相続争いに疲れたときの対処法と弁護士に相談する5つのメリットを解説

身内である相続人と遺産相続について話し合っているうちに、相続争いとなってしまい心身ともに疲れたという方もいるでしょう。
遺産相続は思いのほか労力とストレスがかかるものです。
相続争いは、長引けば長引くほど深刻化します。
早い対処が必要です。
相続争いに疲れたときにどのように対応すべきか、事前対策の必要性も含めて解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
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相続争いが起こる原因

相続争いが起こる原因はいろいろありますが、主な要因は次の通りです。
- 遺言書の内容が不公平:
全財産を長男に譲るなどの偏った遺言があると揉めやすい - 相続財産が明確でない:
財産管理を特定の一人に任せていた場合、遺産隠しや使い込みの疑いもある - 遺産のほとんどが不動産で分けることが難しい:
処分方法などをめぐる争いが起こりがち - 多額の生前贈与を受けた相続人がいる(特別受益の有無):
相続人間で不公平感が生じるため、争いになりやすい - 長年被相続人の介護をした相続人がいる(寄与分の有無):
寄与分がある相続人は遺産を多く受け取れるが、他の相続人が認めない可能性 - 相続人でない人が口を出す:
たとえば、相続人の配偶者が口を挟むことで、揉めることも多い - 相続人の関係が希薄:
存在も知らなかった被相続人の前妻の子が現れ、トラブルになることもある
相続争いの原因になり得ることを把握して、対応策を検討しておくことが大事です。
遺言書の有無の確認方法については、次の記事で詳しく解説しています。
併せてご覧ください。
関連記事:遺言書があるかどうかを確認する方法は?自筆・公正・秘密の3種類に分けて解説
相続争いに疲れる理由

相続争いが起こると疲れてしまうのは当然ともいえますが、特に次のようなことが疲れる大きな理由となるでしょう。
- 相手が身内のため感情的な対立が生じてしまった
- 遺言が自分の期待と違うため落ち込んでしまった
- 相続人でない配偶者の関与などがあり板ばさみになる
- 相続争いで仲がよかった兄弟と絶縁状態になった
- 何が問題かよくわからない
遺産相続は大切な家族を亡くして落ち込んでいる状況下ですぐ始めなければなりません。
しかも、煩雑な調査や期限がある諸手続きなどを次から次へと進める必要があります。
争いがなくても、ただでさえ手間暇がかかり疲れる大変な作業です。
まして、相続争いは相続人である身内同士の争いのため、心身ともに疲れ切ってしまうこともあるでしょう。
遺産相続で揉めた場合の対処法については、次の記事で詳しく解説しています。
併せてご覧ください。
関連記事:遺産相続でもめたら!もめた場合の対処法と遺産分割協議のスムーズな進め方
相続争いに疲れたときに自分だけで対応する5つのリスク

相続争いに疲れたときに無理すると次のようなリスクがあります。
詳しく説明します。
1.よくわからずに対応し不利になる
よくわからずに対応してしまうと不利になることがあります。
相続で納得できる遺産分割の結果を得るためには、相続に関する法的な知識が必要です。
きちんと正しい判断ができなければ、自分に不利な条件を受け入れてしまうかもしれません。
たとえば、法定相続分と遺留分、遺産の評価、寄与分、特別受益などは、正確な知識がないと、適正に判断できない問題です。
相続争いに疲れた状態で話し合いを進めていると、ますます思考能力が低下します。
そのまま対応していると、不利な条件を受け入れてしまい、損をするリスクがあるのです。
2.話し合いがさらに長引き体調を崩す
話し合いが長引くと体調を崩し、ストレスから心身の病気になることもあります。
相続争いによるストレスが原因で、うつ病や不眠になってしまい体調を悪化させることもあるため注意が必要です。
3.他の親族との関係が悪化する
親族同士で揉めると譲り合うのは難しく、逆に争いが激化してしまい、絶縁状態になるリスクもあります。
そうなると、相続手続きが長期化してしまい、不動産などの名義変更もできず、財産が有効活用できないまま放置されることにもなりかねません。
4.相続手続きの期限に間に合わなくなる
遺産相続手続きは期限が決まっているものがあります。
お互いに譲らなければいつまでも解決できずに、期限に間に合わなくなってしまいます。
期限がある主な手続き | ||
---|---|---|
相続放棄・限定承認 | 相続の開始があったことを知ったときから3か月以内 | 民法915条 |
相続税の申告 | 相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月 | 相続税法27条1項 |
遺留分侵害額請求 | 相続の開始および遺留分を侵害する贈与または遺贈があったことを知ったときから1年 相続開始のときから10年 | 民法1048条 |
相続登記 | 相続の開始があったことを知り、かつ、所有権を取得したことを知った日から3年以内 | 不動産登記法76条の2第1項 |
期限までに手続きができないと、たとえば、相続税の減免などの税制特例(配偶者控除や小規模宅地の特例など)を受けられず、納税額が増えるリスクもあります。
5.貴重な時間をいたずらに浪費する
人生の貴重な時間が無駄になることもあります。
相続争いに費やす時間は、限られた人生において無駄になるかもしれません。
相続で揉めるよりも、元気で生きる時間を大切した方がよいともいえます。
相続争いを早く終わらせて、楽しく前向きに過ごせればそれに越したことはないでしょう。
相続争いに疲れたときの3つの対処法

相続争いに疲れたときの対処法を3つ紹介します。
1.弁護士に相談する
自分だけでは相続争いを解決できそうもないときは、弁護士に相談することを検討すべきです。
相談問題の解決実績が豊富な交渉のプロである弁護士が対応すれば、迅速かつ的確に話し合いを進められます。
他の相続人と顔を合わせずに済むため、相続争いで悩み、疲れた方は早めに相談しましょう。(後記「相続争いを弁護士に相談する5つのメリット」参照)
弁護士に依頼するメリットについては、次の記事でも詳しく解説しています。
ぜひ、併せてご覧ください。
関連記事:相続に同意しないとどうなる?遺産分割協議書に同意しない場合に弁護士に依頼するメリット
2.調停・審判・訴訟を提起する
相続人同士の話し合いで解決が望めそうもないときは、法的な手続きに移行できます。
まず調停を申し立て、それでも解決しないときは審判または訴訟に移行しましょう。
相続人同士の話し合いだけでは解決できそうもないときは、裁判所の力を借りることも必要です。
3.相続争いから抜ける
相続争いから抜けることも選択肢の1つにしましょう。
相続争いは心身を疲弊させるだけでなく、貴重な時間を費やします。
先の見えない相続争いを続けていると、得られるものより失うものが大きい場合もあるのです。
仮に受け取る相続分が減っても、相続放棄などを検討し、心身ともに平穏な日常を早く取り戻す方を優先する方がよいこともあります。
相続争いにならないための事前対策

相続争いになる事態を避け、ストレスを減らすために、生前に可能な準備をしてもらうことも有効です。
たとえば、次のような事前対策が考えられます。
- 遺言書の作成:
誰にどのような財産を渡すかを本人の意思として遺言書に残す。
関連記事:【例文付き】遺言書の書き方とは?必須項目や注意点を解説
- 揉めないよう財産目録を整理:
財産状況が明らかであれば、調査の手間と揉める原因を減らせる。
関連記事:遺産相続で揉める人と揉めない人の差は何?
- 不要な不動産を処分:
不動産は分割が困難なため揉めやすいが、処分して現金化しておけば分割できる。
関連記事:不動産の遺産分割の4つの方法とは?
- 公平に生前贈与:
無駄な争いを防ぎ、相続税の節税にもつながることもある。
関連記事:生前贈与を非課税で行う6つの方法とは
相続争いを弁護士に相談する5つのメリット

相続争いやトラブルを弁護士に相談すれば、次のようなメリットがあります。
万が一訴訟に発展しても、法令や判例を熟知した弁護士であれば最適な解決策を模索して提示できます。
弁護士を探すときは、法律事務所のホームページなどで実績や料金を確認し、電話やメールで問い合わせるとよいでしょう。
弁護士法人アクロピースは、税理士・司法書士・不動産鑑定士などとの連携があるため、相続争いやトラブル対応を始め調査・諸手続きもスムーズに進められます。
遺産相続を弁護士に依頼するメリットについては、次の記事で詳しく解説しています。
ぜひ、併せてご覧ください。
関連記事:遺産相続を弁護士に依頼する場合の流れは?費用や弁護士の選び方も解説
代理人として相手と交渉してもらえる
弁護士に依頼すれば、代理人として遺産分割協議に参加し、交渉してもらえます。
相続争いが起きたときに、代理人を任せられるのは弁護士だけです。
相続人同士が直接話し合うと、感情的な対立が深まりやすいが、弁護士が間に入ることで、冷静に話し合いが進むこともあるでしょう。
相続財産調査や相続人調査を任せられる
弁護士であれば正確な相続人調査や相続財産調査ができます。
弁護士は相続財産調査のノウハウがあり遺産を使い込んだ疑いなどがあるときも、不審点を解明するなど適切な調査が可能です。
相続問題に力を入れている弁護士であれば、ほとんどすべての手続きを代行できます。
相続手続きを有利に進めてくれる
相続手続きを有利に進められる可能性が高まるでしょう。
弁護士は相続に関する豊富な知識と経験を活かし、有益な助言が可能です。
身勝手な主張をする相続人がいても、無理な主張を抑え、依頼者に有利な条件で解決できるよう尽力するでしょう。
調停・審判・訴訟をすべて任せられる
調停や審判、さらに訴訟に発展した場合もすべてサポート可能です。
裁判所で冷静に意見を述べることは不慣れな一般の方には難かしいことですが、弁護士は納得してもらえるよう説得力を持って論理的に主張できます。
煩わしい調停や訴訟の申立て手続きも、準備段階からスムーズかつ迅速に対応可能です。
生前贈与などの特別受益や、寄与分などの専門的な法的問題も熟知して慣れており、的確に主張・対応できます。
ストレスが軽減される
弁護士に依頼することで心身のストレスを軽減できるでしょう。
理不尽な主張をする人を相手にして揉めているとストレスが溜まるものですが、相手と直接顔を合わせずに済みます。
心強い味方である弁護士に相談に乗ってもらい、すべて任せられる安心感で、精神的な負担・疲労は大幅に軽くなるでしょう。
まとめ
相続争いで疲れた場合の対処法についてまとめます。
- 相続争いで疲れる理由は、感情的な対立・期待と違う遺言内容・相続人でない配偶者の関与・仲がよかった兄弟との絶縁など
- 疲れたときに無理すると、損をする・体調を崩す・親族との関係が悪化する・手続きの期限に間に合わない・貴重な時間を無駄にするなどのリスクがある
- 相続争いで疲れたときの対処法は、弁護士に相談する、調停・審判の申立て、訴訟提起、相続争いから抜けることなど
- 相続争いを避ける事前対策として、遺言書の作成・財産目録の整理・不要な不動産の処分・生前贈与などが有効
- 弁護士に任せるメリットは、代理人として交渉可能・相続財産や相続人調査も可能
- 相続手続きを有利に進められる・調停や訴訟も任せられる・ストレス軽減など
相続争いは長引けば長引くほど深刻化します。
相続のトラブルなど揉め事があるときや、相続について不安があるときは、相続分野に精通している弁護士に早めに相談しましょう。
弁護士法人アクロピースは、相続問題に強い弁護士があなたに最適な解決方法をご提案します。
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