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家賃値上げの交渉はどうすればいい?よくある失敗例や合意のコツを解説【弁護士監修】

「家賃値上げの交渉はどうやって進めればいい?」
「家賃値上げをしたいけれど、借主とトラブルになりたくない……」
家賃の値上げを検討しており、このようなお悩みをお持ちのオーナー様もいるのではないでしょうか。物価高騰や固定資産税の上昇により、現在のアパート・マンション経営において収益の確保が難しくなっている方は少なくありません。
適切な収益を維持するためには家賃の値上げが必要不可欠ですが、入居者への交渉を一歩間違えると、退去やトラブルのリスクを招く恐れがあります。
本記事では、家賃値上げ交渉を成功させるための具体的な手順や、法的に有効な「正当な理由」、そして入居者に拒否された場合の対処法について解説します。
家賃交渉の前提条件:「固定資産税の上昇」や「近隣相場との乖離」など、借地借家法に基づく正当な理由と、それを裏付ける客観的データ(証拠)が不可欠。
家賃交渉の正しい手順と鉄則:口頭での打診は言った言わないの原因になる。必ず根拠を明記した通知書を送付し、入居者が納得できる材料を提示して協議する。
家賃値上げを拒否された時の対応:値上げ拒否を理由とした強制退去はできない。話し合いが平行線なら、妥協点を探るか、法的手段(調停・訴訟)へ移行する覚悟が必要。
管理会社に代行を依頼するリスク:管理会社ができるのは連絡窓口まで。揉めている案件の交渉代行は法律違反(非弁行為)となるため、トラブル時は弁護士以外に頼れない。
交渉成功への最短ルート:自己流の交渉は関係悪化や退去を招く。適正賃料の算出から書面作成、代理交渉まで弁護士に任せることが、収益改善とリスク回避の確実な手となる。
弁護士 佐々木一夫「入居者との関係を壊したくない」「いくら値上げしていいかわからない」という悩みは、一人で抱え込まず専門家へご相談ください。
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家賃値上げ(賃料増額請求)の交渉ができる正当な理由とは?


借地借家法第32条では、特定の事情がある場合に限り、契約期間中であっても将来に向かって建物の賃料増減を請求できると定めています。
オーナーの個人的な都合ではなく、主に以下の3つの事情を総合的に考慮して判断されます。
それぞれどのようなケースが該当するのか、詳しくみていきましょう。



監修者コメント
家賃の増額請求は、借地借家法で認められた正当な権利です。しかし、根拠のない要求や自己流の交渉は、入居者の反発を招く最大の原因です。
本記事では、法的に有効な「正当事由」の考え方から、実務で使える通知書の書き方までを体系的に解説しました。感情的なトラブルを未然に防ぎ、適正な収益確保を実現するための指針としてご活用ください。
不動産の租税や維持費が上昇した
1つ目は、土地や建物にかかる税金(公租公課)や、建物を維持管理するための費用が上昇したケースです。
固定資産税の増税や、昨今の資材価格高騰による修繕費の増加は、オーナーの経営努力だけで吸収することが難しく、正当な転嫁理由として認められます。
借地借家法第32条においても「土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減」が要件として明記されています。
| 費用の種類 | 具体的な内容 |
| 租税公課 | 土地・建物の固定資産税、都市計画税の増税など |
|---|---|
| 維持管理費 | 共用部の光熱費、清掃費、エレベーター点検費、大規模修繕積立金など |
これらは単にオーナーの利益を増やすためではなく、入居者が安全・快適に居住し続けるために不可欠なコストです。客観的な上昇分を示すことができれば、賃料への反映が認められやすい傾向にあります。
不動産の資産価値の上昇といった経済事情の変化が生じた
2つ目は、土地や建物の価格高騰、あるいは世の中の経済情勢が大きく変動した場合です。借地借家法第32条では「土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動」により、従来の賃料が不相当となった場合の増減請求を認めています。
具体的には、以下のような事象が経済事情の変動として考慮されます。
| 変動要因 | 具体的な事象 |
| 地価の上昇 | 地価公示価格や路線価の上昇 |
|---|---|
| 物価の上昇 | 消費者物価指数(インフレ率)が上がっている |
| 周辺環境の変化 | 最寄り駅の再開発や新線開通により利便性が向上した |
たとえば、デフレ期に設定された家賃のままインフレ局面に入った場合、貨幣価値の変化に合わせて賃料を修正することは経済的合理性があるといえます。
周辺エリアのブランド価値向上に伴う資産価値の上昇も、強力な根拠の一つです。
周辺の相場に比べて賃料が低い
3つ目は、近隣にある同等の物件(近傍同種)と比較して、現在の家賃が明らかに安すぎる場合です。入居当初は適正価格であっても、長期間改定を行わなかった結果、相場から取り残されて不相当になっているケースが該当します。
借地借家法第32条でも、近隣同種の建物と比較して不相当となったときは増額請求ができる旨が定められています。
| 比較項目 | 内容 |
| 比較対象 | 近隣エリアにある、構造・築年数・広さ・設備が似ている物件 |
|---|---|
| 判断基準 | 募集家賃ではなく、実際に成約している賃料相場との乖離 |
たとえば、隣の似たようなマンションが月額15万円で満室稼働している中、自身の物件が月額12万円であれば、その差額を埋めるための増額請求には正当性があります。



ただし、比較対象はあくまで「条件が近い物件」である必要があり、築年数やグレードが大きく異なる物件との比較は認められにくいため注意が必要です。
不動産における不公平や不動産関係者のトラブルでお悩みの方は、
ぜひ弁護士法人アクロピースにご相談ください。
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家賃値上げ交渉でよくある失敗ケース
家賃の値上げはオーナーの正当な権利ですが、自己流で進めると入居者の反発を招き、交渉決裂や思わぬ退去につながるリスクがあります。特に、法的な知識不足や感情的な対応は、オーナー自身の立場を危うくする要因になりかねません。
ここでは、交渉を成功させるために避けるべき、代表的な5つの失敗パターンについて解説します。
客観的な根拠資料が不足している
交渉において最も重要なのは、なぜ値上げが必要なのかを入居者が納得できる形で証明することです。単に「物価高騰で経営が苦しい」と口頭で訴えるだけでは、家賃増額の正当事由として不十分であり、合意を得るのは困難でしょう。
以下のような具体的な資料を準備し、視覚的に根拠を示す必要があります。
| 資料名 | 内容 |
|---|---|
| 固定資産税・都市計画税の納税通知書 | 過去と現在の税額を比較し、公租公課の上昇を示す資料 |
| 近隣物件の募集図面 | 同等の広さ・設備で、家賃が高い物件のデータ(ポータルサイトの情報等) |
| 消費者物価指数の推移グラフ | 総務省統計局などが公表している、経済事情の変動を示す公的データ |
説得力を持たせるためにも、客観的な数字とデータに基づいた準備を徹底しましょう。
相場とかけ離れた値上げ額を提示する
収益改善を目指すあまり、周辺相場を無視した大幅な値上げを要求するのはNGです。
一般的に、更新時の値上げ幅は月額賃料の3%〜5%未満(1,000円〜3,000円程度)で合意に至るケースが多く、いきなり1万円単位の増額を提示しても拒否される可能性が高いでしょう。
正当な理由があれば大幅な増額も法的には可能ですが、入居者に「これなら引っ越した方がマシだ」と思われてしまっては元も子もありません。まずは周辺相場をリサーチし、入居者が「更新した方が得だ」と感じられる現実的なラインを見極めることが重要です。
感情的・高圧的な態度をとる
交渉が思うように進まないからといって、入居者に対して高圧的な態度をとったり、「嫌なら出て行け」といった発言をしたりすることは絶対に避けてください。
借地借家法で保護された借主に対し、正当な理由なく退去を強要することはできません。感情的・高圧的な態度や言動は、以下のようなリスクがあります。
- 信頼関係を破壊する行為とみなされ、後の調停や訴訟においてオーナー側が不利になる
- ハラスメントとして損害賠償を請求される
どのような状況であっても冷静かつ誠実な協議を続ける姿勢が不可欠です。
契約書の特約や更新時期を確認していない
そもそも、契約内容によっては値上げの交渉自体が制限されている場合があります。交渉を始める前に、必ず現在の賃貸借契約書を確認し、以下の点についてチェックしてください。
| 契約書の項目 | チェックポイント |
|---|---|
| 不増額特約の有無 | 「一定期間は賃料を増額しない」といった特約がある場合、原則として増額請求はできません。 |
| 契約の種類 | 定期借家契約の場合、特約で借地借家法32条(賃料増減請求権)を適用除外にできるため、改定特約の有無を確認する必要があります。 |
契約の法的性質を理解せずに値上げを迫れば、契約違反を問われることになります。ご自身の物件がどのような契約形態になっているか、事前にしっかりと洗い出しを行いましょう。
口頭のみで曖昧な交渉を進める
立ち話や電話だけで「来月から少し家賃を上げたい」とあいまいに伝えるのは、トラブルの元凶です。
言った言わないの水掛け論になり、後になって「そんな話は聞いていない」「合意していない」と突っぱねられるケースは少なくありません。
家賃の増額請求は、将来にわたって金銭のやり取りを変更する重要な契約行為です。いつ、誰に、いくらの増額を提示したかを確実に残すため、交渉の第一歩は必ず「書面」で行うようにしてください。



特に重要な局面では、郵便局が送達事実を証明してくれる内容証明郵便を利用することをおすすめします。(ただし、文書の内容が真実であることを証明するものではありません)。
家賃の値上げ交渉を行う流れ


家賃の値上げ交渉において、トラブルを回避しスムーズに合意を得るためには、以下の5つのステップで進めるのが一般的です。
それぞれのプロセスについて、具体的に解説します。
現状分析や相場の調査を行う
賃料増額請求を成功させるためには、入居者への通知前に綿密な現状分析を行い、増額の根拠となる客観的データを収集することが重要です。
単に「収益が厳しい」という主観的な事情を伝えるだけでは、借地借家法で保護された賃借人の合意を得ることは困難でしょう。
以下の資料や数値を調査し、現状の賃料が不相当であることを客観的に証明する準備を整えます。
| 調査項目 | 確認すべき資料・方法 | 調査の目的 |
|---|---|---|
| 近隣相場 | 募集図面、不動産鑑定評価 | 「近傍同種」の物件と比較して、現在の賃料が低廉であることを示すため |
| 公租公課 | 固定資産税・都市計画税の納税通知書 | 土地建物の維持コスト(税負担)が従前よりも上昇した事実を証明するため |
| 経済指標 | 消費者物価指数(総務省統計)、地価公示 | 物価や地価の上昇といった「経済事情の変動」を値上げの根拠とするため |
これらのデータは、交渉時の説得材料となるだけでなく、協議が整わず調停や訴訟に移行した際にも、主張を支える有力な証拠として機能します。事前に十分な証拠収集を行っておくことが、結果として交渉期間の短縮や合意形成の確度を高めることにつながるでしょう。
賃借人に賃料増額の意思を書面で通知する
根拠が固まったら、入居者に対して値上げの請求を通知します。 法的には口頭による通知でも有効ですが、「言った言わない」のトラブルを防ぐため、必ず書面で通知することをおすすめします。
特に重要な局面では、以下の理由から、内容証明郵便を利用するのが賢明です。
| 内容証明郵便のメリット | 詳細 |
|---|---|
| 証拠の保全 | 郵便局が「いつ、誰が、誰に、どのような内容を送ったか」を証明してくれる |
| 到達の証明 | 入居者が「受け取っていない」としらを切ることを防げる |
賃料増額請求の効力は、意思表示が相手方に到達したときから生じるとされています。 確実な到達を証明できる方法を選ぶことが、法的なリスク管理として重要です。
賃借人と賃料増額について交渉する
通知後は、具体的な改定金額や時期について入居者と協議を行い、合意を目指します。 ここで入居者の認識と食い違いがあると、「家賃を払った・払わない」といった債務不履行の争いに発展しかねないため、丁寧なすり合わせが求められます。
交渉を円滑に進めるためには、以下のポイントを意識して根拠を示すことが大切です。
| ポイント | 詳細 |
|---|---|
| 周辺相場の提示 | 近隣の類似物件データを見せ、客観的な妥当性を伝える |
| 査定結果の活用 | 不動産会社等の査定書を用い、第三者の視点を入れる |
客観的なデータを示すことで、オーナーの個人的な都合ではないことが伝わりやすくなります。 もし、話し合いで合意に至らない場合は、調停・訴訟といった法的手段へ移行しましょう。
合意または調停・訴訟に進む
交渉がまとまれば、後日のトラブル防止のため必ず「覚書」や「変更契約書」を作成し、合意内容を証拠化します。
一方で、当事者間での解決が困難な場合は裁判所の手続きへ移行しますが、原則として訴訟の前に調停を経る必要があります(参照:家事事件手続法|第257条の2)。
| 手続き | 概要 | 特徴・留意点 |
|---|---|---|
| 賃料増額調停 | 調停委員や専門家を介して、話し合いによる合意形成を目指す手続き | 訴訟の前に申し立てが必須。不調(不成立)なら終了する |
| 賃料増額訴訟 | 裁判所が双方の主張や証拠に基づき、適正賃料の判決を下す手続き | 解決まで長期化しやすく、高額な鑑定費用がかかる場合がある |
訴訟は解決まで1年以上の長期戦になることも多く、高額な鑑定費用により費用倒れになるリスクも否めません。



弁護士の助言を得ながら、可能な限り調停段階での合意を目指すのが現実的な選択肢といえるでしょう。
関連記事:家賃増額に強い弁護士が必要な理由と選び方!依頼するメリットや費用も解説
家賃値上げ通知書の書き方【例文あり】
賃料増額請求を行う際は、「言った言わない」のトラブルを未然に防ぐため、口頭ではなく書面による明確な意思表示が不可欠です。通知書に法的な決まった書式はありませんが、交渉の効力を確保するために以下の項目は漏れなく記載しましょう。
| 項目 | 内容 |
| 1. 日付・宛名・差出人 | 通知日と当事者を明確にする |
|---|---|
| 2. 賃料(現行・改定後) | いくらからいくらに変更するのかを明記 |
| 3. 改定の理由 | 公租公課の上昇や相場との乖離など、客観的根拠 |
| 4. 改定の開始時期 | 新賃料をいつから適用するか(更新時など) |
とりわけ「改定の理由」は交渉の成否を分ける重要事項であり、単なる要望ではなく具体的な根拠を示すことが求められます。数値に基づいた誠実な記載が、入居者の理解を得る第一歩となるでしょう。
以下に実務で使用できる一般的なテンプレートを記載しますので、状況に合わせて調整してご使用ください。
賃料増額改定のお願い
令和〇年〇月〇日
〇〇 〇〇 様(借主氏名)
〇〇県〇〇市〇〇町〇-〇(貸主住所)
〇〇 〇〇(貸主氏名)印
拝啓
時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
平素は、当方が所有する「(物件名・号室)」をご利用いただき、厚く御礼申し上げます。
さて、標記の件につきまして、誠に恐縮ながらご通知申し上げます。
ご高承の通り、近年の固定資産税および都市計画税の上昇、ならびに昨今の物価高騰による建物維持管理費の増加に伴い、現状の賃料を維持することが極めて困難な状況となっております。
つきましては、近隣同種物件の賃料相場等を勘案いたしました結果、誠に不本意ではございますが、次回の契約更新(令和〇年〇月〇日)より、以下の通り賃料の改定をお願いしたく存じます。
記
- 対象物件: (物件名・号室)
- 現行賃料: 月額 〇〇,〇〇〇円
- 改定賃料: 月額 〇〇,〇〇〇円(〇,〇〇〇円の増額)
- 改定時期: 令和〇年〇月〇日分より
何卒、事情をご賢察の上、ご承諾いただけますようお願い申し上げます。
なお、本件につきましてご不明な点やご意見がございましたら、〇月〇日までに下記連絡先までご連絡ください。
敬具



なお、送付の際は証拠保全の観点から「内容証明郵便」の利用を強く推奨します。
家賃の値上げ交渉で合意してもらう5つのコツ


オーナーの一方的な要求としてではなく、入居者に納得して値上げに応じてもらうためには、戦略的な交渉が必要です。
ただ通知を送るだけでなく、以下の5つのポイントを押さえてアプローチすることで、合意形成の確率は格段に高まります。
それぞれのコツについて、具体的にどう実践すべきか解説します。また、家賃の値上げを拒否された場合の対処方法は、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:家賃値上げを拒否されたらどうすればいい?オーナーの対応方法を解説
賃料の値上げが正当である根拠を提示する
家賃交渉の出発点は、「なぜ値上げが必要なのか」を客観的なデータに基づいて説明することです。オーナーの個人的な経済事情による値上げは認められないため、以下のような資料を用いて正当性を裏付けましょう。
| 提示すべき資料の例 | 効果 |
| 近隣相場データ | 周辺物件と比較して現状が割安であることを視覚的に示す |
|---|---|
| 固定資産税の納税通知書 | 税負担増という不可抗力なコストアップを証明する |
具体的な数値や公的な指標を示すことで、「オーナーの身勝手な要求ではない」という事実を理解してもらいやすくなります。論理的な根拠の提示は、入居者の感情的な反発を抑え、建設的な協議の土台を作るために不可欠です。
賃借人へのメリットを考える
交渉を成功させるには、一方的に負担を強いるだけでなく、入居者にとっての交換条件(メリット)を提示するのが有効です。
入居者側からすれば、家賃の値上げはデメリットでしかありません。 そこで、以下のような条件を提示し、納得感を高める工夫をしてみましょう。
- 次回の更新料を値下げ・免除する
- 家賃の値上げ時期を後ろ倒しする
- 宅配ボックスの設置など住みやすい環境を整える
目先の家賃増額だけでなく、長期的な居住満足度を高める提案をセットにすることで、「それなら更新しよう」という判断を引き出しやすくなります。
ただし、収益性を損なわないよう、提供するメリットと増額分のバランスは慎重に検討してください。
値上げ幅を適切な範囲に留める
いくら正当な理由があっても、相場を無視した急激な値上げは入居者の生活を圧迫し、退去や紛争の原因となります。
長期間改定しておらず相場と大きな乖離がある場合でも、一度に数万円単位で引き上げるのは現実的ではありません。家賃の値上げを行う場合は、以下のような工夫をすることで、入居者とのトラブルを回避しやすくなります。
- 段階的な値上げ:今回は3,000円アップに留め、次回の更新で再度見直す
- 退去時の改定:現入居者は据え置きに近い額で合意し、退去後の新規募集で適正賃料に戻す
入居者にとって家賃は毎月の固定費であり、生活基盤そのものです。 相手の支払い能力や心理的負担に配慮し、「これなら許容範囲内だ」と思える落とし所を探ることが、結果として安定した賃貸経営につながります。
普段から賃借人への印象を良くしておく
家賃交渉の成否は、日頃の信頼関係に大きく左右される場合があります。
入居者がオーナーや管理会社に対して好感を持っていれば、「いつも良くしてもらっているから」と協力的な姿勢を見せてくれる可能性が高まるでしょう。
| 日頃の対応例 | 交渉への影響 |
| 迅速な修繕対応 | 「管理が行き届いている」という信頼感につながる |
| 共用部の清掃 | 住環境への配慮が伝わり、オーナーへの印象が良くなる |
逆に、普段の管理がずさんであれば、「何もしてくれないのに家賃だけ上げるのか」と強い反発を招く可能性もゼロではありません。
値上げ交渉をスムーズに進めるための布石として、日常的なコミュニケーションと誠実な管理対応を心がけましょう。
弁護士へ交渉を依頼する
最も確実かつ安全に値上げを実現するコツは、交渉のプロである弁護士に代理人を依頼することです。 当事者同士の話し合いは感情的になりやすく、法的な知識がないまま進めると「言った言わない」のトラブルに発展するリスクがあります。
弁護士に交渉を依頼するメリットは以下のとおりです。
- 法的に認められる適正賃料のラインを正確に見極められる
- オーナーが矢面に立つことなく、法的な根拠に基づいて家賃値上げ交渉を進められる
- 万が一こじれた場合も、調停や訴訟を見据えた最適な手が打てる
特に不動産問題に精通した弁護士であれば、過去の裁判例や相場観を踏まえた説得力のある交渉が可能です。



精神的な負担を減らし、収益最大化を目指すなら、早い段階で専門家のサポートを受けることをおすすめします。
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家賃交渉後に入居者から値上げを拒否された場合の対処法
家賃交渉が入居者に拒否された場合に、オーナーが取れる主な対処法は以下の2つです。
| 対処法 | 概要・狙い |
|---|---|
| 粘り強い交渉の継続 | 値上げ幅の縮小や適用時期の延期など、譲歩案を提示して妥協点を探る方法。 |
| 調停・訴訟への移行 | 当事者間での解決を断念し、裁判所の判断により適正賃料を確定させる方法。法的な強制力を伴うが、時間と費用を要する。 |
値上げに応じないことを理由に「退去してほしい」と要求したり、「家賃滞納」として契約解除を迫ったりすることは、法的に極めて困難です。
借地借家法26条には、合意がなくても契約が更新される「法定更新」と呼ばれる制度があり、入居者の居住権は守られています。 また、交渉決裂によりオーナー側が家賃の受け取りを拒否しても、入居者が法務局へ「供託」を行えば法的に支払い済みとみなされます。
感情的な対応や実力行使を行えば、オーナー側の法的立場を悪化させるリスクもゼロではありません。



強引な退去勧告は避け、費用対効果や今後の関係性を見極めた上で適切に対処しましょう。
家賃の値上げを請求する際に注意するべきポイント


家賃の値上げ交渉は、いかなる場合でも認められるわけではありません。 契約内容や物件の種類によっては、法的に増額請求が制限されるケースも存在します。
交渉を始めてから「実は値上げできない契約だった」と判明する事態を避けるため、事前に確認すべき2つの重要なポイントについて解説します。
賃料を増額させない特約がある場合は増額できない
契約書に「不増額特約」が記載されているケースでは、たとえ正当な理由があっても値上げ交渉を行うことはできません。この特約は「一定期間は賃料を増額しない」と定める特約だからです。
契約書に記載されている可能性がある特約は以下の2つです。
| 特約の種類 | 効力 |
| 不増額特約 | 原則有効。 特約期間中は増額請求権が排除される |
| 不減額特約 | 原則無効。 借主に不利な特約のため、減額請求は可能 |
ただし、特約期間が極端に長期にわたり、その間に急激なインフレ等で経済事情が激変したような例外的な場合には、「事情変更の原則」により特約の効力が否定され、増額が認められる可能性もあります。
まずは契約書を隅々まで確認し、ご自身の契約に特約が含まれていないかチェックしましょう。
駐車場契約では借地借家法に基づく賃料増額請求ができない
駐車場料金の値上げについては、借地借家法第32条に基づく「賃料増減請求権」を行使することはできません。駐車場の賃料の値上げ交渉は、基本的に「当事者間の合意」もしくは「契約期間満了に伴う新条件での再契約」という形で進めることになります。
アパートやマンションの賃貸借には借地借家法が適用されますが、更地の駐車場契約には借地借家法が適用されず、民法のルールに従います。
| 賃貸借の対象 | 賃料増額請求の可否 |
|---|---|
| 建物 | 正当事由がない限り、オーナー側からの解約や値上げ強制は困難 |
| 駐車場 | 借地借家法の適用外であり、契約期間満了による終了や解約が比較的容易 |



建物と駐車場では適法な交渉プロセスが異なる点を理解し、混同しないよう注意が必要です。
関連記事:家賃値上げを拒否もしくは応じてくれないときは追い出しできる?交渉の進め方やトラブルの対処法を解説
家賃値上げの交渉に関するよくある質問
家賃値上げの交渉はメールや電話でも良いですか?
きっかけ作りとしてメールや電話を使うことは問題ありません。
しかし実務上は、最終的な意思表示や合意内容を書面で残すことを強く推奨します。メール等は送信エラーや見落としのリスクがあり、万が一の裁判で真正性が争われた場合に証明力が弱まる可能性があるためです。
重要な通知は内容証明郵便などの書面で行い、メールはあくまで補助的な連絡手段として活用するのが賢明です。
家賃値上げを行う場合、更新料の値上げも同時にできますか?
更新料の値上げも同時に可能かどうかは、契約書の記載内容によります。
「賃料の〇ヶ月分」とある場合は、家賃の増額に連動して更新料も自動的に上がります。一方、「一律〇〇円」と定額で記載されている場合は、家賃が上がっても更新料は据え置きとなるため、別途変更の合意が必要です。
金額の認識違いによるトラブルを防ぐため、値上げ交渉の際は必ず契約書の更新料条項も確認し、必要であればあわせて変更の合意を取り付けましょう。
家賃値上げの交渉を管理会社に代行してもらうことはできますか?
管理会社に依頼できるのは、オーナーの決定事項を伝える使者としての役割や、窓口業務までです。
もし入居者が値上げを拒否し、紛争性が生じている状態で管理会社が主体となって交渉を行うと、弁護士法違反(非弁行為)になる恐れがあります。(参照:東京弁護士会|非弁行為とは)
オーナーから管理料を受け取っている時点で間接的に報酬を得ているとみなされる可能性が高く、実質的に違法と判断されるリスクも考えられます。
こじれそうな交渉や法的な判断が必要なケースは、交渉のプロである弁護士へ依頼するのが確実です。
まとめ|家賃値上げの正当な理由を理解して適切に交渉を行おう


家賃の値上げ交渉は、収益性を改善したいオーナーにとって重要な経営課題であり、法的に認められた正当な権利です。
固定資産税の上昇や近隣相場との乖離といった客観的な根拠があれば、入居者に理解を求め、適正な家賃へ是正することは十分に可能です。 しかし、交渉手順の誤りや感情的な対立は、入居者との関係悪化や退去リスクを招く最大の要因となります。
「根拠資料をどう集めればよいかわからない」「入居者との直接交渉に不安がある」という方は、無理に自己判断で進めず、専門家である弁護士に相談するのが最も確実な解決策です。
弁護士法人アクロピースでは、賃料増額の可否診断から通知書の作成、難航した場合の代理交渉まで、オーナー様の利益最大化に向けてサポートいたします。



こじれて長期化する前に、まずは初回60分の無料相談をご利用ください。
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