債務整理をするとクレジットカードが使えなくなる?

債務整理をすると、新規のクレジットカードを作ることも、新しくローンを組むこともできなくなります。

また、現在使っている手持ちのクレジットカードも使えなくなる可能性があります。

しかし、そのような状況が一生続くわけではありません。

一定の期間が経過すれば、以前のようにクレジットカードを作ることができるようになります。債務整理をすると、なぜクレジットカードが使えなくなるのか?どのくらいの期間でクレジットカードを作れるようになるのか?

など、債務整理とクレジットカードの関係について説明していきましょう。

目次

債務整理後にクレジットカードが使えなくなる理由

信用情報機関に事故情報が登録される

債務整理をするとブラックリストに登録されます。一般的にブラックリストと呼ばれているのは、個人信用情報機関(以下:信用情報機関)のデータに、金融事故情報(異動情報)として登録されてしまうことです。

信用情報機関は、氏名、住所、電話番号、勤務先や収入などの個人情報と共に、クレジットカードやキャッシングの契約、支払い状況などの情報を収集管理している機関です。

クレジットカードやローンを申し込むと、貸金業者は信用情報機関に情報照会をして、支払い能力、過去の延滞や滞納、金融事故履歴などを詳細にチェックして審査をおこないます。

そのため、債務整理の異動情報が登録されている期間は、原則あらゆるクレジットカード会社やローン会社の審査には通らなくなるのです。

信用情報機関によって加盟会社に違いがある

代表的な信用情報機関は、3社あります。

  • ①株式会社CIC(CIC)・・・信販会社、クレジットカード会社、リース会社などが加盟。
  • ②株式会社日本信用情報機構(JICC)・・・消費者金融、信販会社、ローン会社などが加盟。
  • ③全国銀行個人信用情報センター(KSC)・・・銀行、信用金庫、信用保証協会などが加盟。

情報機関同士で情報が交流される

信用情報機関3社は、お互いに収集管理している情報を、専用のネットワークによって交流し、個人情報全般を把握できる仕組みになっています。

長期の延滞も異動情報になる

注意が必要なのは、債務整理をしていなくても、61日以上または3ヶ月以上の延滞や滞納が生じている場合は、異動情報として扱われ一定期間登録は消えません。

手持ちのクレジットカードも使えなくなる

債務整理の方法で、任意整理だけは整理したい借金を選んで整理することが可能ですが、たとえ、使いたいクレジットカードだけ残して任意整理をしても、いずれは既存のカードも利用ができなくなる可能性が高くなります。

カード会社では定期的に、顧客の信用情報調査をおこないます。その際、信用情報機関のデータを照会します。

クレジットカードの更新時にも信用情報をチェックするのが一般的なため、任意整理による異動情報が明らかになればカードの利用を止められてしまいます。

クレジットカードが使えない期間

任意整理によっても、信用情報機関によっても異なる

異動情報が登録されている期間は、信用情報機関と債務整理の方法によっても異なります。

【株式会社CIC:CIC】

任意整理と個人再生は金融事故としては扱いません。しかし、3ヶ月以上の延滞をした場合と、自己破産は異動情報として5年間登録されます。

【株式会社日本信用情報機構:JICC 】

任意整理、個人再生、自己破産すべて5年間。

【全国銀行個人信用情報センター:KSC】

任意整理は異動情報として登録はされません。ただし、保証会社が代位弁済をした場合のみ5年間登録されます。個人再生、自己破産は10年間登録されます。

日常生活への影響

異動情報が登録されている期間は、クレジットカードの問題以外にもいくつかの影響があります。

ETCカードが使えなくなるほか、携帯電話やスマートフォンの購入も分割払いはできません。また、保証人にはなれないため、子供の奨学金の保証人や、賃貸住宅を借りる際の保証人にもなれない場合があります。

カードが使えない代替え手段は?

仕事上の立替えなどで、どうしてもクレジットカードが必要なケースもあるでしょう。

その場合、配偶者や家族の家族カードを利用するか、デビットカードで代用する方法しかないでしょう。

社内ブラックも審査に通らない

社内ブラックとは?

社内ブラックとは、クレジットカード会社などが、社内情報として持っているブラックリストのことです。たとえ信用情報機関の異動情報が消えても、社内ブラックとして登録されてしまうと、そのカード会社のカードを申し込んでも審査に通らなくなります。

社内ブラックの登録期間は無期限

社内ブラックは非常に厄介で、一度登録されたブラック情報は消えることはありません。

そのため、ブラック情報のあるカード会社や系列会社では二度とカードが作れなくなります。

また、社内ブラックかどうかは、カード会社では教えてもらえないため、確認する方法がありません。

しかし、他のカード会社の審査には影響はないので、違うカード会社で審査を受けましょう。

【まとめ】

  • ①債務整理は信用情報機関に異動情報として登録される。
  • ②異動情報の登録期間はカードが使えない。
  • ③情報登録期間は概ね5年~10年。
  • ④社内ブラックは永久に消えない。

債務整理をおこなうと、しばらくのあいだ生活のうえで不便な面もでてきます。

しかし、一定の期間が過ぎれば、もとのようにローンを組むこともクレジットカードを使うこともできるようになります。

なるべく早い段階で、債務整理をおこなって借金問題を解決していきましょう。

この記事がみなさまの参考になれば幸いです
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この記事を執筆した人

弁護士法人アクロピース代表弁護士
東京弁護士会所属

私のモットーは「誰が何と言おうとあなたの味方」です。事務所の理念は「最高の法務知識」のもとでみなさまをサポートすることです。みなさまが納得できる結果を勝ち取るため、最後まで徹底してサポートしますので、借金問題にお困りの方はお気軽に当事務所までご相談ください。

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