値が20万円以下の場合か、新車購入時から6年以上たっている場合です。
この2つの条件にどちらかが当てはまる場合は車を没収されません。
また、車を購入する際にローンを組んでいるか否かによっても変わってきます。
ローンを組んでいない場合で、上記の2つの条件のどちらかに当てはまれば没収は免れます。
ローンを組んでいる場合は、金額や年数にかかわらずローン会社に車を没収されます。
自己破産時に車がどうなるかについて、車の持ち主が自己破産した本人か否か、ローンを組んでいるときのパターン、ローンを完済し終わっているときのパターン、車の価値と車の使用年数について詳しく以下で解説します。
車の名義が自己破産者以外なら没収されない
一番重要なのは、車の名義人が誰かということです。
車の名義人が自己破産者なら処分対象になりますが、自己破産者以外なら処分対象にはなりません。
例えば、一家の主である父が自己破産したとしても、家族である母や子どもや祖父母が名義人の車であれば処分対象にはなりません。
あくまでも自己破産者と車の名義人が一致した場合のみ処分対象となります。
まずはこの点について、注意してください。
ローンを完済してない場合は原則没収対象に
ローンを組んでいる(完済していない)場合は、原則車は没収されます。
ローンとは借金なので、ローンを完済しない限り所有権は車の持ち主ではなくローン会社にあります。
よって、ローンを返し終えていない場合は、ローン会社に車を没収されてしまいます。
自己破産が決まるとローン会社の人が車を引き取りに来ます。
ローンが残っている場合は没収されますが、注意点は自己破産した本人名義の車が対象だということです。
本人以外の親や子名義のものは没収対象外なのでご安心ください。
ローンを完済していれば没収されない場合がある
ローンを完済している場合は、車の価値が20万円以下か新車購入時から6年以上たっているかなどが問題になります。
上記の条件に当てはまれば、車を手元に置いておくことができます。
車の価値が20万円以下の場合は没収されない
ローンを完済していて車の価値が20万円以下のときは、車は没収されません。
20万円以下の場合は、自由財産ということになり処分対象から外れます。
複数のネット査定などを利用して査定額が20万円を切りそうなら車は没収されないでしょう。
車20万円の価値が20万円を超えると原則没収対象に
ローンを完済していて車の価値が20万円を超えるときは、残念ながら没収されてしまいます。
ローンを完済しているので、車自体は本人の所有物、財産となります。
ローンが残っている場合と違って、車を引き取るのは、ローン会社ではなく裁判所です。
使用年数が少なく、車の値段が高い場合は、20万円を超える可能性が高いので、ネットの買取審査サイトなどを活用し、自分の車がいくらになるのか事前に調べておきましょう。
6年を過ぎた車も乗り続けられる可能性あり
国税庁の新車の耐用年数は6年なので、6年を過ぎた車は価値がゼロとされ処分対象から外れる可能性があります。
ただし高級車やレアな車の場合は、6年が過ぎても20万円を超える可能性があり処分対象になることがあるので注意が必要です。
通勤や生活で使用!車の没収を回避する方法は
都心部などを除き、地方などではマイカーが生活の足となります。
どうしても処分されたくない時はどうすればいいのか解説します。
自己破産以外の任意整理や個人再生を選択する
車を残したい場合、自己破産は厳しい選択となります。
借金問題の解決方法は大別して、「任意整理」と「個人再生」と「自己破産」の3つがあります。
どうしても車を処分されたくない場合は、自己破産よりも任意整理をおすすめします。
個人再生を選択しても車を残せる可能性は高いですが、問題はローンです。
ローンが残っている場合は、自己破産と同様、ローン会社に車を没収されます。
一方、任意整理は、弁護士が相手先と返済方法などを交渉するので、車を残したい場合は、処分対象から外させることができます。
確実に車を残したい場合は、交渉の余地がある任意整理をおすすめします。
弁護士に相談する
車を残せるか否かは、個々の条件によって変わってきます。
個人で条件に当てはまるかどうかを調べるのは限界があります。
自己破産などの債務整理案件を何度も経験している弁護士に直接聞くのが一番確実で手っ取り早い方法です。
法的な知識と経験による知識に基づいて判断を下せるので、まずは弁護士に相談してみましょう。
車を残せるかどうかだけでなく、自己破産以外のベストソリューションを提示してくれるかもしれません。
基本的な知識ざっと理解したら、プロである弁護士に個別事象に関して相談してみることをお勧めします。
自己破産決定後に車は乗れるのか?
自己破産が裁判所で認められ、借金の免責が決定した後に、車は乗れるのでしょうか?
答えは、乗れます。
ただし、自己破産すると今までと同じようにローンを組んで車を購入することは、ほぼ出来ません。
信用情報に破産記録が残るのでローンを組むことが難しくなります。
車を購入する時は現金一括となるので注意しましょう。
まとめ
自己破産した場合は、残念ながら原則車は処分されます。
ただし、例外もあるので以下の手順でチェックしてみましょう。
まずは、自己破産者と車の名義人が同じかどうか調べましょう。
もし同一でなかったら車は処分されません。
同じであった場合は、ローンを組んでいるかいるかどうかを調べましょう。
ローンが残っている場合は、残念ながらローン会社に車を没収されてしまいます。
ローンを完済している場合は、「新車購入時から6年以上たっている」か「車の時価が20万円以下」かを調べます。
高級車を除き、新車購入から6年が過ぎている場合は、新車の耐用年数を過ぎているので処分されない可能性が高まります。
また車の査定額が20万円以下の場合も処分対象にはなりません。
以上が、自己破産時の処分対象になるか否かの基本的なチェックリストになります。
個々の条件によりもっと細かな規定もあるので、詳細を個別に聞きたい方は弁護士に相談するのが確実で安全です。
どうしても車が必要で処分されたくない時は、一人で悩むより専門的知識と豊富な経験を持つ弁護士にまずはご相談ください。