【アクロピース解決事例集・遺留分侵害額請求】他の相続人に依頼者が居住する不動産から追い出しを画策されたが、処分禁止仮処分を得るなどして有利な金額での解決を引き出した事例

遺留分侵害額請求事件
被相続人 | Aさん |
依頼人 | Bさん |
遺言 | あり |
相続人 | BさんとCさんの2人 |
相続財産 | その他預貯金 | 自宅不動産

ご相談内容ー遺言の内容や金融資産の推移に不信感
Aさんは、相続発生直後に弊所にご相談。Aさん以外の相続人に全部相続させる旨の遺言がありましたが、それは母が他の兄弟に連れ去られた後に書かれた遺言でした。
母の認知症の程度や、母が連れ去られて以降の金融資産の推移が不明確であるなど、多数の問題点のある事例でした。
紛争になるであろうことは一見してわかる事案であったので、弊所が代理人として就任することとなり、正当な遺留分を請求するとともに、Aさん以外の相続人に対して母の認知症の有無や預金の取引履歴の開示を求めました。
結果
当初の不動産会社の提案金額の3倍の金額での持分売却を実現し、解決金として十分な額を得ることができました。
法律的な問題点
- 認知症疑惑のある被相続人の遺言の有効性
- もともと親と同居していた不動産の占有権限
- 遺留分侵害額請求をした場合の不動産処分禁止仮処分の重要性
弁護士の対応・サポート内容
遺留分侵害額請求の即時対応と不動産処分禁止の仮処分申し立て
直ちに遺留分侵害額請求の意思表示を行いました。
しかし、他の兄弟がAさんが居住する土地の持分を不動産会社に売却しようとしたため、急遽、処分禁止の仮処分を申し立て、裁判所から決定を得ました。
不動産会社との攻防と占有権限の主張
それにもかかわらず、他の相続人らは自己の持分の売却を強行し、不動産会社は明渡を請求してきました。当方は遺留分減殺請求の訴訟を急ぎ提起し、あらゆる主張を行なって相手方の請求を阻止しようと試みました。
本件においては土地の時価額、Aさんの占有権限の有無について激しく論争になりました。
しかし、当方は処分禁止仮処分の決定を得ていることを重要なカードとして主張立証を行いました。
金銭解決へ
最終的に、当方の土地持分を時価で不動産会社が買取り、それでも足りない遺留分については兄弟から金銭の支払いを受けることで和解をすることができました。
当初の不動産会社の提案金額の3倍の金額での持分売却を実現し、解決金として十分な額を得ることができました。
解決のポイント
不動産の処分禁止仮処分を迅速に取れたことが、相手方に対する強力な交渉カードとなりました。また、遺言の信頼性や不動産の時価、占有権限など多角的に法的主張を構築し、感情的対立ではなく戦略的に問題解決に導いたことが大きな成果につながりました。
弁護士からのコメント
相続における争いは「事実関係の証明」と「迅速な対応」が鍵を握ります。本件では、迅速な手続き選択と実行力により、主張の優位性を作ることで、十分な解決金を得ることができました。感情ではなく戦略で臨む姿勢が、相続紛争を乗り越える鍵です。

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※掲載している解決事例は、実際に弁護士法人アクロピースが取り扱った案件をもとに作成しておりますが、プライバシーに配慮し、内容の一部を変更・編集しております。
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