【オーナー向け】家賃値上げを拒否されたらどうすればいい?失敗しない対処法を弁護士が解説

家賃値上げを拒否されたらどうすればいい?オーナーが増額請求で失敗しない対応方法
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弁護士法人アクロピース代表弁護士(弁護士・税理士)

 

所属団体
東京弁護士会:登録番号48554
東京税理士会:登録番号155401

不動産分野を重点的に扱い、これまで累計7,000件以上の法律相談に対応してきました。共有不動産(共有物分割)や立退き、家賃滞納・増額交渉、売買トラブルなど、交渉から法的手続きまで一貫してサポートしています。
「誰が何と言おうと依頼者の味方」を信念に、スピードと実行力を大切にしながら、権利と資産を守る解決を目指します。

家賃の値上げを通知したものの、入居者から「納得できない」「支払わない」と拒否されてしまい、対処法にお困りの方もいるのではないでしょうか。

正当な理由があっても、入居者の合意が得られなければ一方的に家賃を変えることはできません。しかし、そこで諦めてしまえば、相場より低い家賃で貸し続けることになり、賃貸経営の収益を圧迫し続けてしまいます。

本記事では、家賃値上げを拒否された際にオーナーが取るべき法的な対抗策や、交渉を有利に進めるための具体的な手順について、弁護士の視点から解説します。

記事の要点・結論

家賃値上げ交渉のカギは客観的証拠:感情論ではなく、近隣相場との比較データや固定資産税の増額証明など、「数字で示せる根拠」がなければ入居者は納得しない。

家賃値上げを拒否された直後の対応:供託された家賃の受領方法や、内容証明郵便による再通知など、法的に不利にならないための初期対応が重要。

強制退去などの実力行使はNG行動:勝手に鍵を変えたり荷物を処分したりする行為は違法であり、逆に損害賠償を請求されるリスクがあるため絶対に行わない。

交渉決裂時は調停・訴訟へ移行:当事者間の話し合いで解決しない場合は、第三者を交えた調停、それでもダメなら訴訟で適正賃料の確定を求めることになる。

弁護士への早期相談でトラブル回避:こじれた入居者との交渉を代理し、精神的負担を軽減しつつ、適正な賃料改定を実現するには専門家のサポートが不可欠。

家賃値上げ交渉に関するお悩みは、弁護士法人アクロピースへお任せください。 不動産問題に精通した弁護士が、オーナー様の代理人として入居者との交渉や法的手続きを代行し、適正な賃料改定をサポートいたします。

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目次

家賃値上げを入居者は拒否できる?

拒否の意思表示

不動産オーナーには、物価の上昇や租税の負担の増加などを理由に、入居者に家賃値上げを提案する権利があります。

一方、入居者も家賃値上げを拒否できます。裁判による解決によらず、家賃の値上げをするには双方の合意が必要であり、オーナーが一方的に増額することは出来ません。

もし、オーナーの増額請求を入居者に拒否された場合は、家賃を値上げしなければならない理由を丁寧に説明し、理解を得ることが必要です。

交渉が難航し合意に至らないときは、裁判所が間に入って話を進める賃料増額の民事調停や、判決によって紛争の解決を図る賃料増額訴訟に発展するケースもあります。

一般的に賃料増額の民事調停には約3カ月、賃料増額訴訟だと1年以上かかるといわれ、時間と労力を考えると、交渉で合意が成立するのが望ましいといえるでしょう。

増額は双方合意が原則。拒否された場面では、まず値上げの根拠(相場・税負担・物価動向)を資料化し、段階的提案や代替メリット提示で合意形成を狙いましょう。
訴訟前に調停という手続の階段がある点も冷静に説明すると話が進みやすくなります。

家賃値上げ請求の主な条件

家賃値上げの条件

賃貸物件の家賃値上げを可能にする条件は、借地借家法第32条1項に定めがあります。

第三十二条 建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。

出典:借地借家法|第32条1項

オーナーが入居者に賃料増額の請求ができるのは、従前の賃料を強制することが以下の諸事情を考慮しても、当事者に酷となる場合です。

また、ただし書きの一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がないか注意が必要です。

土地・建物の租税とその他の負担増

借地借家法第32条1項には、土地と建物の租税やその他の費用の負担増との記載があります。

家賃値上げの条件に関連する土地と建物の租税とは、主に固定資産税と都市計画税で、不動産の所有に対して毎年かかる税金です。

固定資産税と都市計画税の税額は、固定資産税評価額をもとに算出されます。

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税の種類税率
固定資産税固定資産税評価額×1.4%(原則)
市町村は必要に応じて1.4%とは異なる税率を条例で定められる
面積が200㎡以下の小規模住宅用地などには特例措置が適用される場合がある
都市計画税固定資産税評価額×0.3%(制限税率)
市町村は税率0.3%を上限に税率を条例で定められる
小規模住宅用地と一般住宅用地には特例措置が適用される場合がある
出典:総務省|地方税制度|固定資産税地方税制度|都市計画税

固定資産評価額は3年に1度評価替えといわれる見直しが行われ、直近では2024年に実施されました。

また、その他の負担増とは、賃貸物件の管理費や修繕費、損害保険料などが該当します。

費用項目内容
管理費物件の管理を業務委託した際の管理委託料など
修繕費破損カ所・不具合の修繕など
損害保険料火災保険・地震保険・施設賠償責任保険など

​​このように土地と建物にかかる租税や賃貸物件の維持費用の負担増は、家賃の値上げの考慮事項となります。

土地・建物の価格の上昇と経済事情の変動

所有する土地や建物の資産価値の上昇や物価が高騰しているかが考慮されます。不動産の価値が上昇すると、オーナーは投資に見合った収益を得るために家賃を調整する必要があります。

また、物価の高騰は金銭価値の低下(インフレーション)を意味するため、家賃を増額しないとオーナーの実質的な収入は目減りするでしょう。

以上の理由から、不動産価格や物価の上昇は賃料増額請求の考慮事項となります。

近隣の類似物件の家賃相場より低い

近隣の類似する賃貸物件の家賃相場より、所有する物件の家賃が低いか否かが考慮されます。

賃貸市場は需要と供給のバランスで成り立っているため、近隣の似た物件の家賃相場が高いことは、その地域の賃貸需要の活況を示しています。

市場の変化に応じて周辺の家賃は上昇しているのに、所有する賃貸物件は値上げしないままでいる状況は、収益機会の損失を招いているといってよいでしょう。

需要に見合った価格にするため、入居者に家賃の増額を申し出ることは正当性があるといえます。

賃貸借契約に家賃を増額しない特約がない

家賃の値上げを請求する際には、賃貸借契約で一定期間は家賃を増額しない旨の特約(不増額特約)がないことが求められます。

不増額特約がある場合は、事情の変更よりも特約の条項が優先されるため、値上げの請求ができません。借地借家法第32条1項には、「一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う」という内容も記されています。

一方、不増額特約の期間が長期にわたるもので、当事者の予測を大きく超えるような経済的事情の激変があった場合は、増額請求ができるという裁判例(横浜地判昭和39年11月28日)もあります。

賃貸借契約に不増額特約があったとしても、予想不能な社会事情の変更があり、契約内容をそのまま強制するのは不合理であると認められるときは、賃料増額請求は可能です。

借地借家法32条の相当性は総合評価です。
固定資産税・修繕費等のコスト増の証拠、近傍同種賃料の客観データ(3~5件以上)、経済事情の時系列資料を揃えるほど説得力が上がります。不増額特約の有無と期間も必ず点検を。

家賃値上げを拒否されたら検討すべき法的措置

当事者間の話し合いだけで解決できない場合、オーナー側は法的な手続きへ移行することを検討せざるを得ません。

しかし、いきなり裁判を起こせるわけではなく、原則として調停前置主義というルールに基づき、まずは調停を経る必要があります。

感情的な対立を深めずに解決を目指すためにも、法的措置の段階的なプロセスを正しく理解しておきましょう。

賃料増額請求の調停を申し立てる

賃料増額請求調停とは、簡易裁判所において調停委員会(裁判官と専門知識を持つ調停委員)が間に入り、双方の意見を調整しながら合意を目指す手続きです。

あくまで話し合いの延長線上にあるため、相手方が裁判所に出頭しなかったり、断固として拒否したりすれば不成立に終わりますが、当事者同士よりも冷静で建設的な議論が期待できます。

また、申立手数料は数千円から一万円程度と比較的安価に設定されており、利用しやすい制度といえるでしょう。

調停のメリット調停のデメリット
第三者が介入するため冷静な議論ができる相手が欠席・拒否すれば不成立となる
費用が安く、手続きも比較的簡易法的な強制力(判決)はない
非公開で行われるためプライバシーが守られる解決までに数ヶ月かかる場合がある

調停で双方が合意に至った場合、作成される調停調書は裁判の判決と同等の効力を持ちます。万が一、調書に記載された賃料が支払われない場合は、強制執行の手続きをとることも可能です。

関連記事:家賃増額に強い弁護士が必要な理由と選び方!依頼するメリットや費用も解説

調停が不成立なら簡易裁判所または地方裁判所へ賃料増額訴訟を提起する

調停でも話がまとまらなかった場合、最終手段として賃料増額請求訴訟を提起することになります。

訴訟の管轄裁判所は訴額(増額を求める金額)によって異なり、140万円以下の場合は簡易裁判所、140万円を超える場合は地方裁判所です。

訴訟では、話し合いによる合意ではなく、双方が提出した証拠に基づき裁判所が「適正な賃料はいくらか」という判決を下します。

ここで重要になるのが、客観的な賃料相場を証明するための鑑定評価です。裁判所が必要と判断した場合、不動産鑑定士による鑑定が行われますが、その費用(数十万円〜)は原則として申立人であるオーナー側が予納しなければなりません。

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項目調停(話し合い)訴訟(裁判)
管轄裁判所簡易裁判所訴額140万円以下:簡易裁判所訴額140万円超:地方裁判所
解決の主体当事者の合意裁判所の判決
費用の目安数千円〜+弁護士費用数万円〜+鑑定費用+弁護士費用
期間の目安3ヶ月〜半年程度半年〜1年以上
強制力合意すればありあり(判決に従う義務)

このように、訴訟は多額の費用と長い期間を要するため、得られる増額分とコストが見合うかどうかの慎重な判断が求められます。

鑑定費用をかけてでも適正化すべきか迷う場合は、訴訟提起の前に弁護士へ勝訴の見込みやコスト試算を相談することをお勧めします。

関連記事:賃料増額請求の弁護士費用相場はどのくらい?費用計算や安く抑える方法を解説

家賃値上げを拒否されたときにやってはいけないNG行動

交渉が決裂したからといって、オーナーが実力行使で入居者を追い出すことは法律で固く禁じられています。

正規の手続きを経ずに鍵を交換したり、荷物を処分したりする行為は自力救済の禁止の原則に反し、逆に損害賠償を請求される事態になりかねません。

たとえ賃貸借契約書に特約があったとしても、裁判所の判決なしに強制退去させることは認められず、以下の行為は犯罪に問われる可能性すらあるため厳に慎むべきです。

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NG行動想定される法的リスク
勝手に鍵を交換して閉め出す居住権の侵害、損害賠償請求の対象
無断で入室し荷物を処分する住居侵入罪、器物損壊罪
威圧的な言動・中傷の張り紙脅迫罪、名誉毀損罪

このような行動は、本来正当なはずの賃料増額請求さえも不利な状況へ追い込んでしまいます。

鑑定費用をかけてでも適正化すべきか迷う場合は、訴訟提起の前に弁護士へ勝訴の見込みやコスト試算を相談することをお勧めします。

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関連記事:家賃値上げを拒否もしくは応じてくれないときは追い出しできる?交渉の進め方やトラブルの対処法を解説

家賃値上げを拒否されずスムーズに交渉する手順【4ステップ】

家賃値上げ入居者への対応方法

家賃の増額を入居者に納得してもらうためには、オーナー側の一方的な都合ではなく、客観的な根拠に基づいた交渉プロセスが不可欠です。

準備不足のまま口頭で伝えてしまうと、感情的な反発を招き、話し合いのテーブルにすら着いてもらえないリスクが高まります。

トラブルを回避し、円滑に合意を得るために踏むべき4つのステップを確認しましょう。

1. 家賃値上げの根拠を示す資料を収集する

交渉における最大の武器は、主観的な感情ではなく、誰もが納得せざるを得ない数字と事実です。なぜ今の家賃では不十分なのか、その理由を客観的に証明できる以下の資料を揃えておきましょう

家賃値上げの根拠を示す資料の例
  • 固定資産税や都市計画税の納税通知書(過去数年分との比較)
  • 建物・設備の修繕費、管理会社への委託料などの見積書や領収書
  • 不動産ポータルサイトの募集図面・専門のリサーチ業者による調査報告書

特に周辺エリアの家賃相場資料は強力な説得材料となります。近隣の類似物件と比較して自物件が明らかに安い事実を可視化し、入居者に納得してもらえるような資料を集めましょう。

2. 契約内容・特約を確認しておく

資料収集と並行して、現在締結している賃貸借契約書を精査し、法的観点から交渉の難易度を見極める必要があります。

特に注意すべきは、契約の形態や契約書内で特別に取り決められた特約の有無です。主な契約形態の違いと交渉への影響は以下の通りです。

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契約形態特徴と交渉のポイント
普通借家契約入居者の権利が強く、正当事由がない限り更新拒絶が困難。
法定更新(自動更新)されると従前の条件が続くため、交渉が難航しやすい。
定期借家契約期間満了で契約が終了する。
再契約の条件として新家賃を提示できるため、比較的交渉を進めやすい。

このように、一般的な普通借家契約かつ自動更新の条項が含まれている場合、オーナー側からの条件変更は容易ではありません。

また、一定期間は賃料を増額しないといった特約がないかどうかも、事前に必ず確認しておきましょう。

3. 家賃値上げの通知を送付する(賃料増額請求の意思表示)

準備が整ったら、入居者に対して正式に家賃値上げの意思を伝えます。

この際、口頭やメールだけで済ませるのではなく、必ず「いつ、誰が、どのような内容を伝えたか」が証拠として残る書面形式を用いることが鉄則です。

後の言った言わないのトラブルを防ぐためにも、まずは配達記録が残る方法で通知書を送付し、場合によっては法的効力の強い内容証明郵便の利用も検討してください。

4. 入居者へ家賃値上げの理由を説明・交渉を進める

通知書が届いた段階で、入居者に対して改めて増額の理由を丁寧に説明する機会を設けます。

一方的に決定事項として押し付けるのではなく、近隣相場の上昇や維持管理費の高騰といったやむを得ない事情を誠実に伝え、相手の理解を求める姿勢が重要です。

仮に満額の回答が得られなくても、段階的な値上げや設備交換などの条件を提示し、双方が納得できる着地点を粘り強く探りましょう。

不動産問題で迷った際のお役立ちガイド

不動産における不公平や不動産関係者のトラブルでお悩みの方は、
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家賃値上げを拒否されて交渉で失敗しないための注意点

家賃値上げ交渉を失敗しないためのポイント

家賃値上げ交渉は、話し合いによる解決を目指すのが、時間や費用の面でもっとも効率のよい方法といえます。

オーナーが交渉で入居者に家賃値上げを拒否されないための注意点には、以下の内容があります。

家賃値上げの通知は早めに送る

急な家賃値上げの要求は、入居者の反発を招く可能性があります。​​通知を早めに送り、入居者に値上げを受け入れるのか、賃貸借契約を解約するのかを判断する十分な時間を与えることが重要です。

家賃値上げは、入居者の家計に負の影響を与えます。そのため、オーナーはできる限り入居者に配慮して、円満な解決を図らなくてはいけません。

また、早めの通知は、オーナーにとっても入居者とじっくりと交渉する時間の確保につながります。

家賃値上げ交渉は、入居者の気持ちに寄り添う姿勢を示しながら臨んでください。

家賃値上げ幅は適正な金額にとどめる

家賃の大幅な値上げは、入居者に拒否されるリスクが高く、関係の悪化や退去を招く可能性が高まります。

値上げ幅は入居者が受け入れやすい適度な金額にとどめ、合意が引き出せるよう慎重に決めなければいけません。

日本を代表する経営者の1人である故 稲盛和夫氏は「値決めは経営である」という言葉を残しています。この言葉が示す通り、経営にとって価格設定は事業の根幹部分です。

不動産オーナーであれば、家賃設定は入居率と収益に直結し、賃貸経営の成否を分ける重要な要素です。

家賃の値上げ幅は入居者の納得が得られ、かつ、賃貸経営の継続が可能な金額に設定する必要があります。

家賃値上げと入居者のメリットを組み合わせる

家賃値上げ交渉を円滑に進めるには、入居者にとってのメリットを同時に提示するのも効果的です。

共用部分の改修や室内に新しい設備の導入などを、家賃の値上げとセットで提案することも検討に値します。

入居者にメリットがある具体的な施策には、以下のものがあります。

入居者にメリットがある施策の例
  • インターネット環境の改善
  • エントランスの改装
  • セキュリティ設備の強化
  • 省エネ設備の導入 など

共用部分や室内設備のリニューアルにより、入居者満足が向上し、物件価値も上がる可能性があります。

結果的に、家賃値上げの理解が得られやすくなり、オーナーと入居者ともにWin-Winの関係が築けるでしょう。

関連記事:家賃値上げの交渉はどうすればいい?よくある失敗例や合意のコツを解説【弁護士監修】

家賃値上げに関するよくある質問

賃料増額請求の調停と訴訟の費用はどのくらいかかりますか?

調停は比較的安価ですが、訴訟に至ると不動産鑑定の有無によって費用が大きく変動します。

裁判所へ納める実費のほか、弁護士へ依頼する場合は別途報酬が必要となるため、事前に総額の見積もりを取ることが大切です。

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手続き費用の目安(実費)
調停数千円〜1万円程度(印紙代)
訴訟数千円〜1万円程度(印紙代は調停の約2倍)+鑑定費用

また、訴訟で本格的に争う場合、正式な不動産鑑定が必要となるケースでは、50万円以上の鑑定費用を予納しなければならない可能性があります。

費用倒れを防ぐためにも、まずは調停での解決を目指すのが経済的に合理的といえるでしょう。

関連記事:不動産にまつわるトラブル解決のための弁護士費用目安と依頼のメリット

オーナーチェンジに伴う家賃値上げは可能ですか?

物件の所有者が変わったという事実だけでは、正当な理由として認められにくいため注意が必要です。

新オーナーは旧オーナーの契約内容(賃料条件など)をそのまま引き継ぐのが原則であり、単に「貸主が変わったから」という一方的な都合での増額はできません。

ただし、以下の条件を満たしていれば、交渉の余地は十分にあります。

オーナーチェンジに伴う家賃値上げの交渉余地があるケース
  • 旧賃料が近隣相場より明らかに低い
  • 公租公課(固定資産税等)が増額している
  • 契約更新のタイミングである

あくまで借地借家法第32条の要件(相場乖離や経済事情の変動)を満たしているかどうかが判断基準です。

家賃値上げのお知らせをするときの文例は?

通知書には、値上げの理由や具体的な金額、そして回答期限を明確に記載する必要があります。

単なる要望ではなく、客観的な事情に基づいた正式な申し入れであることを伝える文面を心がけましょう。

通知書の構成例
  1. 挨拶と主旨:「平素より〜。さて、次回の契約更新に伴う賃料改定のお願いです」
  2. 理由:「近隣相場の上昇および固定資産税の増額に伴い」
  3. 提案内容:「現行賃料〇〇円 → 改定賃料〇〇円(〇〇年〇月分より)」
  4. 期限と連絡先:「〇月〇日までにご回答をお願いします」

特に近隣相場の上昇などの根拠を併記することで、入居者の理解を得やすくなります。

家賃値上げの通知はメールでもいいですか?

法律上、賃料増額請求の意思表示は口頭やメールでも有効ですが、重要な契約変更の場面では強く推奨されません。

相手が「見ていない」「届いていない」と主張した場合に反証が難しく、言った言わないのトラブルに発展するリスクがあるからです。

確実な証拠を残すためにも、以下の方法での送付を強くお勧めします。

家賃値上げ通知の送付方法
  • 内容証明郵便(交渉決裂の懸念がある場合)
  • 特定記録郵便(通常の通知の場合)

どうしてもメールで送る場合は、必ず返信を求め、合意書などの書面を別途取り交わして完了させる手順を踏んでください。

まとめ|家賃値上げを拒否されたときは弁護士に相談しよう

家賃値上げ交渉は弁護士に依頼

正当な理由に基づく家賃の値上げであっても、入居者から拒否されると「もう無理なのか」と諦めてしまうオーナー様は少なくありません。しかし、正しい知識と客観的な根拠があれば、交渉を前進させることは十分に可能です。

逆に、自己判断で強引な手段に出たり、準備不足のまま交渉を続けたりすることは、トラブルを泥沼化させる原因となります。

もし家賃値上げの交渉の糸口が見えなかったり、法的な判断に迷ったりした場合は、一人で抱え込まずに専門家を頼ることが大切です。トラブルが長期化する前に、できるだけ早めに弁護士に相談しましょう。

家賃値上げ交渉や入居者トラブルでお悩みの方は、弁護士法人アクロピースにご相談ください。不動産問題に精通した弁護士が、オーナー様の正当な利益を守るために全力でサポートします。

初回60分の無料相談で、まずはお気軽にお問い合わせください。

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この記事の監修者

弁護士 佐々木 一夫 KAZUO SASAKI

弁護士法人アクロピース 代表弁護士
東京弁護士会所属
明治大学法学部 卒業
明治大学法科大学院 修了

当事務所は家賃滞納や立ち退き交渉といった不動産トラブルの解決に注力しております。豊富な経験に基づき、ご依頼者様の正当な権利を迅速に守るサポートを提供します。初回のご相談は無料ですので、お気軽にご連絡ください。

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