過払い金請求は弁護士に依頼した方がいい理由

過払い金は借金の返済のときに、法律で定められた上限金利を超えた高金利で支払った利息のことです。最終返済日から10年以内であれば、過払い金を取り戻すことができます。

過払い金返還請求は貸金業者と交渉をおこなうため、法的知識や交渉力が必要です。自分でおこなうのは難易度が高い手続きで、弁護士など専門家に依頼をするのが一般的です。

また、過払い金請求を依頼できる専門家は司法書士と弁護士になりますが、司法書士は取り扱うことができる金額や業務に制限があります。一方、弁護士は法律に関する業務に制限がなく、どのようなケースにも対応することが可能です。

過払い金請求をおこなう際は、弁護士に依頼した方が成功率が高い理由について説明します。

目次

過払い金請求手続きの流れ

弁護士へ相談

自分にも過払い金が発生している可能性があるか、まずは弁護士の無料相談などを利用して確認してみましょう。過払い金請求を専門に扱っていて、実績の豊富な弁護士事務所も多くみられます。

弁護士へ依頼・受任通知の送付

弁護士に相談をして過払い金が発生して請求が可能な状況であれば、正式に過払い金返還請求依頼をして、手続きをすすめてもらいます。

依頼後弁護士は、各貸金業者に「受任通知」を送付し、代理人として過払い金返還請求をおこなうことを知らせます。現在も返済中の借金の場合は、一定期間借金の返済や取り立てが止まります。

「引き直し計算」で過払い金の額を算出

貸金業者から「取引履歴書」を取り寄せます。取引履歴書は借金の金額や返済状況が記録されている書類で、この記録を基に法律で定められた金利で引き直し計算をおこない、過払い金の金額を算出します。

過払い金返還請求書の送付・交渉

引き直し計算で算出した金額を、「過払い金返還請求書」に記載し、貸金業者へ送付します。

その後、過払い金の返還額、返還の時期や方法など、弁護士が貸金業者と具体的な交渉をおこないます。話し合いによる交渉で合意が得られない場合には、裁判をおこない解決します。

合意書の締結・過払い金の返還

問題なく交渉が成立した場合は、交渉内容を記載した合意書を交わします。返還日に入金の確認ができれば手続きは完了します。

弁護士に依頼するメリット

時間や手間がかからない

過払い金請求をするには、必要書類の準備や引き直し計算、貸金業者との交渉など、手続きは非常に煩雑です。自分でおこなう場合、慣れない作業には多くの時間と手間が必要です。書類の不備があれば、手続きはスムーズに進められません。

弁護士に依頼すれば、代理人となってすべての手続きや交渉をおこなってもらえます。何よりも、貸金業者との煩わしい交渉をする必要がなく、精神的にも負担がありません。

交渉を有利にできる

過払い金請求は、返還する過払い金の金額を貸金業者との話し合いによって決めていきます。自分で交渉する場合、貸金業者に不利な条件で和解させられるケースもあり危険です。

なかには素人との交渉は受けず、門前払いをされるケースもあります。その点、実績や経験のある弁護士であれば交渉を有利に進めて、いい条件で和解できる可能性が高くなります。

過払い金の返還率は、専門家の交渉では60%以上、個人の交渉では40%以上といわれています。

過払い金返還までが早い

自分で過払い金請求をするよりも、弁護士に依頼をした方が過払い金返還までの期間が早くなる可能性があります。弁護士は貸金業者との交渉に慣れていて、手続きもスムーズにすすめられます。

ただし、依頼者が「どうしても交渉条件を妥協できない」という場合、成立までの期間が長引くだけではなく、和解ができない可能性もあります。

早期返還を求めるなら、ある程度柔軟に対応していくことが必要です。過払い金の返還金額を100%求めるのではなく、60~80%であれば4ヶ月~6ヶ月で返還してもらうことができます。

弁護士と司法書士の違い

司法書士は140万円超えの過払い金は扱えない

長期間、大きな金額の借金を返済していて多額の過払い金が想定される場合、司法書士では扱えない可能性があります。司法書士は140万円を超える過払い金の相談・交渉・代理をおこなうことは法律で禁じられています。これをおこなうと弁護士法違反となり刑事罰の対象になるのです。

司法書士に依頼した過払金返還請求が、140万円を超えてしまうことが手続きの途中でわかった場合、弁護士に依頼しなおすことになり時間も手間もかかります。過払い金の額が予測できないときには、最初から弁護士に相談すれば金額の上限なく対応してもらえます。

まとめ

  • ①弁護士に依頼すれば、手続きの手間や時間がかからない。
  • ②弁護士なら、有利な条件で交渉できる可能性がある。
  • ③弁護士に依頼すると返還までの期間が早い。
  • ④140万円を超える過払い金は司法書士に依頼できない。

過払い金返還請求の手続きは、法律や金融の知識、交渉力がなければ、いい結果を出すことは難しいでしょう。

過払い金を払わなければならない法律はないため、あくまでも任意の交渉になります。貸金業者の中には、多額な過払い金の返還で経営状態が悪くなり、返還金額の割合が低いケースも少なくありません。

過払い金の交渉に精通した弁護士に依頼すれば、少しでもいい条件で解決することができます。

この記事がみなさまの参考になれば幸いです
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この記事を執筆した人

弁護士法人アクロピース代表弁護士
東京弁護士会所属

私のモットーは「誰が何と言おうとあなたの味方」です。事務所の理念は「最高の法務知識」のもとでみなさまをサポートすることです。みなさまが納得できる結果を勝ち取るため、最後まで徹底してサポートしますので、借金問題にお困りの方はお気軽に当事務所までご相談ください。

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