【アクロピース解決事例集・遺産分割】相手方は生前母親から定期的に金銭を受け取っており、相手方の取得財産を減額できた事案

遺産分割調停事件
被相続人 | Aさん |
依頼人 | Bさん |
遺言 | なし |
相続人 | Bさん、Cさんの2人 |
相続財産 | 預貯金その他 |

ご相談内容―介護費用と主張されている金銭は考慮されないの?
依頼者Bさんは、兄弟Cさんが生前親Aさんから毎月数万円を受け取っていたことを遺産分割で考慮できないか悩んでいました。
Cさんは「介護費用だった」と主張していましたが、Aさんは施設入所中で、実際に現金を使う必要もない状況でした。BさんはCさんとの関係も悪く、弁護士を探して相談に来られました。
結果
分割協議案に納得し、相手方の取得財産を減額できました。
法律的な問題点
- 被相続人の生前贈与(特別受益)にあたるかどうかの判断
- 贈与と主張される金銭が介護費用等の必要経費であったかの立証
弁護士の対応・サポート内容
遺産分割協議の呼びかけ
Bさんからの依頼を受け、相手方Cさんに対して、速やかに遺産分割協議を進めたい旨の書面を送付しました。
事実関係の丁寧な聴取
相手方Cさんから直接電話があり、弁護士が事実関係を丁寧に確認。生前にCさんが被相続人Aさんから定期的に金銭を受け取っていた事実が明らかとなりました。
主張のすれ違いと法的整理
相手方Cさんは金銭は介護費用だったと主張するも、施設入所中で支出の必要がないなどの状況から、弁護士はその主張を疑問視。双方の主張が平行線をたどりました。
遺産分割調停の申立て
協議が進まなかったため、家庭裁判所に遺産分割調停を申立てました。調停では、介護費用の証拠がない点、金銭の受領自体の事実が重視されました。
調停成立
裁判所から依頼人Bさんに有利な分割案が提示され、相手方Cさんも最終的にこれを受け入れ、無事に調停が成立しました。
解決のポイント
被相続人の生前に相手方が金銭を受け取っていたことについて、客観的な証拠をもとに「特別受益」にあたるかを精査し、裁判所において金銭の受領そのものが重視されるように法的に整理しました。その結果、交渉が困難な状況からでも、依頼人Bさんにとって有利な形での調停成立に至ることができました。
弁護士からのコメント
本件では、相続人間の関係が悪く直接の協議が難しい状況でしたが、弁護士が介入することで冷静な話し合いの場を設けることができました。また、法的主張を調停で整理することで依頼人Bさんの意向に沿った遺産分割が可能になりました。
生前贈与や金銭のやりとりが遺産分割にどう影響するかは非常に専門的な判断が求められますので、同様のご不安がある場合は早めにご相談いただければと思います。

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※掲載している解決事例は、実際に弁護士法人アクロピースが取り扱った案件をもとに作成しておりますが、プライバシーに配慮し、内容の一部を変更・編集しております。
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