不倫は示談で解決できる?メリット・リスクや交渉の流れ・注意点を弁護士が徹底解説

「夫の不倫相手に示談金を請求したいが、裁判沙汰にはしたくない」
「不倫が発覚したが、相手と話し合いで穏便に解決する方法はある?」
信じていたパートナーの裏切りを知ったとき、怒りや悲しみと同時に、今後の解決方法について不安を抱くのは当然のことです。
不倫トラブルは裁判ではなく、当事者間の交渉(示談)で解決を目指すケースも少なくありません。しかし、正しい知識がないまま交渉を進めると、不当に低い金額で合意してしまったり、後からトラブルが再燃したりしかねません。
この記事では、不倫を示談で解決するメリットやリスク、具体的な交渉の流れ、示談書の書き方などを弁護士の視点で徹底解説します。感情的な対立を避け、有利な条件で解決するための手引きとして、ぜひ参考にしてください。
不倫トラブルは「示談」で解決できるが、準備なしの交渉は危険:示談は裁判を使わず当事者の合意で解決する方法で、早期・非公開で進められる一方、知識不足のまま進めると「相場より低額で合意」「後から蒸し返し」「不利な条項に署名」などの失敗につながりやすい。
示談金の相場は「離婚するか否か」で大きく変わる:目安として、離婚する場合は高め(例:100〜300万円)、離婚しない場合は低め(例:50〜100万円)になりやすい。再構築を選ぶときは、配偶者へ請求すると家計から出て“自分の財布”の問題になりやすく、不倫相手への請求と「求償権放棄」の設計がポイントになる。
不倫の示談で「脅し・暴露・三者面談・口約束放置」は厳禁:怒りからの脅迫・強要は刑事リスクや示談無効の火種になる。職場やSNSでの暴露は名誉毀損等で逆請求される可能性があり、回収にも不利。3者での話し合いは感情爆発や口裏合わせのリスクが高い。最終的な決着は必ず示談書で固めるべき。
弁護士を入れるべき局面は「否認・無視・相手が弁護士同伴・精神的に限界」:相手が認めない・応じないと交渉は動きにくい。相手側に弁護士がいるなら情報量と交渉力で不利になりやすい。精神的負担が大きい場合も、窓口を弁護士に一本化することで生活を守りながら適切な条件での解決を狙える。
不倫・男女問題に関するお悩みを抱えている方は弁護士法人アクロピースにご相談ください。
不倫示談金の請求実績が豊富な弁護士が、個々のケースに合わせて適切な解決方法を提案いたします。
初回60分の無料相談も実施しているので、まずはお気軽にご相談ください。
\ 初回60分無料!/
【無料相談受付中】365日対応
不倫(不貞行為)の示談とは?
不倫問題における「解決」には、大きく分けて話し合いによる解決と、裁判所を通じた法的解決の2種類が存在します。
ここでは、多くの人が選択する「示談」の基本的な定義と、裁判との決定的な違いについて解説します。
弁護士 佐々木一夫監修者コメント
不倫の示談交渉は、早期解決やプライバシー保護という点で有効です。しかし、口頭合意のまま終わらせたり、清算条項を理解せず署名したりすると、後からトラブルになる可能性が高くなります。
まずは証拠を整理し、合意内容は必ず書面化してください。示談金が分割払い・高額になる場合は、公正証書にして回収可能性を担保することも重要です。感情が揺れやすい局面だからこそ、冷静かつ正確に手順を踏みましょう。
不倫の示談とは|当事者間の話し合いで解決すること
不倫における示談とは、不貞行為の加害者(配偶者や不倫相手)と被害者が直接話し合い、合意によって問題を解決する手続きのことです。
裁判所などの公的機関を介さず、当事者同士の合意のみで成立する点が特徴といえます。具体的には、以下の項目について双方が納得する着地点を探ります。
- 不貞行為の事実を認めるか否か
- 精神的苦痛に対する示談金の金額
- 示談金の支払い方法(一括か分割か)と期限
- 今後の関係性(接触禁止や関係解消など)
- 守秘義務(口外禁止)などの付帯条件
示談は、法律で定められた厳格な形式が存在するわけではありません。電話やメール、対面での会話を通じて行われますが、最終的には合意内容を証明するために書面(示談書)を残すのが一般的です。
お互いが譲歩し合い、納得できる解決策を柔軟に模索できる点が、示談という解決方法の本質的な意義といえるでしょう。
示談と不倫裁判の違い
示談と裁判は、解決までのプロセスや拘束力において大きな違いがあります。それぞれの特徴を正しく理解し、ご自身の状況や希望に合った解決手段を選択することが重要です。
両者の主な違いを比較表で確認しましょう。
| 比較項目 | 示談(話し合い) | 裁判(訴訟) |
|---|---|---|
| 解決までの期間 | 短い(数週間〜数か月) | 長い(半年〜1年以上) |
| 費用 | 低い(実費や弁護士費用のみ) | 高い(印紙代、弁護士費用も割高) |
| 公開性 | 非公開(秘密を守りやすい) | 原則公開(傍聴される可能性あり) |
| 解決の柔軟性 | 高い(謝罪や接触禁止も含める) | 低い(金銭支払い命令が主) |
| 強制力 | 低い(公正証書にしない限りなし) | 高い(判決による強制執行が可能) |
| 精神的負担 | 比較的軽い(早期解決が可能) | 重い(法廷での尋問や対立が続く) |
裁判は、白黒はっきりつけるための強力な手段ですが、時間と労力がかかります。一方、示談はスピーディーな解決が可能ですが、相手が話し合いに応じなければ成立しません。



まずは示談交渉から始め、決裂した場合の最終手段として裁判を検討するのが、実務上の一般的な流れです。
不倫を示談で解決するメリット
不倫トラブルにおいて、裁判ではなく示談を選ぶことには多くのメリットがあります。
時間やコストの削減だけでなく、精神的な安定やプライバシー保護の観点からも、示談は非常に有効な選択肢です。
示談解決がもたらす主なメリットは、以下のとおりです。
以下、それぞれ詳細に解説します。
数週間で早期解決できる
示談交渉のメリットは、解決までのスピード感にあります。
裁判を行う場合、訴状の作成から始まり、口頭弁論の期日が1か月に1回程度しか入らないため、判決まで1年以上かかることも珍しくありません。その間、過去の不快な出来事と向き合い続けることは、被害者にとって大きな精神的苦痛となります。
一方で示談であれば、双方の合意さえ得られればその日のうちに解決することも可能です。早ければ数週間、長くても数か月程度で決着がつくケースが大半です。
| 解決方法 | 期間の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 示談交渉 | 数週間〜3か月 | 合意すれば即日解決も可能。スケジュール調整も柔軟。 |
| 裁判(訴訟) | 1年〜2年 | 手続きが厳格で、期日間の待ち時間が長い。 |
早期に問題を清算することで、気持ちを切り替え、新しい生活や夫婦関係の修復に向けた一歩を早く踏み出せます。



時間を浪費せず、未来のためにリソースを使える点は、人生において大きな価値を持つでしょう。
裁判にかかる費用を抑えられる
経済的な負担を軽減できる点も、示談を選択する大きな理由の一つです。
裁判を起こすには、請求額に応じた「収入印紙代」や「予納郵券代」といった実費を裁判所に納める必要があります。
示談交渉であれば、裁判所に納める費用は一切かかりません。弁護士に依頼する場合でも、交渉のみであれば費用を抑えられるケースが多くあります。
示談で解決することによって節約できる主な費用は、以下のとおりです。
- 裁判所手数料:訴額に応じた収入印紙代(数千円〜数万円)
- 予納郵券代:裁判所から相手への書類送付用切手代(約6,000円)
- 弁護士費用差額:交渉のみと訴訟対応では費用体系が異なり、事務所・請求額・手続の内容により大きく変動(見積もりで確認が必要)
- 交通費・日当:裁判所へ出廷するたびにかかる実費
自身で交渉を行う場合は、実質的な費用をゼロにすることも可能です(ただしリスクは伴います)。
獲得できる示談金から経費を差し引いた「手元に残るお金」を最大化するという意味でも、示談は経済合理性の高い手段といえます。
不倫の事実を内密に処理できる
不倫トラブルは非常にデリケートな問題であり、周囲に知られたくないと考えるのが通常です。示談であれば、不倫の事実を内密に処理できます。
示談なら知られずに済む相手の例は、以下のとおりです。
- 勤務先:職場への噂の流布を防げる
- 親族・子供:家族関係への悪影響を遮断できる
- 近隣住民:裁判所からの特別送達などで怪しまれるリスクがない
- 友人・知人:SNSなどでの拡散を契約で禁止できる
裁判は、誰でも法廷に入って傍聴したり、事件記録を閲覧したりすることが可能です。可能性は低いものの、知人や近隣住民に不倫の事実や詳細な内容を知られてしまうリスクはゼロではありません。
一方、示談交渉は当事者間(および代理人弁護士)のみで行われるため、完全非公開です。示談書の中に「口外禁止条項(守秘義務)」を盛り込むことで、解決後も不倫の事実を第三者に漏らさないよう相手にも義務付けられます。
会社や家族、友人などに知られることなく、穏便に問題を処理したい方にとって、秘匿性の高さは示談ならではの強みです。
再構築(夫婦関係の修復)を目指しやすい
配偶者との離婚を望まず、関係を修復(再構築)したい場合、示談による解決が適しています。
裁判で争うと、配偶者やその不倫相手を証言台に立たせ、過去の言動を厳しく追及することになります。夫婦間の溝が決定的なものとなり、修復が困難になるケースが少なくありません。
示談であれば、相手への配慮や譲歩を含んだ柔軟な解決が可能です。「二度と会わない」や「連絡先を削除する」を条件に、示談金を減額するなど調整もできます。



反省を促す形で決着させることで、夫婦関係を維持したまま再スタートを切りやすくなるでしょう。
不倫を示談で解決するリスク
メリットの多い示談ですが、一方で注意すべきリスクやデメリットも存在します。
安易な口約束や、法的に不備のある合意は、将来的なトラブルの火種となりかねません。
示談交渉を進めるうえで警戒すべきリスクは、以下の4つです。
以下、それぞれ具体的に解説します。
不倫の事実が曖昧なまま「解決金」扱いにされる可能性がある
示談はあくまでお互いの合意に基づくため、相手が不倫の事実を認めないままお金だけ支払うケースがあります。
これを解決金という名目で処理することがありますが、被害者としては「謝罪がない」「不貞を認めていない」という不満が残りがちです。
事実関係を曖昧にしたまま示談を成立させると、以下のような問題が生じる恐れがあります。
- 真摯な謝罪が得られず、精神的な区切りがつかない
- 「不倫はしていないが、面倒だから金を払った」と周囲に言いふらされる
- 再発防止の約束(接触禁止など)の実効性が弱まる
相手が頑なに事実を認めない場合は、証拠を提示して事実認定を迫るか、解決金と割り切って早期解決を優先するか、慎重な判断が求められます。
示談書だけでは「強制執行」が即座にできない
当事者同士で作成した私的な示談書には、強力な法的強制力がありません。
もし相手が約束した示談金の支払いを途中で止めたとしても、私的な示談書だけでは給料や預金を差し押さえる強制執行はできません。示談金を支払わせるためには、改めて裁判を起こして判決を得るという手間が発生します。
このリスクを回避するためには、示談の内容を「強制執行認諾文言付きの公正証書」にする必要があります。公正証書とは、公証役場で公証人が作成する公文書のことです。
| 比較項目 | 私的な示談書 | 公正証書(執行認諾文言付) |
|---|---|---|
| 作成者 | 当事者同士 | 公証人(元裁判官などの専門家) |
| 作成場所 | 自宅やカフェなど自由 | 公証役場 |
| 費用 | 実費のみ(ほぼ0円) | 公証人手数料(数万円〜) |
| 証拠能力 | 高い | 極めて高い |
| 強制執行 | 不可(裁判が必要) | 可能(即座に差し押さえ) |
公正証書であっても、「支払いが滞れば直ちに強制執行を受けても異議はない」という文言を入れなければ、裁判を経ずに差し押さえできないため注意が必要です。
相手に無視されて交渉が長期化・頓挫する危険性がある
示談交渉は、相手が話し合いのテーブルに着くことが大前提です。
しかし、相手が電話や手紙を無視し続けるケースは珍しくありません。法的な呼び出しである裁判所の期日とは異なり、個人の交渉要請には応じる法的義務がないためです。
交渉が停滞している間に、相手が財産を隠したり、時効が完成したりするリスクも生じます。
連絡を無視される場合は、弁護士名義で内容証明郵便を送るなど、相手に「逃げ得は許されない」というプレッシャーを与える工夫が必要です。
関連記事:不倫の時効は何年?起算点や時効完成を止める方法を弁護士が解説
交渉に負けて「不利な条件」を飲まされる恐れがある
法律の専門知識がないまま交渉に臨むと、相手や相手の弁護士に言いくるめられ、不利な条件で合意してしまう恐れがあります。
とくに、早く問題を終わらせたいという焦りや、相手と顔を合わせるストレスから、安易な妥協案を飲んでしまう被害者が少なくありません。
よくある失敗例としては、以下のようなケースが挙げられます。
- 相場よりも著しく低い示談金額(10万円〜30万円など)で合意してしまう
- 「清算条項(これ以上請求しない約束)」にサインし、後から追加請求できなくなる
- 自身の非(例:夫婦関係が既に破綻していた等)を不当に認めさせられる
一度示談書に署名捺印してしまうと、原則として後から内容を覆すことは極めて困難です。
「知らなかった」では済まされないため、提示された条件が適正かどうか、サインする前に専門家のチェックを受けることが安全策といえます。
不倫の示談交渉の具体的な流れ
示談交渉をスムーズに進め、納得のいく結果を得るためには、正しい手順を踏むことが不可欠です。
感情に任せていきなり相手に詰め寄ると、証拠を隠されたり、話し合いが決裂したりする原因になります。
ここでは、不倫発覚から示談成立、示談金の受け取りまでの標準的なステップを解説します。
ステップ1:証拠の確保と相手の特定
交渉を始める前に、まずは不倫の事実を証明する客観的な証拠を集めましょう。
証拠がなければ、相手に「誤解だ」「ただの友人だ」としらを切られた際に反論できず、示談金請求自体が難しくなります。
有効な証拠の例は、以下のとおりです。
- 肉体関係があったと推認できる写真や動画
- 性行為や好意を暗示するLINE・メールのやり取り
- クレジットカードの利用明細(ホテルの支払い履歴)
- 交通系ICカードの履歴やGPSの記録
- 探偵事務所による調査報告書
同時に、示談金請求の相手方となる不倫相手の氏名や住所を特定する必要があります。住所が分からなければ、内容証明郵便を送ることもできません。
手元情報が乏しい場合、弁護士に依頼して弁護士会照会等の手段を検討することがあります(ただし、照会が常に通るとは限りません)。
ステップ2:示談金額と条件の検討
証拠が揃ったら、相手に請求する内容を具体的に決めます。
いくら請求するかという金額面だけでなく、謝罪の方法や接触禁止などの条件面も整理しておきましょう。
検討すべき主な項目は、以下のとおりです。
| 示談金の請求額 | 相場を考慮しつつ、少し高めの金額を設定するのが一般的 |
|---|---|
| 支払期限 | いつまでに支払ってもらうかを定める条項 |
| 接触禁止 | 配偶者との私的な連絡や面会を禁止する条項 |
| 違約金 | 約束を破った場合のペナルティ(例:連絡したら1回につき〇万円) |
| 求償権の放棄 | 不倫相手から配偶者への支払請求(求償権)を放棄させるか |



ここでの設定が交渉のスタートラインとなります。
最初からギリギリの妥協案を提示するのではなく、交渉の余地を
ステップ3:相手方への通知・交渉開始
準備が整ったら、相手に対して示談金請求の通知を行いましょう。通常は内容証明郵便を利用して送付します。
内容証明郵便とは、「いつ、誰が、誰に、どのような内容を送ったか」を郵便局が証明してくれるものです。相手に心理的なプレッシャーを与え、本気度を伝える効果があります。
通知書には、以下の内容を記載します。
- 不貞行為の事実指摘
- 示談金の請求金額
- 振込口座と支払期限
- 回答の期限
- 法的措置への言及(応じない場合は裁判も辞さない旨)
書面送付後は、相手からの回答を待ち、具体的な条件交渉に入ります。電話や対面での話し合いになることもあれば、書面のやり取りだけで進むこともあります。
冷静さを保ち、事前に決めた条件を軸に交渉を進めましょう。
ステップ4:示談書の作成と締結
双方の主張をすり合わせ、合意に至ったら内容を示談書にまとめます。口頭での合意だけでは、後になって「言った言わない」の水掛け論になるリスクが高いため、必ず文書化してください。
前述のとおり、分割払いになる場合や金額が大きい場合は、公証役場で公正証書を作成しましょう。公正証書にすることで、不払い時の強制執行が可能になり、回収の確実性が飛躍的に高まります。



この手続きを経て、法的に有効な示談が成立したことになります。
ステップ5:示談金の入金確認
示談書で定めた期日までに、指定口座への入金があるかを確認します。全額の振込が確認できれば、一連の不倫トラブルの解決は完了です。
もし期日を過ぎても入金がない場合は、速やかに相手へ督促を行います。それでも支払われない場合は、示談書(公正証書)に基づき、法的手段(訴訟提起や強制執行)への移行を検討することになります。
弁護士に依頼すると、入金管理や督促業務も代行してもらえるため、最後まで安心して示談を進めたい場合、一度弁護士に相談するとよいでしょう。
【ケース別】不倫の示談金の相場は?
不倫の示談金には、法律で決まった定価はありません。しかし、過去の裁判例などを基にした相場が存在し、交渉の実務ではこの相場が基準となります。
金額を大きく左右する要因は、「不倫が原因で夫婦関係がどうなったか(離婚するか、しないか)」です。以下、離婚をする場合としない場合にわけ、それぞれ示談金の相場を解説します。
関連記事:不倫で慰謝料はいくらもらえる?相場や請求しないほうがいいケースも解説【弁護士監修】
離婚する場合の示談金相場
不倫が決定的な原因となって離婚に至る場合、被害者が受ける精神的苦痛は甚大であるとみなされます。
夫婦関係が完全に破綻してしまったことへの償いも含まれるため、示談金の相場は高額になる場合が多いです。
示談金の相場目安は、以下のとおりです。
相場目安:100万円〜300万円
金額の幅は、以下の要素によって変動します。
| 婚姻期間 | 期間が長いほど高額になりやすい(10年以上など) |
|---|---|
| 不倫の期間 | 回数:長期間かつ頻繁であるほど悪質性が高い |
| 子供の有無 | 幼い子供がいる場合、離婚による影響が大きいとして増額要因になる |
| 相手の態度 | 反省がない、不倫を主導した等の場合は高くなる |
離婚する場合は、配偶者に対する示談金と、不倫相手に対する示談金を合わせて考える必要があります。しかし、二重取りはできないため、どちらか一方から全額を受け取るか、分担して支払ってもらう形になる点は覚えておきましょう。
関連記事:離婚の慰謝料の相場はどのくらい?離婚の原因別の金額や請求手順を弁護士が解説
離婚しない場合の示談金相場
不倫はあったものの、話し合いの結果、夫婦関係を継続(再構築)する場合です。このケースでは、「離婚という最悪の事態は免れた」と判断されるため、離婚する場合に比べて示談金の相場は低くなります。
示談金の相場目安は、以下のとおりです。
相場目安:50万円〜100万円
離婚しない場合、家計(夫婦の共有財産)から示談金が支払われると、実質的に「自分のお金が移動しただけ」になってしまうことがあります(配偶者に請求する場合)。不倫相手に対してのみ請求を行うケースが一般的です。
しかし、不倫相手に高額な示談金を請求した場合、相手から配偶者に対して求償権(支払った分の一部を負担してほしいという権利)を行使されるリスクがあります。
結果的に家計からの持ち出しが発生する恐れがあるため、「求償権の放棄」を条件に入れて、相場通りの金額で手を打つ戦略が有効です。
関連記事:不貞行為で慰謝料1000万円は請求できる?高額になるケースや二重取りの可否を弁護士が解説
不倫の示談交渉をする際の注意点
感情的になりやすい不倫問題の交渉では、一歩間違えると被害者であるはずのあなたが「加害者」扱いされたり、法的な不利を背負ったりする危険があります。
冷静かつ有利に事を運ぶために、以下4つの注意点は守りましょう。
以下、それぞれ具体的に解説します。
感情的な脅迫・強要は避ける
怒りのあまり、相手に対して過激な言葉を浴びせたり、無理やり示談書にサインさせたりする行為は厳禁です。
相手に対し、生命・身体・自由・名誉・財産に害を加える旨を告知する行為は、刑法の脅迫(刑法222条)に該当し得ます。また、相手の自由な意思決定を害する態様で同意を迫る行為は、強要(刑法223条)に該当し得ます。
とくに、以下のような言動は避けましょう。
- 「会社にバラすぞ」「人生終わらせてやる」などの脅し文句
- 大声で怒鳴りつけたり、机を叩いたりして威圧する
- 部屋に鍵をかけて帰さない(監禁罪のリスク)
- 深夜に長時間拘束して説教を続ける
もし相手が「脅されて無理やりサインさせられた」と主張した場合、せっかく作成した示談書が無効になる恐れがあります。



交渉はあくまで対等な立場での合意形成であることを忘れず、毅然とした態度で、しかし紳士的に進めることが重要です。
職場への暴露やSNSでの拡散は避ける
「社会的制裁を与えたい」という気持ちから、相手の職場に不倫の事実を告げ口したり、SNSで実名を晒したりする行為は危険です。名誉毀損やプライバシー侵害として、逆に相手から損害賠償を請求されかねません。
また、交渉においても不利に働きます。相手が職を失えば示談金を支払う能力がなくなり、結果的にあなた自身がお金を回収できなくなるためです。復讐は法的に許された範囲内(示談金請求)に留めましょう。
どうしても相手の上司などに知らしめたい事情がある場合は、事前に弁護士へ相談し、違法にならない方法を検討することが大切です。
不倫相手・配偶者と3者間での話し合いは避ける
ドラマなどでよく見る、自分・配偶者・不倫相手の3人が一堂に会して話し合う3者面談は、実務上あまり推奨できません。感情が爆発しやすく、冷静な議論ができずに罵り合いになるケースが多いためです。
3者間で話し合うリスクには、以下のようなものがあります。
- 配偶者が不倫相手をかばう態度を見せ、さらに傷つく
- 口裏を合わせられ、責任転嫁される
- 暴力沙汰に発展する可能性がある
基本的には、配偶者との話し合いと、不倫相手との交渉は切り離して行うべきです。



どうしても直接会う必要がある場合は、第三者(弁護士など)を立ち会わせ、冷静さを保てる環境を整えましょう。
口約束だけで終わらせず「示談書」を作成する
口頭での合意だけで済ませるのは避けましょう。録音などをしていたとしても、書面がなければ後からいくらでも言い逃れされてしまいます。
示談書には、単なる金額の合意だけでなく、清算条項という重要な役割があります。これは「これですべて解決とし、今後はお互いに一切の請求をしない」と確認するものです。
この条項がないと、数年後に「やっぱり示談金は支払わない」など蒸し返しが起きる可能性があります。



お互いのためにも、合意内容は詳細かつ明確な文章で残し、後腐れのない完全な解決を目指しましょう。
関連記事:慰謝料請求でやってはいけないこととは?脅迫罪にあたるケースや不利にならない方法を弁護士が解説
不倫示談書とは?書き方や記載すべき条項を解説
示談書は、トラブルの最終的な解決を証明する最重要書類です。
記載内容に不備があると、法的効力が認められなかったり、期待した効果が得られなかったりします。
ここでは、示談書の基本的な役割と、必ず盛り込むべき具体的な条項について解説します。
不倫示談書とは
不倫示談書とは、不貞行為に関する損害賠償問題について、当事者間で合意した内容を記した契約書のことです。
表題は示談書のほか、「合意書」「和解契約書」とされることもありますが、法的効力に違いはありません。
主な役割は、以下の2点です。
- 証拠機能:合意内容(金額、支払日、条件など)を客観的に証明
- 紛争解決機能:法的関係を確定させ、将来の紛争を予防
インターネット上の雛形(テンプレート)を使用することも可能ですが、個別の事情に対応していないことが多いため注意が必要です。



自身の状況に合わせて内容をカスタマイズすることが、トラブル防止の鍵となります。
示談書を作成する目的と法的効力
示談書を作成する目的は、「言った言わない」の争いを防ぐことです。
契約は口頭でも成立しますが、裁判になった際に口頭契約を立証するのは極めて困難です。署名捺印のある示談書が存在すれば、裁判所は高い確率で真実の合意として認めます。
また、示談書は契約書としての法的拘束力を持ちます。一度合意した内容は、詐欺や強迫など特別な事情がない限り、一方的に破棄・変更できません。
被害者にとっては「確実に支払いを受ける権利」、加害者にとっては「それ以上の請求を受けない権利」を保障する、双方にとって重要な要素となります。
示談書に記載すべき項目
漏れのない示談書を作成するために、以下の項目は必ず記載しましょう。
| 項目名 | 記載内容のポイント |
|---|---|
| 当事者の特定 | 誰と誰の契約かを明確にする(氏名・住所)。 |
| 不貞行為の事実 | いつ、どこで、誰と不貞行為を行ったかを具体的に認める文言。 |
| 謝罪の意思 | 被害者に対して真摯に謝罪する旨の記載。 |
| 示談金の額・支払方法 | 金額、支払期日、振込先口座、分割の場合は回数と期限の利益喪失条項。 |
| 接触禁止条項 | 電話、メール、面会など、配偶者への接触を禁止する内容。 |
| 違約金条項 | 約束(支払いや接触禁止)を破った場合のペナルティ金額。 |
| 求償権の放棄 | 不倫相手が配偶者に費用分担を求めないという約束(必要な場合)。 |
| 口外禁止条項 | 不倫の事実や示談内容を第三者に漏らさない約束。 |
| 清算条項 | 「本合意以外に債権債務がない」ことを確認し、完全解決とする文言。 |
とくに清算条項は重要です。この一文を入れることで、事件を法的に完結させられます。書き方に不安がある場合は、一度弁護士によるリーガルチェックを受けましょう。
不倫の示談で弁護士に依頼すべきタイミング
「弁護士に頼むとお金がかかるし、大げさにしたくない」と考える方も多いでしょう。
しかし、状況によっては早期に弁護士を介入させた方が、結果的に得をする(精神的にも経済的にも)ケースがあります。
以下のような状況であれば、迷わず専門家の力を借りるべきです。
以下、それぞれ具体的に解説します。
関連記事:慰謝料請求は自分でできる?手続きの流れや弁護士なしで進めるリスクを解説【弁護士監修】
相手が不倫を認めない・話し合いに応じない場合
相手が「ただの仕事仲間だ」「ホテルには行ったが休憩しただけ」と不倫を否定している場合、当事者同士での話し合いは平行線をたどります。
また、電話に出ない・居留守を使うなど、誠実な対応が見られない場合も同様です。
弁護士が介入すると、以下の変化が期待できます。
- 相手が観念して話し合いに応じやすくなる
- 証拠に基づいた法的な主張を行うことで、言い逃れを許さない
- 職務上の権限を用いて、相手の現住所などを調査できる可能性がある
交渉の入り口で躓いている場合、弁護士というカードを切ることで事態を一気に動かせます。
相手側に弁護士がついている場合
相手が先に弁護士を立ててきた場合、こちらも即座に弁護士を依頼すべきです。法律のプロと素人では、知識量や交渉テクニックに圧倒的な差があり、まともな勝負になりません。
相手の弁護士は、依頼人(不倫相手)の利益を最大化するために動きます。「相場はこれくらいだ」「裁判になればもっと減る」など、もっともらしい理屈で大幅な減額を迫ってくるでしょう。



対等な立場で交渉し、正当な権利を守るためには、こちらもプロを味方につけるほかありません。
精神的ストレスで直接交渉が辛い場合
不倫問題は、理屈以上に感情の消耗が激しいトラブルです。
裏切られたショックを抱えながら、その元凶である相手と金銭交渉をするストレスは計り知れません。相手の声を聞くだけでフラッシュバックが起きる方も少なくないでしょう。
弁護士に依頼すれば、相手との連絡・交渉はすべて弁護士が窓口となります。相手と直接話す必要も、顔を合わせる必要もありません。
嫌な役回りをすべて任せることで、心の平穏を保ちながら、日常生活や仕事を取り戻せます。精神的な負担を解消するためにも、弁護士への依頼は合理的な選択です。
不倫・男女問題に関するお悩みを抱えている方は弁護士法人アクロピースにご相談ください。
不倫示談金の請求実績が豊富な弁護士が、個々のケースに合わせて適切な解決方法を提案いたします。
初回60分の無料相談も実施しているので、まずはお気軽にご相談ください。
\ 初回60分無料!/
【無料相談受付中】365日対応
関連記事:不倫問題は弁護士に相談すべき?依頼のメリット・デメリットや選び方を解説【弁護士監修】
不倫の示談に関するよくある質問
示談書なしで示談金を受け取っても問題ない?
示談書なしでの受け取りはおすすめできません。
証拠が残らないため、後から「貸した金だ」「脅し取られた」と主張されるリスクがあります。
たとえ少額であっても、簡単な合意書や領収書(但し書きに「不貞行為の示談金として」と明記)を作成し、解決の証拠を残しましょう。
示談後に離婚することになったら追加請求できる?
原則として、一度示談が成立し清算条項にサインしていれば、追加請求はできません。
しかし、「不倫が原因で離婚に至った」という因果関係が明確であれば、例外的に差額を請求できる可能性はゼロではありません。
ハードルは非常に高いため、離婚の可能性があるなら、示談書に「将来離婚した場合は別途協議する」といった留保条項を入れておくのが安全です。
結婚していない場合でも示談金は受け取れる?
単なる交際相手の浮気であれば、原則として法的な示談金請求はできません。
しかし、婚約中や内縁関係(事実婚)であると認められる場合は、法律上の保護対象となり、示談金を請求可能です。



婚約指輪の購入や式場の予約、長期間の同居などの事実があれば、既婚者と同様に扱われる可能性があります。
不倫の示談金に税金はかかる?
基本的に、不倫の示談金に税金はかかりません。
所得税法上、損害賠償金は「非課税所得」とされており、確定申告も不要です(所得税法第9条)。
社会通念上あまりに高額すぎる場合は、贈与税の対象となる可能性がありますが、一般的な相場の範囲内であれば心配ありません。
まとめ|不倫問題の早期解決には適切な示談交渉が不可欠
不倫トラブルを解決するための手段として、示談は非常に有効な選択肢です。
裁判に比べて時間や費用を節約できるだけでなく、周囲に知られずに解決できる点や、柔軟な条件設定が可能な点は大きなメリットといえます。
しかし、個人での交渉には「不当な減額」「感情的な対立」「合意内容の不備」といったリスクが常に付きまといます。示談書にサインをしてしまえば、原則としてやり直しはききません。
「もっとこうしておけばよかった」と後悔しないためにも、少しでも不安がある場合は、専門家である弁護士のアドバイスを受けることを強くおすすめします。
不倫・男女問題に関するお悩みを抱えている方は弁護士法人アクロピースにご相談ください。
不倫示談金の請求実績が豊富な弁護士が、個々のケースに合わせて適切な解決方法を提案いたします。
初回60分の無料相談も実施しているので、まずはお気軽にご相談ください。
\ 初回60分無料!/
【無料相談受付中】365日対応









