共有持分買取業者への売却トラブル回避法!持分現金化は弁護士に相談すべき理由

共有持分を現金化するには、共有持分買取専門業者に買い取ってもらえば手っ取り早いが、トラブルになりやすいとの話を耳にして不安を感じている人もいるでしょう。
- 共有持分買取業者が絡むトラブルとはどのようなものがあるのか?
- 共有持分を売却して現金化したいときは誰に相談すべきか?
- やむを得ず買取業者に依頼する場合のトラブル回避法や安心できる買取業者の選び方を知りたい
実は、共有持分を現金化する一番いい方法は、弁護士に依頼して共有物分割請求を行うことです。
買取業者に買い取ってもらうメリットがあるケースは、極めて例外的なケースに限られます。
共有持分買取業者に買取を頼んだ場合にトラブルが起こる可能性は、決して低くはありません。
やむを得ず共有持分買取業者を利用する場合に起こり得るトラブルと回避法などを把握しておくことが大事です。
この記事では、共有持分買取業者が絡むトラブル例や回避法を解説します。
共有持分を現金化するためにやむを得ず買取業者に買い取ってもらう場合の業者の選び方のポイントなどを詳しく解説しているので、共有持分買取業者が絡むトラブルで悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。
不動産を共有状態のままにしておくと、共有者間での意見が合わずにトラブルが起こる恐れがあります。
共有持分買取トラブルでお悩みの方は、不動産問題に強い弁護士法人アクロピースにご相談ください。
初回60分の相談は無料です。
私たちは誰がなんと言おうとあなたの味方です。
\お気軽にお電話ください/
受付時間:平日9:30-21:00 土日祝9:00-20:00
共有持分買取業者とは

はじめに、共有持分買取業者とはどのような業者なのかについて説明します。
不動産の共有持分の買取専門業者
不動産の共有持分とは、不動産を複数の人が共有している場合の各人が所有する共有割合のことで、共有持分買取業者とは、共有不動産の持分買取を専門にする不動産業者を指します。
共有持分を売却する場合、一般の人が買うことはほとんどないため、他の共有者に持分を買い取ってもらうか、買取業者に買い取ってもらうことがあります。
しかし、共有持分買取業者は、共有者の1人から共有持分を買い取った後、他の共有者から残りの持分をすべて買い取ろうとしてトラブルになるケースも珍しくありません。
なぜなら、共有持分買取業社は共有不動産の持分をすべて買い取って一体の不動産として利用あるいは転売すれば高収益をあげられるからです。
また最近では、このような共有持分権を廉価で購入して他の共有者に高値で売り抜けることを業としている不動産業者もいるため注意が必要です。
共有持分については、以下の記事で詳しく説明していますので、併せてご覧ください。
関連記事:共有持分とは?3つのトラブル事例・トラブルを避ける方法
共有持分買取業者は不動産仲介業者とは違う
共有持分買取業者は、不動産仲介業者とは違います。
- 買取業者:業者が買主となって不動産を直接購入する
- 仲介業者:不動産の売買を仲介する
買取業者に売る場合、誰にも知られずに短期間で売却できる可能性が高いでしょう。
ただし、仲介手数料は取られませんが、売却額が大幅に低くなるリスクがあります。
当事務所の経験上、買取業者に売却する場合は、売却額が相場の1~5割程度になってしまうことも多いです。
つまり、本来1000万円の価値がある共有持分があったとして、共有持分買取業者に売却する場合には100万円から500万円程度で買い取られてしまうのです。
一方、仲介業者に依頼すれば仲介手数料がかかり、売却に時間がかかることもありますが、希望する価格で売り出せます。
ただし、共有持分はそもそも仲介業者に依頼して売却することが難しく、依頼できても、買手は買取業者になることが多いため、売却金額は低廉に抑えられてしまうでしょう。
共有持分買取業者への売却で起こりうる6つのトラブル

共有持分買取業者の中には自社の利益を最優先する強引な業者も少なからずいます。
そのため、共有持分の売買をめぐってトラブルになるケースも多いのです。
共有持分買取業者への売却で起こりうるトラブル例を6つ紹介します。
共有持分買取業者からしつこい営業がある
共有持分売却のために、共有持分買取業者に軽い気持ちで問い合わせたり、見積りを頼んだりすると、断わってもしつこく売却を迫る連絡がくることがあります。
仕事中でも頻繁に電話などで連絡してくるだけでなく、時間帯に関係なく直接訪問してくる業者もおり、業務や生活に支障が出ることもあるでしょう。
そもそも、共有持分の買取業者は利益追求のために、相場よりも安い金額で購入しようとするので、自分の想定よりも相当安い金額で売却を迫られるケースもあります。
安易に買取業者と接触すると揉めることが多いので、注意が必要です。
共有持分買取業者が他の共有者に強引に営業する
買取業者が直接の依頼者だけでなく、他の共有者にもしつこく売却を迫ることもあります。
買取業者は高収益を狙って、物件全体を買い取って一体的に利用・転売しようとするからです。
共有持分だけでは業者の狙い通りの利用ができないため、他の共有者の持分も購入しようと、相手の意向に関わらず強く売却を迫ることもあるのです。
しつこい営業に手を焼いた他の共有者が、相場より著しく安い価格で共有持分を手放してしまう事態も起こりかねません。
他の共有者から「相談もなく共有持分を売られたため迷惑している」などと苦情がくることもあるでしょう。
共有持分買取業者が共有物分割訴訟を提起する
他の共有者の持分を買い取れない場合は、一部の共有持分を買い取った買取業者が、他の共有者を相手に訴訟を起こして共有物分割請求をすることがあります。
「共有物分割請求」とは、不動産の共有者の1人が、他の共有者に対して、共有状態を解消するための手続きです。
買取業者は多くの場合、業者の持分を高額で買い取るよう共有者に要求するか、逆に共有者の持分を買取業者に低額で譲渡するように要求します。
交渉がうまくいかない場合、買取業者は、共有持分を転売するか、共有物分割訴訟を提起して持分を現金化しようとするでしょう。
共有物分割請求があったときは、まず話し合いで解決を目指しますが、他の共有者は共有状態を解消するメリットがなければ、持分の買取りや売却を嫌がるでしょう。
その場合、買取業者が他の共有者に対して強硬な交渉態度をとることもあり、他の共有者から「共有持分を無理やり売らされた」「甚だ迷惑している」などと、不満や怒りを買うことになります。
見ず知らずの業者が出入りするため他の共有者が不安になる
見ず知らずの業者が出入りする可能性があり、他の共有者が不安になってしまうこともあります。
共有持分を業者に売却した場合、業者は持分に応じて共有不動産を使用する権利を持つため、敷地の中に入ってきたり、周辺をうろついて調査することもあるでしょう。
他の共有者が占有している場合や、もともと共有者間で共有物の使用方法が取り決められている場合には立ち入ることはできません。
しかし、周辺をうろつかれたり調査されるだけでも不安な気持ちになるものです。
共有不動産は、夫婦や親族など親しい間柄で共有しているケースが多く、共有地に突然見ず知らずの他人(業者)が出入りすれば不安になるのは当然のことでしょう。
他の共有者が賃料を請求される
共有持分の購入者が、他の共有者に賃料を請求する可能性があります。
共有者が物件を賃貸して賃料を得ている場合や、共有者自身が物件を独占使用しているときに、使用していない他の共有者は持分相当の賃料を請求する権利があるからです。
また、持分を買い取った業者が賃料を請求しなくても、共有持分を転売で買い取った人が、他の共有者に賃料を請求する可能性もあります。
不動産を所有している共有者は、知らない他人から突然賃料を請求されれば驚くでしょう。
この賃料請求は事情次第で必ず認められるとは限りませんが、揉める原因になりかねません。
遺産分割前に不動産の共有持分を売却してしまうと遺産分割が複雑になる
遺産分割前に不動産の共有持分を買取業者に売却してしまうと、後でその不動産以外の遺産を分割することになったときに分割協議が複雑になり揉める場合があります。
後で遺産分割をする場合にすでに売却した共有持分を遺産分割協議でどのように考慮するかは大きな問題です。
他の遺産の分割協議が複雑化するという悪影響につながります。
たとえば、共有持分の売却価格は一般的にかなり低くなりますが、遺産額の算定は遺産相続時の時価であるため、仮に低い価額で売却しても、相続時の高い評価額で相続したことになります。
そのため、売却した共有持分の評価方法や評価額をめぐってトラブルになるなど、遺産分割協議が複雑化しかねないのです。
共有持分を現金化する際にすべきこと

共有持分を現金化したいのであれば、すべきことがあります。
まず弁護士に相談する
共有持分を現金化したいと思ったときは、買取業者ではなく弁護士に相談することが何よりも大切です。
弁護士費用はかかりますが、費用を支払っても、たいていの場合、買取業者に売却するよりも最終的な手取り額は格段に大きくなります。
買取業者は市場価格の1~5割程度の低額で買い取ろうとすることが多いため、買取業者に安易に売ってしまうと手取り額が非常に小さくなるからです。
しかも、買取業者は買取金額が低いだけでなく、いろいろなトラブルが起こる懸念もあるのです。
どうしても今すぐに現金が必要という場合でも、買取業者に依頼する前に弁護士に相談することを強くおすすめします。
共有物分割請求には不動産関係の法律のみならず、不動産市場に関する理解も必要不可欠なため、不動産と共有物分割に精通した弁護士を選ぶことが大切です。
当事務所アクロピースでは、60分間の無料相談を実施しています。
不動産に強く、共有物分割請求に強い弁護士が対応しますので、ぜひお気軽にご相談ください。
\300件以上の相談実績/
受付時間:平日9:30-21:00 土日祝9:00-20:00
買取業者に売却する場合は弁護士に紹介してもらう
買取業者に売却する場合は、売却先の買取業者は弁護士に紹介してもらった方がよいです。
ただし、弁護士に共有物分割を依頼した場合、解決までにはどんなに早くても2か月程度かかるかもしれません。
平均的には、最終的な解決を得るまで1年程度の時間が必要です。
そのため「どうしても今すぐ現金がほしいから、やむを得ず買取業者に依頼する」という場合もあるでしょう。
トラブルにならないようにするためにも、次のポイントには気を付けて売却先の買取業者を選びましょう。
- 宅地建物取引業の免許がある業者を選ぶ:
不産売買業は宅地建物取引業の免許(宅建免許)が必要(宅地建物取引業法3条)
買取業者のウェブサイトなどで宅建免許の有無を確認する(確認は必須)
ただし、宅建免許があっても信頼できる業者とは限らない点に注意 - 買取業者は弁護士に紹介してもらう:
買取業者は弁護士に紹介してもらった業者を選ぶ
弁護士が紹介する業者は少なくとも明らかに違法な行為を行うことはない場合が多い
あまりに強引な手法を使う業者もまずいないと思われる - 複数業者に見積りを依頼して比較する:
複数業者に見積りを依頼して内容を慎重に比較する
買取価格の査定は、買取業者によって大きく異なる
説明内容や応対時の態度などから業者の信頼性を判断できる
ただし、いずれにしても買取業者の買取額は相場よりも相当安いことに気をつける - 買取業者の口コミや評判を確認する:
複数のウェブサイトを検索して口コミをチェックする
よい口コミだけでなく、わるい口コミもある公平なサイトかの確認も大事
何よりも、原則として弁護士に相談することを重視すべきです。
共有持分買取業者を利用する際のトラブル回避法

共有持分買取業者を利用する場合のトラブル回避法を紹介します。
共有状態を解消しておく
共有持分を売却する前に、共有状態を解消することが最も重要です。
売却をする前に、共有関係を解消しておけばトラブルを防げます。
共有状態を解消するには、買取会社に持分を売却する前に以下の方法をやっておくことが有効です。
- 不動産全体を売却する:
ただし、一括売却は共有者全員の合意が必要なこと、譲渡税がかかる場合があることに注意が必要です。 - 共有者間で持分を売買する:
住んでいない共有者が住んでいる共有者に持分を買い取ってもらえれば、双方にメリットがあります。 - 土地を分筆する:
土地は共有持分の割合で分筆可能です。ただし、建物が土地全体にまたがっている場合は、建物の分割は難しいため推奨できません。 - 共有物分割訴訟をする:
持分共有者は、共有物分割訴訟を起こせます。(民法258条1項)
訴訟を提起すれば、強制的に不動産全体の売却や、適正額での持分の売却が可能になります。 - 自身の共有持分を第三者に売却する:
自分の持分を売り共有状態から抜けることも可能です。
ただし、他の共有者の理解を得ておかないと業者への売却と同じ問題が起こります。
共有物分割請求で分割する場合、次の3種類の方法があります。
- 現物分割(土地の分筆)
- 換価分割(不動産を売却して代金を持分で分配する)
- 代償分割(他の共有者からすべての持分を譲り受け単独所有にする)
現物分割は、土地の場合は分筆可能ですが、建物の場合は困難です。
分割困難な建物が含まれる場合は、換価分割または代償分割のいずれかを選択するのが、現実的な対応でしょう。
自分で、上記の方法を行えない場合は、弁護士に依頼することも検討しましょう。
参考:法務省|民法の改正(所有者不明土地等関係)の主な改正項目について(共有関係の解消促進)
売却する場合は共有者や持分割合をきちんと把握する
不動産を共有のまま売却する場合は、共有者や自分の持分割合をきちんと把握しておきましょう。
相続が繰り返し行われた場合などに、共有者が複雑化している可能性があります。
共有者や持分割合を把握していない場合は、事前に共有者の同意を得ることができないため、売却に手間取ってしまう方も少なくありません。
複雑な場合は、弁護士など専門家に依頼して把握しておくと良いでしょう。
買取専門業者への依頼はなるべく避ける
ここまで解説したとおり、買取専門業者への依頼はなるべく避けるべきです。
買取業者を利用する場合、安く買いたたかれる恐れがあります。
1人でも共有持分を売却すると、他の共有者が売却を強要されたり、共有物分割請求をされたりするなどのリスクもあります。
可能であれば、他の共有者や親族に共有持分を買い取ってもらうなど、買取専門業者への依頼をできる限り避けることが、有効なトラブル回避法につながります。
他の共有者と話し合いがうまくできない場合には、弁護士に相談することも検討しましょう。
共有持分買取業者が絡むトラブル対策は弁護士に相談しよう
共有持分売却をめぐるトラブル対策は、弁護士に相談した方がよいです。
共有持分の管理問題の煩わしさや共有者との関係が面倒だからと、買取業者の言い値で持分をすぐに売ってしまうこともあるでしょう。
しかし、買取業者や他の共有者とトラブルが起きてしまった場合、自分たちだけでトラブルを解決しようとしても、うまく話がまとまらず、問題がさらに複雑化することもあります。
事前に弁護士へ相談することで、共有持分売却トラブルを回避できるほか、以下のような大きなメリットがあります。
- 不動産の価値や活用法がわかり、今より好条件での売却も可能になる
- トラブルが起きたときも、適切な解決策がわかる
- 問題の解決に向けて迅速かつ的確なサポートを受けることができる
- 専門知識を活かしたアドバイスにより、自分では気づきにくい法的な観点や手続きの進め方を知ることができる など
結果的に良い方向に進むでしょう。
まとめ
共有持分買取業者をめぐるトラブルについてまとめます。
- 共有持分買取業者が絡むと、しつこく強引に営業される・安値で買いたたかれる・共有物分割訴訟を起こされる・他の共有者が不安になる・突然賃料を請求される等のトラブルが起こりやすい
- 共有持分を現金化したいときは、まず弁護士に相談する・やむを得ず買取業者に売却する場合も弁護士に紹介してもらう
- 買取業者を選ぶときは、宅建免許の確認・複数業者の見積り比較などが必要だが、何よりも弁護士に相談することを重視すべき
- 買取業者を利用する場合のトラブル回避法は、共有状態を解消しておく・共有者や持分割合を把握する・買取専門業者への依頼は避ける・弁護士とよく相談すること
共有持分買取業者への売却は、トラブルになることがよくあります。
何よりも、買取業者へ売却する場合、極めて低価で買いたたかれる恐れがあるため極力避けましょう。
やむを得ず買取業者を利用する場合は、必ず弁護士に相談した方がよいです。
共有不動産をめぐるトラブルで悩んでいる方は、『不動産』を事務所の重点分野として取り組んでいる弁護士法人アクロピースにご相談ください。
初回60分の相談は無料です。
お気軽にご連絡ください。
\300件以上の相談実績/
受付時間:平日9:30-21:00 土日祝9:00-20:00