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兄弟で不動産を共有名義にするリスクとは?トラブルになる理由や解消方法を弁護士が解説

「兄弟で共有名義になった不動産をどう扱えばよいか知りたい」
「兄弟で共有名義にしている不動産を解消したい」
兄弟で共有名義になっている不動産において、上記のような悩みを抱える人は少なくありません。
一見すると公平な分割に思える共有名義ですが、実は売却方針の対立や維持費の負担を巡って揉めやすく、将来的に大切な兄弟関係を壊しかねない大きなリスクを潜めています。
この記事では、共有名義をそのまま放置する危険性と、トラブルになりやすい理由を弁護士が徹底解説します。
状況に合わせて安全に共有状態を解消する6つの具体的な方法や、手続きの注意点についても網羅していますので、ご自身のケースに合った最善の解決策を見つけるための参考にしてください。
兄弟での共有名義のリスク:売却時の対立や維持費の揉め事が発生しやすく、次世代の相続で権利が複雑化するリスクが高い。
解消する6つの方法:全員での売却、持分売買、持分放棄、専門業者への持分売却、分筆、裁判による共有物分割請求といった選択肢がある。
兄弟で共有名義にする際のトラブル対策:やむを得ず兄弟で共有名義する際は、持分割合の決定、維持費や管理ルールの文書化、将来の売却・相続を見据えた出口戦略の合意が不可欠。
兄弟間の共有名義の解消や、不動産トラブルに関するお悩みは、弁護士法人アクロピースへお任せください。
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不動産を兄弟の共有名義にするリスクとは?
不動産を兄弟の共有名義にすることは、一見公平な遺産分割に思えるかもしれません。しかし、実務上は多くの潜在的トラブルを抱え込む原因となります。
ここでは、共有名義によって発生しやすい5つのリスクについて詳しく解説します。
弁護士 佐々木一夫監修者コメント
兄弟での不動産共有はさまざまなトラブルの火種となります。「身内だから大丈夫」という油断により、将来的な関係修復不可能な対立や、不動産の塩漬けを招くケースもゼロではありません。
本章では、実務上特に起こりやすいリスクを解説します。
売却や活用で意見が対立し、不動産が「塩漬け」になる
兄弟で不動産を共有する場合、処分や活用方法を巡って意見が対立するリスクが高まります。
実家を相続した際、兄弟間で希望する用途が異なるケースは珍しくありません。
| 兄弟間での意見対立の例 | 求める方針の違い |
|---|---|
| 兄の意見 | すぐに売却して現金化したい |
| 弟の意見 | 賃貸物件として運用し、収益を得たい |
| 妹の意見 | 実家への愛着があるため、そのまま残しておきたい |
このように各自の要望が食い違うと、不動産の取り扱い方針を定めることが困難になります。不動産全体を売却したり大規模な変更を加えたりするには、共有者全員の同意が不可欠だからです。
一人でも反対者がいれば手続きを進められず、誰も活用できない「塩漬け」状態に陥る恐れがあります。維持管理コストのみが発生し、資産価値の下落を招く事態になりかねません。
固定資産税や管理費用・修繕費の負担割合で揉める
不動産を所有し続ける限り、維持管理のための費用が継続的に発生します。具体的には、以下のような金銭的負担が生じる点に注意が必要です。
- 毎年の固定資産税や都市計画税
- 建物の老朽化に伴う修繕費やリフォーム代
- 空き家の場合の庭の整備費用や火災保険料
法的には、これらの費用は各々の共有持分に応じて負担することが原則とされています。しかし実務上は「自分は住んでいないのになぜ払うのか」と不満を抱く共有者も現れやすいのが実情です。
代表者が一時的に立て替えたとしても、その後の精算がスムーズに進まないトラブルも多発しています。金銭面での不公平感が蓄積されることで、兄弟関係に深刻な亀裂を生じさせる要因となり得るのです。
関連記事:共有名義のリフォームで注意すべき点は?同意の範囲や贈与税について弁護士が徹底解説
兄弟の一人が実家に住み続け、占有・独占使用してしまう
相続後、兄弟の一人がそのまま実家に無償で居住し続けるケースは少なくありません。「不動産を売却して現金化したい」と考え始めた段階で、以下のような問題が表面化する傾向にあります。
- 他の兄弟の持分権侵害による不当利得の発生
- 退去の拒否による売却手続きの頓挫
- 家賃相当額の算定や支払いを巡る感情的対立
法的な観点からは、他の兄弟は居住している当事者に対し、自身の持分に応じた賃料相当額を返還請求できる余地があります。(民法第703条・704条)
とはいえ、身内に対して実際に金銭を請求すれば、激しい対立は避けられません。「家から追い出す気か」と強く反発され、結果として問題解決が難航するリスクが懸念されます
将来の相続で権利関係が複雑化する
兄弟間の共有状態を長期間放置すると、次世代の相続が発生した際に権利関係が著しく複雑化するリスクがあります。
例えば、3人兄弟で不動産を共有している状態で相続が発生したケースを想定してみましょう。
| 共有者の死亡による持分の細分化 | 相続後の権利移行先 |
|---|---|
| 兄(長男)が死亡した場合 | 長男の配偶者や子どもたちへ分割して相続される |
| 弟(次男)が死亡した場合 | 次男の配偶者や子どもたちへさらに分割される |
このように数次相続が繰り返されると、当初の権利者から甥や姪など疎遠な親族へと持分が次々に分散していきます。最終的に共有者が10名を超える事態も珍しくありません。
当事者が増えるほど、不動産の処分方針に関する意見調整は困難を極めます。全員の合意形成が不可能となり、解決が絶望的になる恐れがある点に留意すべきです。
関連記事:共有不動産の相続はどうなる?手続きの流れや共有名義のメリットデメリットを弁護士が解説
兄弟が自分の持分を第三者に売却し、知らない共有者が現れる
不動産全体を売却する際には共有者全員の同意が求められます。しかし、自身が所有する持分のみを売却する行為は、他の共有者の許可を得ることなく単独で行うことが可能です。
そのため、早急に現金を必要とした兄弟が専門業者へ持分を売却し、見ず知らずの第三者が新たな共有者として登場するケースも存在します。介入した業者は利益を追求するため、残された共有者へ以下のような要求をしてくるのが一般的です。
- 他の共有者に対する持分の高値での買い取り要求
- 共有物分割請求訴訟の提起
- 不動産全体を競売にかける申し立て
親族間の話し合いにとどまらず、プロの業者を巻き込んだ非常に深刻な法的紛争へと発展するリスクを認識しておく必要があります。



共有名義の不動産のトラブルについては、以下の記事で詳しく解説しています。併せて参考にしてみてください。
関連記事:共有名義の不動産売却はトラブルに要注意!回避策とスムーズに売る方法
兄弟での共有名義がトラブルになりやすい理由
兄弟間での共有名義がトラブルに発展しやすい背景には、親族特有の人間関係や心理的要因が深く関わっています。他人同士の共有よりも、かえって問題が複雑化する傾向にある点に注意が必要です。
トラブルを引き起こしやすい主な理由は、以下の4点が挙げられます。
「兄弟だから大丈夫だろう」と契約を明文化しない場合が多い
不動産を共有する際、本来であれば管理方法や費用負担について契約書を交わすのが鉄則です。しかし、親族間では暗黙の了解に頼ってしまい、取り決めを書面に残さないケースが散見されます。
契約を明文化しない理由としては、以下のような心理的ハードルが関係しています。
- 「水臭い」「身内を信用していないのか」と思われることを避けたい
- 「兄弟なのだから、いざという時もうまく話し合えるはずだ」という過信
- 法律や契約といった形式張った手続きへの抵抗感
このような根拠のない期待は、将来的な紛争を招く危険な要因です。
問題が発生した際に「言った・言わない」の水掛け論へ発展するのを防ぐためにも、客観的で明確なルールの策定が求められます。
経済格差・生活状況の違いで不満が生じやすい
相続が発生する時期には、兄弟それぞれが独立して異なる生活基盤を築いているのが一般的です。それぞれの経済状況の違いは、共有不動産に対する方針の不一致に直結しやすい傾向があります。
具体的には、生活状況の違いから以下のような意見の対立が生じやすくなります。
- 資金に余裕がなく、すぐに持分を売却して換金したいと主張する
- 経済的に安定しているため、将来の値上がりを待って保有し続けたいと考える
- 維持管理費用の支払い能力に差があり、負担割合に対して不満を抱く
さらに「兄は裕福だから多めに負担すべきだ」といった妬みが絡むと、事態はより深刻になります。結果として合理的な判断ができなくなり、冷静な協議が困難になるケースは少なくありません。
兄弟間の序列意識により感情的対立を生みやすい
長男や末っ子といった兄弟間特有の序列意識も、協議を難航させる大きな要因の一つです。とりわけ実家を相続する場面においては、過去の家族関係が色濃く反映される傾向にあります。
法的な権利よりも、以下のような感情論が先行して対立を深めるケースは少なくありません。
- 「長男である自分が実家を管理し、決定権を持つべきだ」
- 「親の介護を担ったのは私なのだから、意見が尊重されて当然だ」
- 「生前に多額の援助を受けていた兄が偉そうにするのはおかしい」
このように過去の出来事まで持ち出されると、論点がぼやけてしまいます。法的に公平な持分割合の枠組みを超えた感情的な衝突に発展し、収拾がつかなくなる恐れがある点に留意すべきです。
話し合いにくい関係性が続き問題が長期化・複雑化しやすい
共有者が第三者であれば、対立した段階で弁護士を介入させて交渉を進める手段を選びやすいものです。しかし相手が身内である場合、法的手続きに踏み切ることに特有の心理的抵抗が生じる場合があります。
法的解決をためらってしまう主な要因は以下の通りです。
- 家族を裁判沙汰に巻き込むことへの罪悪感や世間体への懸念
- 冠婚葬祭における親戚付き合いへの悪影響を避けたいという思い
- 決定的な関係決裂を恐れ、話し合いから目を背ける逃避心理
こうした心理的ブレーキが働くことで、協議が先送りされがちです。放置している間に共有者が死亡すれば、数次相続が発生して権利関係はさらに複雑化します。



問題の長期化を防ぐためにも、早めの対処が不可欠といえるでしょう。
兄弟での共有名義を検討する例外ケース
兄弟間の不動産共有は原則として避けるべきですが、遺産分割の結論が出ない場合など、例外的に検討の余地があるケースも存在します。
共有名義を選択することが当面の解決策となり得る例外的な状況は、主に以下の4つです。
遺産分割協議がまとまらない際の一時的な受け皿とするケース
相続発生後、兄弟間での遺産分割協議が難航している場合、共有名義を一時的な受け皿として活用する運用が考えられます。
最終的な取得者が決まらなくても、法定相続分で登記することで名義の空白期間を回避できるためです。共有名義を一時的な受け皿とする場合には、主に以下のメリットがあります。
- 固定資産税の納付など必要な事務作業を滞りなく進められる
- 結論を急がず、各自の意見を整理する時間を確保できる
あくまで暫定的な解決策ではありますが、適切に不動産管理を継続しながら、今後の協議に向けた冷静な環境を整える効果が期待できるでしょう。
他の資産が少なく公平感を保ちたいケース
不動産以外の相続財産が少なく、代償金による調整が困難な場面では、法定相続分に応じた共有名義が公平感を保つ手段となり得ます。相続時点での権利の割合が明確になるため、一部の兄弟だけが得をしているといった不満を抑えやすいのが特徴です。
当面の公平感を優先することで、以下のようなトラブルを防ぎやすくなります。
- 遺産の偏りに対する不満や妬みによる兄弟間の関係悪化
- 不動産の評価額(市場価格か路線価か等)を巡る意見の対立
まずは公平に保有するという共通認識を形成できれば、感情的な衝突を和らげ、将来的な分割協議を冷静に進めるための土台作りに役立ちます。
不動産をすぐに売却したくないケース
思い出深い実家を直ちに手放すことに抵抗がある場合や、市場価格が低迷している時期には、共有名義を選択して売却時期を見計らう対応も考えられます。
不動産の売却を先送りする合理的な理由としては、以下のような事情が挙げられます。
- 家族の精神的な整理がつくまで実家を残しておきたい
- 不動産価格が上昇するタイミングを待ってから売却したい
急いで手放す決断を避け、状況の変化を見極めながら今後の方針を検討できる余地が生まれるでしょう。
全員が納得のいくタイミングで売却を進めるための一時的な措置として、柔軟な対応が可能となります。
兄弟間で不動産の利用頻度を公平に調整したいケース
兄弟間で不動産の用途が重なっている場合、あえて共有名義にすることで、利用状況の偏りを防ぎやすくなるケースもあります。特定の共有者による独占使用を牽制し、ルールに基づく運用を図るためです。
公平な利用調整が求められる具体例としては、以下の状況が該当します。
- 全員が帰省時の滞在拠点として実家を利用し続けたい場合
- 敷地の一部を兄弟それぞれが倉庫や駐車場として活用したい場合
当事者全員で明確な利用ルールを取り決め、維持負担も均等に分担できる関係性が構築されていれば、不満を抑えながら不動産を有効活用できる例外的な運用といえるでしょう。
関連記事:共有名義にするメリット・デメリットは?固定資産税の扱いや土地・不動産の活用方法、トラブルを弁護士が解説
兄弟の共有名義を解消する6つの方法
すでに共有名義の状態でトラブルが発生している場合、早急に解消へ向けた行動を起こすことが推奨されます。
共有状態を解消する手段として、主に以下の6つの方法が挙げられます。
それぞれメリット・デメリットが異なるため、状況に応じて適切な方法を選択しましょう。
関連記事:共有名義の解消方法とは?手続きについてもわかりやすく解説
兄弟全員で合意して「不動産全体」を売却する
兄弟の共有名義を解消する方法として最も一般的なのは、共有者全員の合意のもとで不動産全体を売却し、現金化する手法です。
資産を平等に分配しやすいため、後々のトラブルを防ぎやすいメリットがあります。不動産全体を売却する際は、以下の項目で全員の合意が必要です。
- 全員が売却自体に賛成していること
- 売却価格や引き渡し時期などの条件
- 仲介を依頼する不動産会社の選定
共有者が一人でも売却に反対した場合は手続きを進められません。また、売出価格の調整など、全員の足並みを揃える手間がかかる点には留意すべきです。
関連記事:共有名義不動産は売却できない?よくあるトラブルと持分売却方法を解説
兄弟間で持分を売買する
特定の兄弟が他の共有者の持分を買い取り、単独名義へ変更する手続きも有効な選択肢です。たとえば、実家に住み続けたい方が、他の兄弟から権利を買い取るケースなどが該当します。
しかし、持分売買においては、主に以下のような課題が発生しやすいため注意が必要です。
- 買取価格(評価額)を巡る意見の不一致
- 買い取る側に求められる十分な資金力の確保
- 不当に安い価格で売買した場合の贈与税リスク
不動産をそのまま維持できる反面、いくらで買い取るかについて全員の納得を得る必要があります。適正な評価額を算定するため、専門家の助言を仰ぐのも一つの手段といえるでしょう。
関連記事:共有持分の買取請求とは?3つの請求方法と買取成功のポイント・注意点も解説
自分の持分のみを専門業者に売却する
他の兄弟が話し合いに応じない場合、自身の持分のみを専門の不動産業者へ売却する対応も検討されます。他の共有者の同意を得ずに、単独で共有関係から離脱できる点が最大のメリットです。
一方で、持分のみを業者に売却する行為には、以下のような懸念点が伴います。
- 市場価格の5〜7割程度まで売却額が下落しやすい
- 買取業者が他の兄弟に分割請求などを起こすリスク
自分の意思のみで現金化できる反面、残された兄弟と買取業者の間で新たな紛争が生じる懸念があります。
親族関係の悪化を招く恐れもあるため、慎重な判断が求められるでしょう。
関連記事:共有不動産の持分を売却するとどうなる?起こりうるトラブルと注意点や費用を解説
土地の場合は「分筆」してそれぞれの単独名義にする
対象不動産が更地などの土地である場合、物理的に切り分けて単独名義にする「分筆」という手法が考えられます。共有状態から完全に抜け出し、各自が自由に活用を行えるようになるのが特徴です。
分筆の手続きを進めるにあたっては、以下の点に注意しなければなりません。
- 境界確定に向けた測量費用や登記費用が発生する
- 建物を建てるための接道義務を満たせないケースがある
- 形状によって公平な分割が難しく意見が割れやすい
この手続きを進める際にも全員の合意が不可欠です。法規制の問題で物理的に分割できない可能性もあるため、事前の綿密な調査が重要になります。
自分の持分を放棄して他の兄弟に帰属させる
共有関係から離脱する別の手段として、自分の持分を放棄する手続きも存在します。法的には単独で行える行為であり、放棄された持分は他の共有者に帰属することになります。
持分放棄を選択する場合、実務上および税務上で以下のような留意事項があります。
- 放棄の意思表示は単独で可能だが、登記には他の共有者の協力が必要
- 持分を取得した兄弟に対して贈与税が課される(みなし贈与)リスクがある
他の共有者が登記手続きに協力しない場合、最終的に訴訟を起こさざるを得ない事態も想定されます。また、予期せぬ税務上の負担が生じる可能性があるため、専門家への相談を視野に入れるとよいでしょう。
共有物分割請求訴訟で裁判所に判断を仰ぐ
当事者間の協議で解決の糸口が見えない場合、最終的な手段として裁判所へ共有物分割請求訴訟を提起する手段が存在します(民法第256条)。
この法的手続きは、他の共有者の同意がなくても単独で申し立てることが可能です。訴訟となった場合、裁判所が命じる主な分割方法は以下の3種類です(民法第258条)。
競売による換価分割となった場合、市場価格より安価で落札される傾向があります。



ただし、訴訟の手続き中であっても和解による柔軟な解決を目指す余地は残されています。
サービス一覧
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兄弟の共有名義解消にかかる費用・税金
共有名義を解消する際には、状況に応じて様々な税金や専門家費用が生じます。「想定外の出費で損をした」と後悔しないためにも、あらかじめ概算コストを把握しておくことが重要です。
ここでは、解消手続きに伴う主な費用や税務上の注意点について詳しく解説します。
持分売買・贈与で発生する税金
兄弟間で共有持分を売買、あるいは無償で譲渡(贈与)する手続きを行う場合、当事者双方に税務上の負担が生じる可能性があります。
具体的に発生し得る主な税金は以下の通りです。
| 発生する可能性がある主な税金 | 課税の概要 |
|---|---|
| 譲渡所得税(譲渡する側) | 持分を売却して利益(譲渡所得)が生じた際に課税される |
| 贈与税(譲り受ける側) | 持分を無償、または著しく低い対価で譲り受けた際に課税される |
| 不動産取得税(譲り受ける側) | 持分を新たに取得した際に課税される(※相続による取得は非課税) |
| 登録免許税(譲り受ける側) | 持分の移転登記(名義変更手続き)を行う際に納付が求められる |
売買や贈与の形態によって、譲渡する側と譲り受ける側のそれぞれに異なる税金が課されます。
税額の算出は個別事情により複雑化しやすいため、正確な負担額を把握するには専門家へ相談することをおすすめします。
専門家(弁護士・不動産業者)への相談費用
当事者間での協議が難航し、法的手続きや交渉を弁護士に依頼する場合、所定の費用が発生します。弁護士費用の一般的な内訳は以下の通りです。
| 弁護士費用の主な内訳 | 費用の概要と目安 |
|---|---|
| 法律相談料 | 法的な助言を求めるための費用(30分あたり5,000円〜1万円程度) |
| 着手金 | 依頼した段階で支払う初期費用(10万円〜30万円程度が目安) |
| 報酬金 | 問題解決時に、得られた経済的利益に応じて支払う成功報酬 |
| 実費 | 手続きに要する交通費、郵送費、印紙代などの諸経費 |
これらに加えて、業者の仲介で不動産を売却する際の仲介手数料や、土地を分筆する際の測量・登記費用などが生じるケースもあります。



対象となる不動産の評価額や解決方針によって総額は大きく変動するため、まずは見積もりを依頼するとよいでしょう。
兄弟の共有名義トラブルを未然に防ぐ方法
相続における不動産の共有名義はトラブルの温床となりやすいため、未然に防ぐ視点が重要です。遺産分割の際は安易な共有を避け、以下の手法で単独所有や現金化を目指すことが推奨されます。
| 共有名義を回避・予防するための主な対策 | 詳細 |
|---|---|
| 現物分割 | 不動産全体を売却し、その代金を分割する |
| 代償分割 | 一人(または数人)が現物を取得し、他の相続人へ代償金を支払う |
| 換価分割 | 遺言書や家族信託を活用し、あらかじめ取得者を指定する |
やむを得ず共有を選択する場合は、将来の紛争を防ぐ手立てが欠かせません。



事前に利用方法や維持費の負担割合を定めた共有者間協定書を作成しておくことで、親族間の対立を抑える効果が期待できるでしょう。
兄弟の共有名義に関するよくある質問
兄弟の共有名義の不動産でローンは組める?
兄弟の共有名義の不動産を担保にローンを組むことも可能です。
ただ、共有名義の不動産全体を担保にしてローンを組むには、共有者全員の同意が必要となります。
そのため、兄弟の一人でも反対すれば、ローンを組むことはできません。
これに対して、自身の共有持分に対してのみに抵当権を設定する場合には、他の共有者の同意は必要はありません。
共有名義の固定資産税は誰が払う?
法律上は、共有者全員が連帯して全額を納付する義務を負います(地方税法第343条)。
ただ、市町村から送られてくる納税通知書は、通常、共有者の代表者(登記簿の筆頭者など)一名宛に届きます。
共有者間の内部的な負担割合は、行政には関係ありません。そのため、誰かが立て替えて支払った後、他の兄弟に持分相当額を請求(求償)することになります。
共有名義の兄弟と連絡が取れない場合の対処法は?
連絡が取れない場合や意図的に無視されている場合は、当事者間での解決は困難であるため、弁護士に依頼し法的手続きを進める必要があります。
弁護士に依頼すれば、戸籍や住民票を調査することができ、その上で内容証明郵便で法的な要求(売却の提案や共有物分割の意思表示など)を送付できます。
それでも応答がない場合は、共有物分割請求訴訟を提起しましょう。
訴訟になれば、相手が欠席しても裁判所の判断で共有不動産をどう処理するか判決が下されるため、問題を法的に解決することが可能です。
まとめ|兄弟の共有名義トラブルは早めの対策と専門家への相談が大切
兄弟間での不動産の共有名義は、「兄弟だから大丈夫」という油断から、将来の深刻なトラブルにつながる大きなリスクを抱えています。
もし、これから相続を迎えるのであれば、安易に共有名義にしないことが大切です。遺産分割協議でしっかり話し合い、兄弟全員の合意を得ましょう。
すでに共有名義になってしまっている場合は、問題を先送りにしてはいけません。関係性がこじれる前、あるいは権利関係が複雑化する前に、解消に向けて動き出すことが重要です。



兄弟間での話し合いが難しい、あるいはすでにトラブルになっている場合は、ためらわずに弁護士へ相談しましょう。
関連記事:共有不動産を現金化する5つの方法とは?
関連記事:不動産の共有持分とは?
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