不倫で親権はどうなる?有利になるケースやNG行動を弁護士が解説

「配偶者の不倫が発覚した。絶対に許せないから親権は渡したくない」
「相手の不倫の事実をもとに、親権争いを有利に進めることはできる?」
不倫(不貞行為)と離婚の問題に直面した際、親権について不安になる方もいるのではないでしょうか。
「不倫をした側(有責配偶者)は親権争いで不利になる」と思われがちですが、法的な判断基準はそれほど単純ではありません。
本記事では、不倫が親権に与える影響や、有利に進めるための具体的な戦略を弁護士視点で解説します。
不倫=親権喪失ではない:裁判所は夫婦の道徳的問題と親子の関係を分けて考える。「今まで誰が中心に育ててきたか」という監護実績が最優先される。
親権争いで有利になる例外ケース:不倫相手との密会によるネグレクトや、子供の前での不貞行為など、子供の福祉を害する事実がある場合は考慮される。
感情的な行動は命取り:相手を責めて家から追い出したり、子供を勝手に連れて実家に帰ったりする行為は違法な連れ去りとみなされ、親権を失う原因になる。
証拠の質が勝敗を分ける:母子手帳や育児日記などの監護の証拠が必須。別居のタイミングや交渉術も戦略的に行う必要がある。
早期相談が運命を決める:親権争いは別居開始時の状況でほぼ決まることが多い。感情で動く前に弁護士へ相談し、法的に正しい初動を取ることが推奨される。
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「不倫された側」が必ずしも親権を取れるわけではない
「不倫(不貞行為)をした有責配偶者には親権がない」というのは誤解です。裁判実務において、夫婦間の倫理的な問題(不貞)があるからといって、直ちに親としての適格性がないとは判断されません。
まずは、裁判所がどのような基準で親権者を決定しているのか、その根本的な考え方を理解しましょう。
弁護士 佐々木一夫監修者コメント
裁判所において、不倫の事実は残念ながら親権判断の決定打にはなりません。感情的にならず、「いかに自分が子供の世話をしてきたか」を客観的に証明することこそが、親権獲得への唯一の道です。
裁判所が「不倫」と「親権」を分けて判断する理由
裁判所が親権者を決定する際の最大の基準は、民法第766条第1項・同法第819条第6項が定める子の利益です。具体的には、どちらの親と暮らすことが子供の心身の健全な成長にとって最も望ましいかを、監護実績・監護能力・子の意思などを総合的に考慮して判断します。
たとえ不貞行為があっても、子供に対して良き親であり、これまで中心となって養育してきた実績があれば、親権者として適格と判断されます。
以下の表は、裁判所が親権者を指定する際に考慮する主要な要素をまとめたものです。
| 判断要素 | 具体的なチェックポイント |
|---|---|
| 監護の継続性 | これまで主に育児を担ってきたのは誰か |
| 主たる監護者の優先 | 特に乳幼児の場合、日常的にきめ細やかな世話を行ってきた親(主たる監護者)が優先される |
| 子の意思 | 子供の年齢が概ね15歳以上の場合、その意思を尊重 |
| 監護能力 | 経済力、健康状態、居住環境、サポート体制の有無 |
これらの要素を総合的に比較し、子供の生活環境が最も安定する選択肢が採用されます。
不倫の事実自体は判断要素の一つに過ぎず、決定打にはなりません。
「相手が悪いから親権は取れないはずだ」という感情論だけで戦うと、最も重要な「監護の継続性」の主張がおろそかになり、結果として不利な状況に陥るリスクがあります。
関連記事:親権と監護権どっちが強いの?子どもの親権は誰が取る―「親権」と「監護権」の基礎知識
親権獲得率に関する統計データ
裁判所の「令和6年度司法統計年報(家事編)」によると、調停・審判を経て母親が親権を獲得する割合は約9割に上ります。
| 項目 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 母親が親権者 | 15,780件 | 約92.0% |
| 父親が親権者 | 1,373件 | 約8.0% |
| 合計 | 17,153件 | 100% |
しかし、これは裁判所が女性を優遇しているわけではなく、日本の家庭環境において、依然として母親が主たる監護者(メインで育児をする人)であるケースが多いためです。
実際に、父親が親権を獲得する事例も増加しており、以下の条件が整っていれば十分に勝機はあります。
- 日常的に食事や入浴などの世話を行っている
- 別居後も子供と同居し、安定した生活を送っている
- 祖父母などの強力な育児サポートがある
「父親だから無理だ」「母親だから安心だ」という先入観は捨て、実態としての養育実績を証明することが重要です。



親権争いは性別や不貞の有無ではなく、監護実績・監護能力・子の意思などを総合的に考慮して決定されます。
関連記事:母親が親権を取れない・負ける場合とは?不利になる5つのパターンと対策を弁護士が解説
不倫が親権判断に不利にはたらく4つのケース
原則として、夫婦間の不貞行為と親権者の適格性は法的に区別して判断されます。 しかし、不倫に伴う行動が著しく子の福祉を害する場合、裁判所はその親を不適格とみなす可能性があります。
具体的にどのようなケースが親権判断において不利に働くのか、代表的な4つの事例を確認しましょう。
不倫に夢中で育児放棄(ネグレクト)があった
不倫相手との密会を優先し、本来行うべき育児を放棄する行為は、親権者としての適格性を否定する重大な要因です。
食事を与えずに外出する、病気の子供を放置するといった行動は、ネグレクト(育児放棄)と判断される可能性があります。
以下の表は、法的にマイナス評価される具体的な育児放棄の事例を整理したものです。
| ネグレクトの具体例 | 法的な評価 |
|---|---|
| 頻繁な深夜帰宅・外泊 | 常習的な育児放棄とみなされ、監護能力が欠如していると判断される |
| 休日に子供と遊ばない | 親子の情緒的交流を拒否しており、信頼関係の構築が困難とされる |
| 家事・育児の完全放棄 | 衛生環境や栄養状態を悪化させ、子の健全な育成を阻害する |
これらは単に「忙しい」では済まされない問題であり、日時や頻度を記録した日記などが決定的な証拠です。裁判では、不倫そのものよりも、子供の監護能力をどれほど有しているかが重要となります。
子供の前で不倫相手と会っていた・家に連れ込んだ
子供の心理的安定を脅かす態様での不貞行為は、親権争いにおけるマイナス評価の要素です。
特に、生活の場である自宅に不倫相手を招き入れたり、デートに子供を同伴させたりする行為は、親としての倫理観や配慮が欠如しているとみなされます。裁判所は、親の性的な側面を子供に見せることを間接的な虐待に近いものとして重く受け止めます。
このような無配慮な行動がもたらす悪影響について、主な懸念点は以下の通りです。
- 子供に過度な精神的ストレスを与え、混乱を招く
- 親への不信感を植え付け、親子関係の破綻を招く
- 子供が「自分の居場所がない」と感じ、情緒不安定になる
子供を不倫の巻き添えにする行為は、子の福祉に反する典型例です。たとえ直接的な暴力がなくても、精神的な平穏を害する親は監護者として不適格と判断される傾向にあります。
不倫相手と同棲するために家を出て行った
不倫相手との生活を始めるために子供を置いて家を出る行為は、自ら監護権を放棄したと評価される可能性があります。
監護環境の変化は、子に不安や混乱を招きできるだけ避けるべきとの視点から、監護の継続性が親権者の判断における考慮要素となります。
自分から子供を手放して別居を開始した場合、法的には以下のような理由で不利な判断がされる可能性があります。
- 残された配偶者に新たな監護実績が積み上がる
- 環境の変化を避けるため、現在の同居親が優先される
一度家を出てしまうと、後から「やはり子供を引き取りたい」と主張しても、監護の継続性の観点で不利に評価される可能性があります。自らの意思で育児の現場を離れることは、監護権を事実上放棄する行為であると認識しなければなりません。
不倫により家計を使い込み、子供の生活を脅かした
不倫相手への高額なプレゼントや旅行、ホテル代などに生活費を浪費し、家計を圧迫するケースも問題視されます。
子供の教育費や将来のための貯蓄を減少させる行為は、経済的な側面から子の福祉を害するものです。裁判所においては、浪費癖や金銭的な無責任さが将来の養育環境への不安要素として評価されます。
不貞による浪費を立証するためには、以下のような客観的資料が重要です。
| 証拠となる資料 | 証明できる内容 |
|---|---|
| クレジットカード明細 | 不貞関連の支出日時、金額、頻度の特定 |
| 預金通帳の履歴 | 使途不明な多額の出金や貯蓄の減少 |
| 借金の督促状 | 生活基盤が崩壊している客観的な事実 |
金銭的なルーズさは、子供の安定した生活を維持する能力が欠けているという評価につながります。



これらの証拠は、親権だけでなく、離婚時の財産分与や慰謝料請求においても重要な判断材料です。
不倫された側がやりがちなNG行動
不倫の発覚時は、怒りや動揺から突発的な行動を取ってしまいがちです。 しかし、感情任せの対応は法的に違法行為とみなされ、本来得られるはずの親権を失う致命的な原因となりかねません。
取り返しのつかない事態を避けるため、NG行動を確認しましょう。
NG1:感情的になり、子供を置いて実家に帰る
「相手の顔も見たくない」と、自分一人で実家に帰ってしまう行為は、親権獲得において最大のリスクです。子供を置いて別居を開始した時点で監護の継続性が途絶えたとみなされ、相手側に有利な養育実績を作らせることになります。
同居が困難で別居に踏み切る際は、以下の手順を徹底してください。
- 子供の世話を継続できる環境を整える
- 可能な限り子供と一緒に移動する
- 移動後すぐに弁護士を通じて監護者指定の手続きを行う
一時的な感情で家を飛び出すことは、自ら監護権を放棄するに等しい行為です。どうしても同居を続けられない場合でも、子供との生活拠点をどう確保するかを最優先に計画しましょう。
NG2:相手を家から無理やり追い出す
不倫の事実を知った直後は感情のコントロールが難しく、衝動的に配偶者を自宅から締め出したくなるかもしれません。
しかし、法的手続きを経ずに相手を追い出す行為は、以下に該当する可能性があるため厳禁です。
- 居住権の侵害(民法709条)
- 同居義務違反(民法752条)
- 悪意の遺棄(民法770条1項2号)
裁判所からは「子供の生活環境を独断で激変させた」と評価され、親権者としての適格性を判断する際の不利な要素として考慮される可能性があります。
実際にどのような行為が問題視され、裁判所でどう評価されるリスクがあるのかを以下に整理しました。
| NG行動の具体例 | 親権判断への悪影響 |
|---|---|
| 玄関の鍵を無断で交換して締め出す | 相手の居住権を侵害し、独善的で子の養育に不適とみなされる |
| 相手の荷物を勝手に屋外へ搬出する | 不法行為として損害賠償請求の対象となるほか、子供への配慮不足を指摘される |
配偶者を物理的に排除しようとする強硬な姿勢は、子供から一方の親を奪う行為とも捉えられます。
相手と同居を続けることが精神的に困難な場合は、無理に追い出すのではなく、弁護士を介して法的に適切な手順で別居の準備を進めることが重要です。
NG3:子供に「パパ(ママ)は浮気した最低な人」と吹き込む
子供を自分の味方につけようとして、相手の悪口や不貞の詳細を吹き込む行為は、子供の健全な心理発達を阻害する深刻な問題行動です。このような行為は、一般に「片親疎外(へんおやそがい)」と呼ばれ、裁判所が親権者の適格性を判断する際に重視する項目となります。
親権者としてふさわしいと判断されるのは、以下のような姿勢の親です。
- 自分の感情と子供の権利を分けて考えられる
- 相手と子供の面会交流に協力的である
- 子供の前では相手を尊重する態度を見せる
相手を攻撃するために子供を利用する親は、監護者としての適格性に欠けるとみなされます。



子供にとって相手は唯一の親であることを忘れず、大人の事情に巻き込まない配慮が必要です。
不倫した相手から親権を勝ち取るための具体的戦略
親権争いは感情論ではなく、証拠と法理論に基づいた戦略的な争いです。
調停委員や裁判官を説得するためには、不貞の事実そのものよりも、「私が育てることが子供の幸福につながる」という客観的な根拠を示す必要があります。
親権を確実に手にするために、今すぐ準備すべき3つの戦略を法的な視点から解説します。
証拠収集|不貞の証拠だけでなく育児の証拠を集める
慰謝料請求では不貞の証拠が重視されますが、親権争いで勝利するために必要なのは、あなたの監護実績を示す客観的な証拠です。
裁判所は「これまで誰が中心となって子供を育ててきたか」という事実を最優先で判断します。日々の育児がいかにあなたによって支えられていたかを可視化する資料の収集が不可欠です。
調停や裁判での強力な裏付けとなるよう、以下の資料を漏れなく準備してください。
| 集めるべき資料 | 証明できる内容 |
|---|---|
| 母子手帳 | 検診や予防接種への付き添い実績 |
| 育児日記・連絡帳 | 日々の詳細な育児状況、園との連携 |
| 日常の写真・動画 | 親子の親密さ、養育環境の質 |
これらの記録は、陳述書の信用性を高めるための基礎資料となります。さらに、1日のタイムスケジュールを表にして提出し、朝の支度から寝かしつけまでを自分が担っている実態を視覚的に訴えることも有効です。
別居のタイミング|必ず子供と一緒に移動する
同居継続が困難で別居を決断する場合、その初動と手順が重要です。
日本の実務では継続性の原則が重視され、別居開始時に子供と同居している親がそのまま監護者として指定される可能性が高いためです。子供を置いて家を出ることは、法的に監護権を放棄したと評価される可能性が高いと認識しましょう。
別居を実行に移す際は、以下の順序に従って慎重に進める必要があります。
- まず、転居先と生活基盤を確保する
- 次に、子供の転校・転園の手続きを確認する
- 最後に、常識的な範囲内で子供と一緒に家を出る
ただし、相手の合意なく子供を連れ出す行為は違法な連れ去りと評価されるリスクがあります。実行前に必ず弁護士へ相談し、緊急性や違法性の有無を確認した上で行動しましょう。
関連記事:家を追い出すと罪になる?「悪意の遺棄」と見なされないための別居方法
別居の進め方を誤ると「連れ去り」とみなされ、親権争いで不利になる恐れがあります。
お子様と安全に新生活を始めるために、行動を起こす前に弁護士法人アクロピースへご相談ください。
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交渉術|不貞の事実をどうカードとして使うか
不貞行為の事実は親権者の決定要件ではありませんが、交渉を有利に進めるための強力なカードとして機能します。有責配偶者の多くは、自身の不倫が職場や周囲に露見することや、高額な慰謝料を請求されることを恐れているためです。
以下のような条件を提示し、相手に親権を諦める合理的なメリットを感じさせる戦略が有効です。
- 「親権を譲るなら、慰謝料を減額する」という提案
- 「早期に離婚に応じる代わりに、親権を認めてほしい」という取引
- 「裁判で不貞を徹底的に争う」という姿勢を見せ、早期合意を促す
ただし、過度な強要は脅迫とみなされる危険性があるため、慎重な発言が求められます。



感情的な対立を避け、法的に安全な範囲でプレッシャーをかけるには、代理人である弁護士を通じた交渉が最適です。
不倫した相手との親権争い関するよくある質問
男親が親権を取れる確率はどのくらいですか?
統計上の獲得率は約1割ですが、これは母親優先のルールがあるからではなく、現状として母親が主たる監護者であるケースが多いためです。
裁判所は性別よりも監護の継続性を最重視します。そのため、父親が日常的に食事や入浴などの育児を担っていれば、親権獲得は十分に可能です。
「男親だから無理」と諦めず、詳細な育児実績を立証する準備を徹底しましょう。
妻が浮気をしたら子供の親権はどうなる?
妻の不貞行為のみで、直ちに妻が親権を失い、夫に親権が渡るわけではありません。裁判所は夫婦の倫理問題と親子の関係を区別し、これまで愛情深く育ててきた実績を重視するからです。
しかし、不倫相手との密会による育児放棄(ネグレクト)や、子供の前での不貞行為など、子供の福祉を害する事実がある場合は別です。
単なる不倫か、子供に実害を与えたかが親権喪失の分かれ目となります。
浮気した人が離婚したいと言ったら、親権は誰が取れますか?
離婚請求の是非と親権者の決定は別問題です。
有責配偶者からの離婚請求が認められ難いとしても、親権争いではどちらが主たる監護者かという実績のみで判断されます。
「不倫した側に渡さない」という感情論は通用しません。別居時に子供と同居し、これまで中心となって育児をしてきた親が、最終的に親権を獲得する可能性が高いです。不倫した側が親権を取るケースも珍しくありません。
まとめ|親権獲得は初動が9割。不倫発覚直後の相談が運命を分ける
不倫による離婚と親権争いは、初期段階での行動が最終的な結果を大きく左右します。
「相手が有責だから当然親権は取れる」と楽観視し、準備不足のまま別居や話し合いを始めてしまうと、取り返しのつかない不利益を被る可能性があります。
お子様との未来を守るためには、感情をコントロールし、法的に正しい手順を踏むことが何よりも重要です。



一人で抱え込まず、専門家の知見を借りることが、あなたとお子様の生活を守るための確実な一歩となります。
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