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共有持分の売却トラブルとは?よくあるケースや法的措置を解説【弁護士監修】

「共有名義の不動産を自分の分だけ売りたいけれど、他の共有者と揉めるのは避けたい」
「共有持分を売却するときは他の共有者の同意がなくても良いのだろうか?」
このようにお悩みではないでしょうか。
共有持分の売却は、法的には自身の判断のみで行うことが可能です。 しかし、現実には他の共有者との関係悪化や、予期せぬ法的な争いに発展するリスクが潜んでいます。
本記事では、共有持分を売却した際に起こりうる具体的なトラブル事例と、その回避策について解説します。 トラブルに巻き込まれた際の対処法や、費用相場についても触れていますので、ぜひ参考にしてください。
共有持分の同意なし売却は法的可能だが危険:自身の持分は単独で売却できるが、見知らぬ第三者(業者)の介入により、残された共有者の平穏な生活が脅かされ、訴訟沙汰になるリスクが高い。
典型的なトラブル事例:買取業者による他の共有者への執拗な営業や、共有状態の解消を求める「共有物分割請求訴訟」が頻発。最悪の場合、競売により市場価格より大幅な安値で家を失うことになる。
持分のみの売却は安値になる:自由な利用ができないため、市場価格の50%以下で買い叩かれるのが一般的。経済的メリットを最大化するなら、全員同意のもとでの全体売却が最善。
トラブル回避の正攻法:最も平和的な解決策は他の共有者への売却。土地であれば分筆して単独所有にするなど、共有状態そのものを解消してから売るのが安全。
弁護士への事前相談が必須:売却後の契約不適合責や損害賠償請求を防ぐには、当事者だけで進めず、交渉段階から法的な防衛策と権利整理を行うことが不可欠。
弁護士法人アクロピースでは、共有不動産や相続にまつわる複雑な権利関係の調整を得意としています。 あなたの利益を最大化しつつ、円満な解決を目指してサポートいたします。 まずは初回60分の無料相談にて、現在の状況をお聞かせください。
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共有不動産は売却できる?

共有不動産の売却は、自身の持分のみを単独で処分するか、あるいは全員の合意を得て不動産全体を売却するかで、法的なハードルが大きく異なります。
もっとも重要な相違点は、他の共有者による同意の要否です。まずは、2つの売却パターンにおける法的要件の違いを整理しましょう。
不動産全体を売却する場合、所有権の喪失という重大な変更を伴うため、共有者全員の意思統一が不可欠です。民法第251条では、共有物の変更行為について以下のように規定しています。
(共有物の変更)
第二百五十一条 各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。次項において同じ。)を加えることができない。出典:民法|第251条
過去の最高裁判決(昭和42年)においても、売却は上記の「変更」に該当すると示されました。(参考:裁判所 最高裁判決昭和42年2月23日判決)したがって、共有者のうち一人でも反対がいれば、全体を売却することは不可能です。
一方で、自身の共有持分だけであれば、単独で自由に売却することが認められています。民法第206条において、所有権の権利範囲が以下のように保障されているためです。
(所有権の内容)
第二百六条 所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。出典:民法|第206条
自己の持分処分に際して、他の共有者への通知や承諾は法的な義務ではありません。ただし、持分のみを取得しても不動産全体を自由に使用できないことから、一般市場での流動性は低くなります。売却価格が相場を大きく下回る傾向にある点には、十分な留意が必要です。
弁護士 佐々木一夫監修者コメント
共有持分の売却は、法律上は個人の自由であり、他の共有者の承諾は不要です。しかし、権利関係が複雑なまま第三者に渡ることで、残された共有者が不利益を被るケースが多発しています。
売却後のトラブルを防ぐためにも、実行前に専門家へ相談し、リスクを洗い出しておくことが重要です。
関連記事:共有持分は売却できる?同意なしで売れる理由やトラブル回避のポイントを弁護士が解説
共有持分の売却で起こりうるトラブルの例


共有持分は単独での売却が可能ですが、他の共有者への相談なく行うと、残された共有者が深刻な法的紛争に巻き込まれるリスクがあります。
第三者の介入により平穏な生活環境が脅かされるだけでなく、訴訟問題に発展するケースも少なくありません。 共有持分の売却で起こりやすいトラブル例は以下のとおりです。
新たな共有者となった買取業者が共有不動産に出入りする
買取業者の主な目的は、取得した持分を他の共有者に高値で買い取らせるか、あるいは共有関係を解消して現金化することです。そのため、持分取得直後から他の共有者に対して、持分の売買に関する交渉を迫ってくることがあります。
中には、以下のような強引な手法で他の共有者に心理的圧力をかけてくる業者も存在するため注意が必要です。
- 昼夜を問わない頻繁な電話連絡や訪問
- 「応じなければ法的措置をとる」といった威圧的な言動
- 近隣住民に聞こえるような大声での交渉
こうした執拗な営業活動により、平穏な生活が乱され、精神的に追い詰められてしまう共有者も少なくありません。
関連記事:共有持分買取業者とは?利用する注意点や弁護士へ相談するメリットも解説
買取会社から共有物分割請求訴訟を起こされる
買取業者との交渉が不調に終わった場合、共有物分割請求訴訟を提起されるリスクが高まります。これは、話し合いで解決しない場合に、裁判所を通じて強制的に共有状態を解消する手続きです。
訴訟において裁判所が決定する分割方法は、主に以下の3つの種類があります。(参照:民法258条)
| 分割方法 | 内容内容 |
|---|---|
| 現物分割 | 不動産を物理的に分筆して分ける方法(土地など)。 |
| 代償分割 | 特定の共有者が不動産を取得し、他の共有者に代償金を支払う方法。 |
| 換価分割 | 現物分割や代償分割が困難な場合に、不動産全体を競売にかけて売却し、その代金を共有者で分ける方法。 |
現物分割や代償分割が困難な場合、最終的に「換価分割(競売)」が命じられる可能性があります。競売になると、市場価格よりも安価で住まいを失う恐れがあるため、訴状が届いた段階で速やかに弁護士へ相談し、適切な防御策を講じることが重要です。
共有者間の関係が悪化し、不当利得返還請求などの紛争に発展する
持分売却は原則として自由ですが、親族間などで信頼関係に基づき共有していた場合、無断売却が権利の濫用と捉えられるケースがあります。「平穏な生活権を侵害された」として、他の共有者から売却手続きの無効確認や、精神的苦痛に対する損害賠償請求訴訟を起こされるリスクも否定できません。
たとえ法的に売却自体が有効であっても、親族間での感情的な対立が法廷闘争に発展すれば、解決までに多大な時間と費用を要します。
実際に想定される法的請求として、主に以下のものが挙げられます。
| 法的請求の例 | 詳細 |
|---|---|
| 持分売却契約の無効確認請求 | 手続きの瑕疵などを理由に契約の無効を主張する |
| 不法行為に基づく損害賠償請求 | 一方的な売却による精神的苦痛を理由とする |
| 慰謝料請求 | 信頼関係の破壊を理由とした金銭請求 |
このように、売却益を得られたとしても、その後の訴訟対応や弁護士費用により、結果的に経済的利益が損なわれる可能性がある点には留意が必要です。
共有持分買取業者に安値で買い叩かれる
共有持分単体では不動産全体の自由な利用・処分ができないため、市場における流動性は極めて低くなります。その結果、専門の買取業者へ売却する場合、価格は不動産全体の市場価格から算出した持分相当額に比べ、大幅に減額されることが一般的です。
現金化を急ぐあまり、相場を把握せずに契約し、本来の価値を大きく下回る金額で手放してしまうケースが後を絶ちません。
一般的な市場価格と、持分のみを売却する場合の価格差の目安は以下の通りです。
| 価格の種類 | 相場の目安(実勢価格比) |
|---|---|
| 一般的な不動産売却 | 100% |
| 共有持分のみの売却 | 約50%以下 |
※物件の立地や共有者の人数、権利関係の複雑さにより変動します。
適正な価格判断を行うためには、一社の提示額を鵜呑みにせず、複数の業者から査定を取り寄せるか、専門家の知見を仰ぐことが重要です。
共有持分のトラブルで検討すべき法的措置
共有者間の協議が整わず、当事者だけでの解決が困難な場合は、法的な手続きを検討する必要があります。 泣き寝入りせず、自身の権利を正当に主張し、現状を打開するための選択肢を把握しておくことが重要です。
トラブル解決に向けた主な法的措置として、以下の3つが挙げられます。
償還請求または不当利得返還請求(家賃等の請求)を行う
特定の共有者が他の共有者の合意なく不動産を独占している場合、その利用利益を請求できる方法として、以下の2つの法的根拠があります。
| 請求方法 | 詳細 | 法的根拠 |
|---|---|---|
| 償還請求 | 2023年4月1日に施行された民法改正により新設された制度 共有物を使用する共有者は、別段の合意がある場合を除き、他の共有者に対し、自己の持分を超える使用の対価を償還する義務を負う | 民法249条2項 |
| 不当利得返還請求 | 従来から認められている請求方法 正当な権原なく利益を得ている共有者に対し、その返還を求めることができる。 | 民法703条 |
これは、自身の持分に応じた家賃相当額の支払いを求める正当な権利です。独占的な利用は、他の共有者の使用収益権侵害する行為とみなされ、過去の分も含めて請求対象となり得ます。
ただし、請求が法的に認められるには、以下の要件を満たすかどうかが判断基準となります。
| 請求が認められる主な要件 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 独占的な使用 | 特定の共有者が他の共有者の同意なく物件を占有している |
| 損失の発生 | 他の共有者が物件を使用できず、利益を得られない状態にある |
| 因果関係 | 占有者の利益と、他の共有者の損失に直接の関係がある |
| 法律上の原因がない | 使用貸借契約などの合意が存在しない |
このように、単に居住している事実だけでなく、正当な権原(合意など)の有無や損失の事実関係が問われます。請求にあたっては、近隣の家賃相場を基に具体的な金額を算出し、内容証明郵便等を用いて通知を行うのが一般的です。
共有物分割請求訴訟を提起する
話し合いでの解決が困難な場合の最終手段として、裁判所に分割方法の決定を求める共有物分割請求訴訟を提起できます。判決には強制力があるため、膠着した共有関係を確実に解消できる点が大きな特徴です。
しかし、裁判所の判断によっては「競売」が命じられることがあります。一般的に市場価格の50%~80%程度(売却基準額は市場価格の約70%、買受可能価額は約56%)で売却されるため、通常の市場取引よりも大幅に安い金額で手放さざるを得なくなるリスクを含んでいます。
共有物分割請求訴訟で検討される主な分割方法は、以下の通りです。
| 分割方法 | 内容 |
|---|---|
| 現物分割 | 土地などを物理的に分筆して分ける(原則的な方法) |
| 代償分割 | 特定の共有者が取得し、他の者へ代償金を支払う |
| 競売(換価分割) | 物件を競売にかけて現金化し、その代金を分ける |
原則として現物分割や代償分割が検討されますが、資産状況や物件の性質により困難な場合に競売が選択されます。予期せぬ安値での売却を避けるためにも、訴訟はあくまで最終的な選択肢として位置づけ、慎重な判断が求められます。
民事調停を申し立てる
直ちに訴訟へ踏み切るのではなく、裁判所の調停委員会を介して合意を目指す民事調停も有効な手段です。 公平な第三者が間に入ることで、感情的な対立を緩和し、建設的な議論が期待できます。
裁判官が一方的に判決を下す訴訟とは異なり、話し合いベースで進むため、柔軟な解決策を模索できるのが特徴です。 民事調停を利用する主なメリットとして、以下の点が挙げられます。
| 民事調停のメリット | 詳細 |
|---|---|
| 費用が安い | 訴訟に比べて申立手数料が低額に設定されている |
| 非公開 | 手続きが非公開で行われるため、プライバシーが守られる |
| 債務名義になる | 調停で合意した内容は判決と同じ効力を持ち、強制執行が可能になる |
相手方が欠席すると不成立になるという側面はありますが、訴訟に比べて費用や時間を抑えられるため、まずは調停から検討するのも一つの方法です。
共有持分を売却する方法


共有不動産の持分を現金化する手段は、大きく分けて3つ存在します。自身の状況や他の共有者との関係性に応じて、最適な方法を選択することが重要です。 ここでは、代表的な売却スキームである「買取業者への売却」「他の共有者への売却」「全体売却」について解説します。
買取会社に自分の持分のみを売却する
権利関係が複雑な共有持分であっても、専門の買取業者であれば、単独でスピーディーに売却することが可能です。 他の共有者の同意が不要であるため、人間関係のトラブルを避けたい場合や、早急に現金化したい場合に有効な選択肢となります。
ただし、一般市場価格と比較して売却価格が低くなる傾向にあり、相場の半値以下になるケースも珍しくありません。 また、売却後に業者が他の共有者に対して強引な交渉を行うリスクも考慮し、信頼できる業者選定が求められます。
具体的な売却の流れは以下のとおりです。
- 複数の不動産会社に買取価格の査定を依頼
- 査定額や条件を比較し、売買契約を締結
- 決済および所有権移転登記の実行
このように手続き自体はシンプルですが、安易な売却は将来的なトラブルの火種になる可能性がある点には留意が必要です。
関連記事:共有持分買取業者への売却トラブル回避法!持分現金化は弁護士に相談すべき理由
他の共有者に売却する
最も平和的かつ理想的な解決策は、他の共有者に自身の持分を買い取ってもらう方法です。 権利が第三者に渡ることを防げるため、不動産を親族間で守りたい、部外者を介入させたくないといったニーズに適しています。
法的には当事者間の合意のみで成立しますが、価格面での折り合いがつかず、交渉が難航するケースも少なくありません。 無用な争いを避けるためにも、提示額の根拠となる査定書を用意するなど、慎重に協議を進めるべきです。
共有者間での売買は、一般的に以下の手順で進められます。
- 対象の共有者に持分購入の打診を行う
- 価格や条件面での合意形成
- 売買契約の締結
- 決済および所有権移転登記
円滑な取引のためには、口約束ではなくきちんとした契約書を作成し、後日の言った言わないのトラブルを防ぐ対策を講じましょう。
関連記事:共有持分を譲渡する方法とは?手続きや税金・注意点をプロが解説
共有者全員が同意して不動産全体を売却する
共有者全員の足並みが揃うのであれば、不動産全体を第三者へ売却する方法が経済的メリットを最大化できます。 通常の不動産取引と同様に扱われるため、持分単独での売却に比べ、市場価格通りでの高値売却が期待できるでしょう。
しかし、全員の協力が不可欠であるため、一人でも反対すれば実現できないというハードルがあります。 売却代金は持分割合に応じて分配されるため、公平性が保たれやすい処分方法といえます。
全体売却を進める際は、以下のステップを踏むことになります。
- 共有者全員が売却の方針に同意する
- 仲介会社に査定を依頼し、媒介契約を結ぶ
- 売却活動を開始し、買主を見つける
- 全員が署名捺印して売買契約を締結
- 代金決済・引き渡しおよび分配
窓口となる代表者を決めておくことで、仲介会社とのやり取りや共有者間の連絡調整がスムーズに進みます。
共有不動産を売却する際に、他の共有者の同意が得られない場合の対処法は、こちらの記事も参考にしてください。
参考記事:共有不動産はどうしたら売却できるの?同意が必要なケースと持分の処分方法を解説
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共有不動産の持分売却でトラブルを避ける方法
共有持分の売却は、他の共有者との権利関係を変動させる行為であるため、感情的な対立や法的トラブルに発展するリスクがあります。
円滑な取引を行い、将来的な紛争を未然に防ぐためには、法的に適切な手順を踏むことが重要です。ここでは、トラブル回避に有効な3つの手段について解説します。
共有物分割によって共有状態を解消する
共有物分割は、共有不動産の複雑な権利関係を抜本的に整理するための有効な手段です。
共有者全員での協議が整わない場合でも、法的手続き(共有物分割請求)を通じて解決を図ることが可能です。共有状態を解消する具体的な方法として、主に以下の2種類が挙げられます。
| 分割方法 | 概要 |
|---|---|
| 代償分割 | 特定の共有者が不動産を取得し、他の共有者に持分相当額の金銭(代償金)を支払う方法。 |
| 換価分割 | 共有不動産全体を第三者へ売却し、その売却代金を各共有者の持分割合に応じて分配する方法。 |
代償分割は、不動産を手元に残したい共有者に資金力がある場合に有効です。一方、換価分割は、共有者間で買取条件の折り合いがつかない場合や、現金化して公平に分配したい場合に適した選択肢といえます。
共有不動産が土地のみなら分筆して単独名義にできる
対象不動産が更地などの「土地」である場合、分筆登記によって物理的に土地を切り分け、各共有者がそれぞれの区画を単独所有する方法も検討できます。
共有関係から離脱することで、他の共有者の同意を得ずに売却や建築が可能となり、不動産活用の自由度が飛躍的に高まる点がメリットです。ただし、分筆には以下のような注意点も存在します。
- 土地の形状や接道状況により、資産価値に格差が生まれる可能性がある
- 建築基準法の要件を満たせず、再建築不可の土地になるリスクがある
単純に面積だけで割るのではなく、路線価や実勢価格を考慮した公平な分割案を作成する必要があります。
共有不動産の持分を売却する前に弁護士に相談する
共有持分の売却は、通常の不動産取引以上に権利関係が複雑化しやすいため、検討段階で弁護士へ相談することが望ましいといえます。
弁護士が介入することで、法的な観点から他の共有者との交渉や契約内容の精査が可能となり、不当な条件での売却や事後トラブルのリスクを低減できるでしょう。弁護士に依頼することで、主に以下のようなサポートが受けられます。
| サポート内容 | 詳細 |
|---|---|
| 共有解消の提案 | 依頼者の状況に合わせ、最も経済的利益の大きい解消方法(分筆、全体売却など)を提示します。 |
| 代理人交渉 | 感情的になりやすい他の共有者との交渉を代理し、冷静な話し合いを進めます。 |
| 契約不適合責任の対策 | 売却後のトラブルを防ぐため、契約書の内容を法的観点からチェックします。 |
弁護士は共有持分に関する法律や判例を熟知しており、個々の事案に応じた最適な解決策を提示してくれます。
当事者同士での話し合いが難航しそうな場合は、早めに専門家のアドバイスを受けることで、スムーズな解決が期待できます。
共有不動産の持分を売却する際にかかる費用


共有持分の売却価格がそのまま手元に残るわけではありません。仲介手数料や税金などの諸費用が差し引かれるため、これらを事前に把握し、最終的な手取り額(売却益)を試算しておくことが重要です。
売却時に考慮すべき主な費用項目は、以下の3点です。
仲介手数料
不動産会社の仲介により売買契約が成立した際に支払う成功報酬です。
宅地建物取引業法により上限額が定められており、一般的な取引では「売買価格×3%+6万円(+消費税)」の速算式を用いて算出します。売却価格に応じた仲介手数料の上限額は以下のとおりです。
| 取引額(売却価格) | 仲介手数料の上限(税抜) |
|---|---|
| 200万円以下 | 取引額の5% |
| 200万円超~400万円以下 | 取引額の4%+2万円 |
| 400万円超 | 取引額の3%+6万円 |
※令和6年7月の法改正により、800万円以下の低廉な空き家等については、個別の合意に基づき最大30万円(+消費税)まで受領可能となりました。(参考:国土交通省|空き家等に係る媒介報酬規制の見直し)
依頼する不動産会社によって手数料規定が異なる場合があるため、媒介契約を結ぶ前に見積もりを確認するとよいでしょう。
印紙税
売買契約書を作成する際、契約金額に応じた収入印紙を貼付して消印することで納税します。契約書は売主と買主がそれぞれ1通ずつ保管するのが通例であるため、自身の保管分について費用を負担しなければなりません。
令和9年3月31日までに作成される不動産譲渡契約書には、以下の軽減税率が適用されます。(出典:国税庁|不動産売買契約書の印紙税の軽減措置)
| 契約金額 | 印紙税額(軽減税率) |
|---|---|
| 100万円超 500万円以下 | 1,000円 |
| 500万円超 1,000万円以下 | 5,000円 |
| 1,000万円超 5,000万円以下 | 1万円 |
印紙を貼り忘れたり消印を怠ったりした場合、本来納めるべき印紙税額の3倍に相当する「過怠税」が徴収されるため注意が必要です。
譲渡所得税
売却によって利益(譲渡所得)が出た場合にのみ課税される税金で、所得税と住民税で構成されています。売却価格から取得費(購入代金など)と譲渡費用(仲介手数料など)を差し引いた金額が課税対象となります。
税率は、不動産の所有期間が5年を超えているかどうか(売却した年の1月1日時点)で大きく異なります。(参考:国税庁 No.3208 長期譲渡所得税・No.3211 短期譲渡所得税)
| 区分 | 所有期間 | 税率(所得税+住民税) |
|---|---|---|
| 短期譲渡所得 | 5年以下 | 39.63% |
| 長期譲渡所得 | 5年超 | 20.315% |
所有期間が短い場合、利益の約4割が税金として徴収されることになるため、売却タイミングは慎重に判断すべきです。
共有持分の売却トラブルに関するよくある質問
共有持分を他の共有者の同意なしで売ることはできますか?
ご自身の共有持分だけであれば、他の共有者の同意なしで自由に売却することができます。
民法第206条において、所有者は法令の制限内で所有物を自由に処分する権利が認められており、この原則が共有持分にも適用されるからです。
ただし、売却後に買主(第三者)と他の共有者との間でトラブルが発生する可能性は高くなります。 法律上は可能であっても、親族関係への影響などを考慮し、慎重に判断する必要があります。
共有持分の一部だけを売却することはできますか?
ご自身が保有している持分の全部ではなく、一部だけを売却することもできます。
例えば、持分2分の1のうち、半分の4分の1だけを第三者に売却するといったケースです。
資金調達が必要だが、共有関係から完全に離脱したくない場合などに利用されることがあります。 しかし、権利関係がさらに細分化され複雑になるため、根本的な解決にはならないことが多いです。
共有持分を買取業者に売るメリットはありますか?
最大のメリットは、他の共有者と顔を合わせることなく、迅速に現金化できる点です。
買取業者は共有持分の扱いに慣れているため、複雑な権利関係のリスクも含めて買い取ってくれます。
| 買取業者に売却するメリット | 詳細 |
|---|---|
| 現金化までのスピードが早い | 最短数日で現金化が可能。 |
| 売却にかかる手続きを代行してもらえる | 他の共有者への通知や交渉を業者が引き受ける(または売却後に業者が行う)。 |
| 契約責任が免除される可能性がある | 契約不適合責任を免除されるケースが多い。ただし、売主が故意に欠陥を隠した場合は免除が無効になることがある。 |
一方で、市場価格よりも大幅に安い価格での売却になる点はデメリットと言えます。
まとめ|共有不動産の持分売却は事前に弁護士に相談してトラブルを回避しよう


共有持分は、法律上は個人の判断だけで自由に売却できますが、その利便性の裏には、残された共有者を予期せぬトラブルに巻き込んでしまうリスクが潜んでいます。
安易に買取業者へ売却した結果、他の共有者が厳しい営業攻勢を受けたり、共有物分割請求訴訟を起こされたりして、長年の信頼関係が修復不可能なほど悪化してしまうケースも少なくありません。
共有不動産の問題は「売って終わり」と考えるのではなく、弁護士などの専門家を交えて、関係者全員が納得できる解決策を模索することが大切です。
将来の紛争を未然に防ぎ、スムーズに現金化を進めるためにも、共有持分の売却を検討し始めた段階で、まずは一度弁護士にご相談ください。あなたの状況に合わせた最適な解決策を提案いたします。
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