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共有名義の不動産は売却できる?4つの方法や必要書類・税金・トラブル対処法を解説【弁護士監修】

「共有名義の不動産を売却したいが、他の共有者から反対されて手続きが進まない」
「せめて自分の持分だけでも手放したいが可能?」
共有名義の不動産を売却しようとしたものの、このように悩んでいませんか?
複数人で所有する不動産は、単独名義の物件とは異なり、全体を売却するために共有者全員の同意が不可欠です。無理に話を進めようとしたり、放置したりすると、親族間での深刻なトラブルや、悪質な業者による持分の買い叩きなど、思わぬ落とし穴に直面するリスクがあります。
本記事では、共有名義の不動産をスムーズに現金化するための4つの具体的な方法から、売却手順、必要書類、税金の仕組みまで全体像を網羅的に解説します。
よくあるトラブルとその対処法も紹介していますので、不動産を安全かつ確実にお金に換えるためのガイドとしてお役立てください。
共有名義の不動産を売却する4つの方法:不動産全体を売るには全員の同意が必須。自身の持分のみの売却や分筆、共有物分割請求も選択肢。
共有名義の不動産の売却手順と税金:共有者全員の合意後、権利証等の書類を揃え手続きする。売却益には税金がかかるが、3000万円特別控除等で節税可能なケースもある。
売却時のトラブル対策:意見対立や勝手な持分売却など、スムーズな現金化を阻む問題が起きたら不動産に強い弁護士へ相談する。
弁護士法人アクロピースは累計約7,000件以上の相談実績に基づき、共有不動産・共有物分割請求について、まずは無料相談から受け付けております。共有名義の不動産売却についてお悩みの方はぜひご相談ください。
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共有名義の不動産を売却する4つの方法

共有名義の不動産(複数人で所有権を共有する物件)は、ご自身の持分を除き、単独の判断で全体を売却できません。不動産全体を手放すには、共有者全員の同意が不可欠です。
共有名義の不動産の売却・現金化を検討する際は、状況に応じて以下の4つの選択肢から適切な手段を選ぶことになります。
弁護士 佐々木一夫監修者コメント
共有名義の不動産は、全員の同意がなければ全体を売却できません。しかし、自身の持分のみの売却や裁判所を通じた共有物分割請求など、状況を打開する法的手段は存在します。
当事者間のみの協議は感情的になりやすく、解決が長期化・複雑化しがちです。
本記事では、不当な買い叩きや親族間のトラブルを防ぎ、適正に現金化するための知識を解説しています。ご自身の権利を守るためにもぜひお役立てください。
共有者全員で協力して不動産全体を売却する
共有名義の不動産は、共有者全員の同意を得ることで、不動産全体を第三者へ売却できます。市場価格で取引でき、代金を持分割合に応じて公平に分配できるため、経済的利益を最大化しやすい手法と言えるでしょう。
一方で、以下の点には留意が必要です。
- 手続きを進めるためには共有者全員の完全な合意が不可欠である
- 希望価格や引き渡し条件で意見が対立すると売却活動を開始できない
1人でも反対者がいる状況では手続きを進められないため、事前の慎重な調整が求められます。
自分の共有持分のみを売却する
他の共有者から同意を得られない場合でも、ご自身の所有する共有持分のみであれば単独で売却可能です。ただし、不動産全体を自由に活用できないため、以下のようなリスクを伴います。
- 売却額が持分相当額の半値以下(3〜5割程度)に下落する傾向がある
- 強引な交渉や不当な減額を迫る悪質な買取業者が存在する恐れがある
このような背景から、売却先の選定には細心の注意を払うことが推奨されます。仕組みやリスクの詳細は、下記の記事もご参照ください。
関連記事:共有持分は売却できる?同意なしで売れる理由や売却したらどうなるか、トラブル回避のポイントを弁護士が解説
土地を分筆して単独名義にしてから売却する
対象の不動産が土地のみであれば、分筆(1つの土地を複数に切り分けること)を行い、それぞれを単独名義にしてから売却する手段も有効な選択肢となります。
分筆して売却する際のメリットおよびデメリットは、以下のとおりです。
| メリット | 単独名義になるため、他の共有者の同意なしで自分の意思で売却や活用ができる |
|---|---|
| デメリット | 分筆自体に共有者全員の合意が前提となるほか、境界を確定するための測量費用が高額になりやすく、手続き完了までに数ヶ月の期間を要する |
単独で自由に売却できるようになる反面、手続きに一定のコストや時間を要する点には留意すべきでしょう。
分筆の手続きでは、境界を正確に定めるための隣地所有者との立ち会いなど、複雑な作業が伴います。土地の形状や接道状況によっては切り分け後に資産価値が下落する恐れもあるため、専門家を交えた事前の綿密なシミュレーションが求められます。
協議がまとまらない場合は共有物分割請求を行う
共有者間の協議が平行線をたどり、売却の同意形成が困難な場合は、裁判所を通じて共有状態の解消を求める「共有物分割請求」と呼ばれる法的手続きが検討されます。
2023年4月施行の改正民法により、裁判所は主に以下の優先順位で分割方法を検討する運用となりました。
| 優先順位 | 分割方法 | 詳細 |
|---|---|---|
| 1 | 現物分割 | 土地を分筆するなど、物理的に不動産を分ける方法 |
| 2 | 賠償分割 | 一方が持分を取得し、他方へ代償金を支払う方法 |
| 3 | 換価分割 | 上記が困難な場合に限り、競売により強制的に売却する方法 |
当事者同士の協議から裁判手続きへと移行する段階では、法的根拠に基づく主張や緻密な交渉が求められます。



複雑な不動産トラブルでお悩みの方は、弁護士法人アクロピースへお任せください。実務と法務の両面から、ご相談者様にとって最適な解決策をご提案いたします。
共有名義の不動産全体を売却する手順【6ステップ】
共有名義の不動産全体を売却する際は、以下の6つの手順で手続きを進めることが一般的です。
- 共有者全員が売却に同意する
- 共有不動産の売却に必要な書類を用意する
- 不動産会社に共有不動産の査定を依頼する
- 買主と売買契約を締結し、決済・引き渡しを行う
- 売却で得られた収益を共有者で配分する
- 譲渡所得税の確定申告を行う
共有名義の不動産全体を売却する際は、共有者全員の合意形成から始まり、書類準備や不動産会社への査定依頼へと移行します。買主との契約締結および引き渡し後は、持分割合に沿って収益を正確に分配します。
譲渡益が生じた場合や3,000万円特別控除などの特例を適用する場合も、各共有者が個別に確定申告が必要です。



共有名義の不動産の売却手順の詳細は以下の記事でも解説していますので、あわせてチェックしてみてください。
関連記事:共有不動産の売却方法は?流れや共有名義買取の費用・税金を解説
共有名義の不動産売却で必要な書類とは?
共有名義の不動産を売却する際、単独名義での取引よりも集めるべき書類が多くなります。手続きを円滑に進めるためにも、誰が何を用意するのかを事前に把握しておくことは欠かせません。
売却に向けて必要となる主な書類は以下のとおりです。
| 書類の分類 | 詳細 |
|---|---|
| 共有者全員が用意すべき書類等 | 本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード等)、実印、印鑑証明書、住民票など |
| 不動産そのものに関する書類 | 登記済権利証(または登記識別情報通知)、固定資産税納税通知書、境界確認書(土地・戸建ての場合)など |
身分証明書や印鑑証明書などは共有者全員分を揃えなければならないため、各自で早めに手配しておくことが大切です。



不動産に関する書類については、窓口となる代表者が一括して保管しておくと、買主や不動産会社とのやり取りをスムーズに進行できるでしょう。
共有名義の不動産売却にかかる費用と税金
共有名義の不動産を売却する過程においては、単独名義のケースと同様にさまざまな費用や税金が発生します。あらかじめ資金計画を立てておくことが、円滑な手続きを進めるための重要なポイントです。
具体的には、以下にまとめた項目について金銭的な負担や税務上の注意が生じます。
| 項目 | 発生する費用・税金 |
|---|---|
| 売却費用 | 仲介手数料、売買契約書の印紙税、ローン完済時の抵当権抹消登記費用など |
| 課税関係 | 譲渡所得税(売却益が生じた場合にかかる税金) |
不動産の売却によって利益が生じた場合、原則として納税義務を負うことになります。しかし、対象の不動産が居住用財産であれば、共有者それぞれにマイホーム特例(3,000万円控除)が適用されるため、高い節税効果を期待できるケースは少なくありません。
その一方で、売却代金を共有者間で分配する際、登記簿上の持分割合と異なる分け方をしてしまうと、多く受け取った側に対して贈与税が課されるリスクが伴います。



予期せぬ課税を防ぐためにも、持分に応じた正確な代金の分配を心がけるようご留意ください。
関連記事:共有不動産の放棄と譲渡による贈与税の課税
共有名義の不動産売却でよくあるトラブル5選


共有名義の不動産売却においては、単独名義にはない特有のトラブルが発生しやすい傾向にあります。具体的には、以下に挙げるような5つの問題が代表的です。
トラブルの法的性質を正しく理解し、適切な対策を講じることが重要といえるでしょう。
共有者の同意が得られない
共有名義の不動産全体を売却するには、民法の規定により共有者全員の同意が必要です。そのため、1人でも反対する方がいる場合、不動産そのものを市場で売却し、代金を分割することはできません。
法的にはご自身の共有持分のみを第三者へ売却することも可能ですが、以下の表に示すような懸念が生じ得ます。持分のみの売却は慎重に検討すべき手段といえるでしょう。
| 共有持分のみを売却する際のリスク | 概要 |
|---|---|
| 売却価格の大幅な下落 | 不動産全体を売る場合と比較して、市場価値より安価で買い叩かれる可能性が高い |
| 悪質業者の介入 | 持分を買い取った地上げ業者などから、他の共有者が不当な圧力を受ける恐れがある |
共有不動産を売却したいものの同意が得られない場合の法的な対応については、次の記事も併せてご参照ください。
関連記事:共有不動産を売却したいのに同意が得られないときはどうする?共有物分割請求の方法
共有者の1人が不動産を独占する
特定の共有者が、対象となる不動産に独占的に居住し続けてしまうケースも少なくありません。このような状況下では、以下に挙げるような複合的な問題が生じやすくなります。
- 税金や管理費などを他の共有者が持分に応じて負担し続ける事態になりがち
- 他の共有者が一方的に退去を求めることは法的に容易ではない
- 居住者の同意が得られない限り、不動産全体の売却は事実上困難となる
独占使用している方に他の共有者の持分を適正価格で買い取ってもらう解決法が理想的ですが、協議が難航することも想定されます。
長期化する場合には、共有物分割請求などの法的手続きを見据えた専門的な対応が必要となる可能性があります。
新たな相続が発生して共有者が増える
共有状態を長期にわたって放置すると、他の共有者が亡くなり、新たな相続(数次相続)が発生するリスクが高まります。
被相続人の共有持分は複数の相続人へ法定相続分に応じて引き継がれるため、時間の経過とともに共有者の人数がねずみ算式に増加しかねません。
関係者が増えれば増えるほど、以下のような事態を招く恐れがあります。
- 面識のない親族が共有者に加わり、話し合いの連絡調整すら極めて困難になる
- 世代をまたぐことで不動産に対する価値観にズレが生じ、売却に向けた合意形成が進まない
権利関係が複雑化する前に、速やかに共有物の分割や売却に向けた協議に着手することが、将来のトラブルを未然に防ぐための重要なポイントとなります。
税金や管理費の負担割合でもめる
不動産を所有している限り、継続的に金銭的な負担が発生し続けます。
原則として各共有者は持分割合に応じて費用を負担する義務を負いますが、実際の運用においては不公平感から紛争に発展するケースが散見されます。
共有不動産に関連して発生する主な費用と、トラブルの火種となりやすい要因は以下の通りです。
| 費用の種類 | トラブルになりやすい主な要因 |
|---|---|
| 固定資産税・都市計画税 | 実際に不動産を利用していない共有者が、自身の支払いを不当として拒否する |
| 維持管理費・修繕費 | 費用対効果や建物の具体的な管理・修繕方法について、共有者間で意見が対立する |
日常的な管理責任の所在が曖昧な場合、不満はさらに蓄積しやすくなります。
たとえ法定割合通りの負担であっても、「自分は全く利用していないのに維持費だけ請求される」といった不満が原因で、今後の利活用に関する協議が難航することも珍しくありません。
共有者が所在不明になる
共有者の中に住所が分からない方や音信不通の方がいる場合、協議自体を開始できず、不動産全体の売却は著しく困難となります。前述の通り、売却手続きには原則として共有者全員の同意が不可欠であるためです。
また、該当の不動産が空き家状態であっても、残された共有者は固定資産税や建物の維持管理費用を負担し続けなければなりません。このような行き詰まりの状況を打開するためには、法的な制度の活用を検討する必要があります。
具体的には、以下のような法的手続きを利用することで解決を図れる可能性があります。
- 不在者財産管理人の選任申し立て
- 所在等不明共有者の持分取得・譲渡制度の利用



いずれも専門的な知見が求められる手続きとなるため、早期に弁護士などの専門家へ見解を求めることをお勧めいたします。
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共有名義の不動産売却トラブルの防止策


共有名義の不動産に関するトラブルを未然に防ぐには、相続発生時に不動産を安易に共有名義にしないことが大切です。遺産分割の段階で単独所有とする、あるいは現金化して分けることで、後の権利関係の複雑化を防げる可能性が高まります。
具体的な遺産分割の手法としては、主に以下の3種類が挙げられます。
| 分割方法 | 概要と主な活用ケース |
|---|---|
| 現物分割 | 土地を分筆するなど、財産をそのまま物理的に分ける方法。主に広大な更地などで活用される。 |
| 代償分割 | 特定の相続人が不動産を単独取得し、他の相続人へ代償金を支払う方法。居住し続ける場合に適している。 |
| 換価分割 | 不動産全体を売却して現金化し、その売却益を分け合う方法。誰も不動産の取得を希望しない場合に有効。 |



これらの分割方法は、相続人の資金力や不動産の状況によって最適な選択肢が異なります。方針に迷われた際は、早めに専門家へご相談いただくことをお勧めいたします。
関連記事:共有不動産の現金化ついて解説
不動産における不公平や不動産関係者のトラブルでお悩みの方は、
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共有名義の不動産売却に関するよくある質問
共有名義の不動産を売却したら3000万円控除は受けられますか?
要件を満たせば受けられます。
マイホームを売却した場合、3,000万円特別控除は共有者ごとに判定され、適用対象者は1人につき最高3,000万円まで控除可能です。適用を受けるには所定の書類を添付して確定申告を行う必要があります。
ただし、敷地のみの共有で家屋の所有者でない場合は原則適用されません。例外として、家屋と敷地の所有者が異なる場合でも一定要件を満たせば適用されることがあります。
共有名義の不動産を売却したときの確定申告書の書き方は?
共有名義の場合、譲渡所得の計算と申告は持分に応じて各共有者が個別に行います。売却代金や取得費などを各自の持分で按分し、確定申告書はそれぞれが提出します。
具体的には、契約書等に基づき「譲渡所得の内訳書」を作成し、計算結果を確定申告書に転記する流れです。
国税庁が公開している「土地(共有)」の記載例を参考にすると確実です。特例を適用する場合は、内訳書などの必要書類を忘れずに添付してください。
夫婦共同名義の不動産を売却するにはどうしたらいいですか?
夫婦共同名義の不動産全体を売却するには、原則として共有者全員(夫婦双方)の合意が必須です。一方の意思のみで売却することはできません。
手続きとしては、登記上の持分と名義人を確認し、価格や引渡時期などの売却条件を夫婦で合意します。その上で、売買契約の締結、決済、所有権移転登記などの各種手続きに夫婦双方が関与して進めます。
なお、売却後の譲渡所得の計算や確定申告についても、各自で個別に行います。
まとめ|共有名義の不動産売却時のトラブルは不動産に強い弁護士に相談しよう!


共有名義の不動産は、共有者間での意見の食い違いや複雑な権利関係により、売却手続きが思うように進まず、ストレスを感じるケースも少なくありません。
しかし、正しい法的な手順を踏まずに強引に話を進めてしまうと、親族間での深刻な対立や予期せぬ課税など、取り返しのつかない事態を招く恐れがあります。
不動産売却をめぐるトラブル解決のためには、きちんとした法律知識が必要です。
共有名義の不動産売却や共有者とのトラブルでお悩みの方は、「弁護士法人アクロピース」にご相談ください。



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