共有持分買取業者とは?利用する注意点や弁護士へ相談するメリットも解説

共有持分買取業者とは?利用する注意点や弁護士へ相談するメリットも解説

共有持分を処分するために、共有持分買取業者の利用を検討している方もいるでしょう。

しかしその際に以下のような疑問を持つことはありませんか?

「共有持分買取業者に依頼するとどのようなメリットがあるのか」
「そもそも、業者に依頼してもいいものなのか」
「共有持分買取業者に依頼するよりも良い方法はないのか」

共有持分買取業者に依頼すると、安く買い取られる恐れもあるため、注意が必要です。

共有持分買取業者の特徴を理解すれば、それが自分に合った処分方法なのかを知ることができるでしょう。

共有持分の処分に共有持分買取業者の利用を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

共有持分買取業者に共有持分を売却すると、安く買い取られる恐れもあるため、注意が必要です。

共有持分の処分をお考えの方は、弁護士への相談がおすすめです。

弁護士法人アクロピースは、共有不動産に関する豊富な相談実績と経験で、お客様一人ひとりに合った解決方法をご提案いたします。

\累計300件以上の相談実績/

受付時間:平日9:30-21:00 土日祝9:00-20:00

初回60分間の相談は無料です!

目次

共有持分買取業者とは

説明をしているビジネスマン

共有持分買取業者とは、共有持分の買取を専門に行っている不動産業者のことです。

共有持分を低価格で買い取り、転売することで利益を上げるビジネスモデルです。

また、似たような業態として「不動産仲介業者」があります。

不動産仲介業者と共有持分買取業者の違いは、業者が売主と買主の仲介に入るか、買主となり直接買い取るかになります。

不動産仲介業者に売却を依頼した場合、共有持分の所有者を売主、不動産仲介業者が探してきた第三者が買主となり取引が進められることが一般的です。

不動産仲介業者に依頼すると、相場に見合った金額で売却しやすいものの、売却に時間がかかってしまうおそれがあります。

一方で、共有持分の売却を共有持分買取業者に依頼した場合、共有持分の所有者を売主、共有持分買取業者を買主として取引を行います。

共有持分買取業者に依頼することで、スピーディーに現金化できる反面、売却価格が相場より低くなってしまうことが特徴です。

このように、不動産買取業者の特徴や不動産仲介業者との違いを理解して、自分の希望に合った売却方法を検討してみましょう。

共有持分の買取に関して以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。

関連記事:共有持分の買取はできる!4つの注意点・成功させるポイント

共有持分買取業者を利用する2つのメリット

メリットという言葉を指しているイメージ

共有持分買取業者を利用するメリットは主に以下の2点です。

それぞれを詳しく見てみましょう。

スピーディーかつ確実に買い取ってもらえる

共有持分の売却を共有持分買取業者に依頼すれば、早く確実に買い取ってもらえます。

共有持分は、不動産の自由な処分・管理が制限されているため、不動産仲介業者に売却を依頼しても長期間売れない状態が続くことがあります。

しかし、共有持分買取業者に売却を依頼した場合、業者が提示した買取価格に同意すればすぐに取引が進むため、短期間で共有持分を手放すことができるのです。

「一刻も早く共有持分を現金化したい」と考える方は、共有持分買取業者への依頼を検討してみましょう。

共有持分の買取相場について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

関連記事:共有持分売却相場はどのくらい?相場より高く売る方法

仲介手数料が不要である

共有持分買取業者に売却を依頼すると、仲介に入る業者がいないため仲介手数料が不要になります。

不動産仲介業者に売却を依頼した場合、成約すると不動産仲介業者に仲介手数料を支払わなければなりません。

仲介手数料の上限は、以下のとおりです。

物件価格仲介手数料の上限額
200万円以下物件価格✕5.5%
200万円超〜400万円以下物件価格✕4.4%
400万円超物件価格✕3.3%

参考:国土交通省「<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ」

たとえば、成約価格が500万円の場合は、以下の計算式で仲介手数料を求めます。

200万円✕5.5%+200万円✕4.4%+(500万円-400万円)✕3.3%=上限23.1万円(税込)

このように、500万円で売却できたとしても、上限23.1万円の仲介手数料を不動産仲介業者に支払う必要があります。

「無駄な出費をできるだけ抑えたい」という方には、共有持分買取業者がおすすめです。

共有持分買取業者を利用するデメリット

頭を抱えて悩んでいる男性

一方、共有持分買取業者を利用すると以下のようなデメリットが生じます。

上記のデメリットについて詳しく解説します。

相場より低い買取金額になる

共有持分買取業者に売却を依頼すると、売却価格が相場よりも低く買い取られます。

共有持分買取業者のビジネスモデルは、共有持分を低価格で買い取り転売することです。

そのため、早く確実に買取に応じてもらえる反面、買取金額は相場より低くなる傾向にあるのです。

共有持分を適正価格で売りたいと考えている方は、共有持分買取業者の利用はおすすめできません

以下の記事では、共有持分買取業者とのトラブルについて詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

関連記事:共有持分買取業者への売却トラブル回避法

共有者間でトラブルが発生するおそれがある

共有持分買取業者に共有持分を売却すると、共有者間でトラブルに発展するおそれがあります。

共有持分はそのままでは利用価値がありません。

そのため、共有持分買取業者が共有持分を購入した後、他の共有者に対して残りの共有持分の買取を持ちかけることがあります

その際に無理な交渉を行うと、これまで平穏だった共有者間の関係が悪化しトラブルに発展するかもしれません。

せっかく共有持分を手放せたとしても、共有持分買取業者の立ち回りによりトラブルに巻き込まれてしまうことがあるため、共有持分買取業者への売却は慎重に検討しましょう。

以下の記事では、共有名義の不動産を売却する際のトラブル、防止策や対処法について詳しく解説しています。

関連記事:【共有名義の不動産売却】よくある6つのトラブル・防止対策・対処法

共有持分には、あらゆるトラブルの可能性を秘めています。

弁護士法人アクロピースは、「不動産」を事務所の重点分野として取り組んでおり、共有不動産に関するトラブル解決や予防に力を入れています。

初回60分の相談は無料です。

受付時間:平日9:30-21:00 土日祝9:00-20:00

売却以外の選択肢がなくなる

共有持分買取業者へ売却を依頼すると、それ以外の選択肢がなくなってしまいます。

共有持分買取業者は共有持分の買取を専門に行っており、自社の利益を優先するため、それ以外の選択肢を提案することはありません

一方、共有持分の処分を弁護士に相談すれば、売却以外に現物分割や賠償分割による処分も提案してもらえます

また、それらを進めるための交渉や共有物分割請求訴訟のサポートを受けることもできます。

あらゆる選択肢の中から自分の状況にあった処分方法を見つけたいという方は、共有持分買取業者への売却は避けたほうが良いでしょう。

共有持分買取業者を利用する際の注意点

注意を促しているビジネスマン

共有持分買取業者を利用する場合は、以下のポイントに気をつけてください。

ここでは、それぞれの注意点を解説します。

あらかじめ売却相場を調べる

共有持分買取業者に売却を依頼する際は、事前に売却相場を調べることを心がけましょう。

共有持分買取業者はそのビジネスモデルから、できるだけ低い金額で買い取りたいと考えており、悪質な業者の場合は不当に低い金額を提示してくることも少なくありません。

そのため、市場相場を知らずに共有持分買取業者の言い値で契約してしまうと、相場より著しく低い金額で売ることになります。

そのような業者に騙されないためにも、共有持分の買取相場を自ら調べて把握しておくことをおすすめします。

他の共有者に持分の売却を打診する

共有持分買取業者へ売却する前に、他の共有者に持分の売却を持ちかけてみることも有効な対策です。

共有者の中には、第三者である共有持分買取業者に買われてトラブルになるよりは、自分で購入してしまいたいと考える方もいるのです。

他の共有者に売却できればトラブルを回避できるだけでなく、相場と同程度の金額で売却できる可能性が高まります

共有持分の売却を決意した場合は、すぐに共有持分買取業者に依頼するのではなく、まず他の共有者に買取を打診してみましょう。

共有持分買取業者への売却前に検討しておくべき3つのポイント

チェックリストが記載された用紙

共有持分買取業者への売却をする前に、以下の3つのポイントを検討しておくことが重要です。

共有持分買取業者への売却を検討している方は、ここで紹介するポイントを意識しましょう。

弁護士に相談する

共有持分買取業者へ売却する前に、まず弁護士への相談がおすすめです。

弁護士に相談すれば、売却だけでなく現物分割や賠償分割など状況に応じた処分方法を提案してくれます。

たとえば、敷地面積が広い土地の場合は、共有者間で協議したうえでそれぞれが1筆の土地を所有する方法があります。

また、自分が他の共有者から共有持分を買い取り、共有不動産を単独所有にすることも考えられるでしょう。

「とにかく早く現金化したい」という場合を除き、共有持分買取業者に売却を持ちかける前に弁護士へ相談すれば、幅広い選択肢の中から処分方法を決められます。

共有持分の買取実績を確認する

共有持分の買取は一般的な不動産に比べて専門性が高く、専門的な知識や経験がなければ適切に対応してもらえません

そのため、共有持分買取業者のホームページなどをチェックして、買取実績が豊富な業者を選びましょう。

買取実績が少ない共有持分買取業者に依頼した場合、著しく買取金額が低かったり、他の共有者とトラブルになったりする可能性が高くなります。

買取実績が豊富であれば、過去の取引データをもとに適切な買取金額を提示してもらえる可能性が高いため、安心して取引を進めることができるでしょう。

対応が誠実で丁寧な業者に依頼する

共有持分買取業者を選ぶ際は、対応に誠実さや丁寧さが感じられるかどうかを確認してください。

たとえば、買取金額が同じ共有持分買取業者が2社ある場合は、対応が丁寧な業者を選ぶと良いでしょう。

取引に関して不利な情報でも包み隠さずに伝えてくれる、疑問に対して何でも応えてくれるなどの対応があれば、安心して買取を任せることができます。

共有不動産のトラブルを弁護士に相談すると良い理由

家のイメージ画像とビジネスマン

共有不動産にまつわるトラブルは、弁護士に相談するのがおすすめです。その主な理由は以下の3点です。

それぞれの理由を詳しく解説します。

依頼者の代理人となって交渉してもらえる

弁護士に共有不動産のトラブルを相談すれば、依頼者の代理人となって交渉してもらえます。

共有者が家族や仲の良い親戚であれば自分だけで対応できますが、疎遠になっている遠方の親戚や顔の知らない第三者が共有者である場合、交渉に不慣れな方だとスムーズな話し合いは難しいでしょう。

その点、弁護士に交渉を依頼すれば本人の代理人として交渉してもらえるため、良く知らない人と話し合わなければいけないというストレスが軽減されます。

また、法的根拠をもとに交渉を行ってくれるため、騙される心配もありません

状況に応じた法的サポートが受けられる

状況に応じた法的サポートやアドバイスを受けられる点も、弁護士に相談するメリットです。

特に不動産トラブルに精通した弁護士の場合、過去の判例や経験から、その後の道筋を示してもらえます。

たとえば、不動産の共有状態を話し合いで解消できなければ、裁判所に共有物分割請求訴訟を提起することとなります

また、共有者の中に行方不明者がいる場合は、不在者財産管理人の選任や失踪宣告の申立てが必要です。

このように、状況に応じた法的手続きを迅速に進めるためにも、共有不動産のトラブルを弁護士に相談するのがおすすめです。

他の士業との窓口になってくれる

共有不動産のトラブルを弁護士に相談すると、必要に応じて他の士業との窓口になってくれます。

弁護士は他の士業と関わることが多く、案件に応じて他の専門家のワンストップ窓口になってくれたり、紹介してもらえたりするのです。

連携してもらえる主な士業には以下が挙げられます。

  • 司法書士
  • 土地家屋調査士
  • 不動産鑑定士
  • 税理士
  • 不動産業者

弁護士に相談することで、面倒な手続きを一括で対応してもらえるケースもあります。共有不動産のトラブルにはさまざまな専門知識が必要となるため、弁護士への相談が解決の近道です。

弁護士法人アクロピースでは、不動産鑑定士、不動産業者、司法書士など他士業や業者と連携しております。

弊所にご依頼いただければ、面倒な手続きもすべて一括して対応させていただきます。

初回60分相談は無料です。

\累計300件以上の相談実績/

受付時間:平日9:30-21:00 土日祝9:00-20:00

今すぐ相談したい方はお電話がおすすめです!

まとめ|メリット・デメリットを理解したうえで共有持分買取業者を利用しよう

この記事では、共有持分買取業者とは何なのか、売却を依頼するメリット・デメリット、注意点などを紹介しました。

本記事のまとめ
  • 共有持分買取業者とは共有持分の買取を専門に行っている不動産業者で、共有持分を転売することで利益を上げている
  • 共有持分買取業者に売却を依頼すれば、早く確実に買い取ってもらえる他、仲介手数料が不要というメリットがある
  • 一方で、相場より低い売却金額になる、共有者間のトラブルに発展しやすいなどのデメリットが発生する
  • 共有持分買取業者を利用する際は、事前に売却相場を調べて、他の共有者に売却の打診をしておくと良い
  • 共有不動産のトラブルには弁護士に相談するのがおすすめで、依頼者の代理人となって交渉してくれたり、状況に応じた法的サポートが受けられたりするメリットがある

共有持分買取業者への売却は「一刻も早く現金化したい」という方に向いていますが、そうでない場合は弁護士に処分方法を相談するのがおすすめです。

適切な処分方法を選択することで、結果的に手元に多くの資金が残り、平和的に解決できる可能性が高まるでしょう。

共有持分の処分は売却だけではありません。

共有持分買取業者に買取を持ちかける前に弁護士へ相談すれば、幅広い選択肢の中から処分方法を決められます。

弁護士法人アクロピースでは、不動産問題に強い弁護士が、60分の無料相談を実施中です!

LINEメールにて相談を受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。

\累計300件以上の相談実績/

受付時間:平日9:30-21:00 土日祝9:00-20:00

今すぐ相談したい方はお電話がおすすめです!

この記事がみなさまの参考になれば幸いです
  • URLをコピーしました!

この記事を執筆した人

弁護士法人アクロピース代表弁護士
遺産相続税理士法人アクロピース代表税理士
東京弁護士会・東京税理士会所属

私のモットーは「誰が何と言おうとあなたの味方」です。事務所の理念は「最高の法務知識」「最高の税務知識」のもとでみなさまをサポートすることです。みなさまが納得できる結果を勝ち取るため、法務と税務の両面から最後まで徹底してサポートしますので、不動産問題にお困りの方はお気軽に当事務所までご相談ください。

目次