遺言執行者を弁護士に依頼する費用は?決め方や報酬は誰が払うのかも解説

遺言の内容をより確実に実行してもらいたい場合、「遺言執行者」を選任させる方法があります。

遺言執行者とは、亡くなった方が残した遺言の内容を、相続人や受遺者を代表して実行する者のことです。

そもそも遺言というのは、遺言執行者を選任させなければならないわけではなく、選任させるかどうかは任意となっています。

しかし、確実性を求めるのであれば遺言執行者の選任が有効なのは間違いありません。

今回は、この遺言執行者について詳しくご説明します。

目次

遺言執行者とは?その役割について

民法では遺言執行者には、相続財産の管理やその他、遺言の執行に必要な一切の行為をする権利と義務を有すると規定されています。

たとえば、相続人が一方的に処分した相続財産を無効にするといったことも可能です。そして、以下のような流れで遺言執行を行っていきます。

    1. 相続人や包括受遺者に就任の事実および遺言書の内容を通知する

遺言執行者が就職を承諾し、任務を開始したときは、遅滞なく相続人に遺言の内容を通知する必要があります(民法1007条1項及び同条2項)。

必要があれば、相続人が管理している相続財産の引き渡しも受けることになります。

    1. 相続財産の調査

遺言書どおりの相続財産がすぐに把握できれば良いですが、実際は遺言作成時とは状況が異なっている場合があります。

また、プラスの財産だけでなく、借金などといったマイナスの財産がないかも調査します。

場合によっては、相続財産を一覧できる財産目録の作成も行います。

    1. 相続人の調査

相続財産の調査と平行して、相続人の調査を行います。

戸籍謄本を取得するなどし、相続人が誰になるのかを確定させます。

    1. 遺言内容を実行する

一通りの調査が終了したら、次は遺言内容を実行し、遺言に記載されたとおりに相続人や受遺者に財産を引き渡します。

    1. 完了報告をする

遺言内容の実行が終了したら、最後に相続人に対して完了報告を行います。

これにて遺言執行者の役割はすべて終えたことになります。

遺言執行者を弁護士に依頼する場合の費用は?

弁護士に遺言執行者への就任を依頼する場合、30万円〜100万円程度の費用がかかります。

事務所によって報酬に差はありますが、旧弁護士会報酬基準規程で定められていたものをベースにしているところも多いため、相場は以下のようになります。

相続財産の価額 報酬額
300万円以下 30万円
300万円〜3000万円以下 2%+24万円
3000万円〜3億円以下 1%+54万円
3億円超 0.5%+204万円

遺言執行者への報酬は、原則として遺言書の記載内容によって決まるため、弁護士や司法書士などの専門家は、これに従います。

遺言書に報酬の記載がない場合は、相続人全員と遺言執行者で協議を行うか、家庭裁判所に報酬の申し立てを行うことになります。

遺言書に報酬の記載があっても、明らかに相場より低い場合などは、遺言執行者への就任を拒否することも可能です。

遺言執行者への報酬は誰が払うの?

遺言執行者への報酬は、執行が完了したタイミングに、相続人全員で負担して支払います。誰か一人が負担する、というわけではありません。

遺言書に支払方法が記載されている場合もありますが、そうでない場合は、執行前に確認を取っておく方が良いでしょう。

遺言執行者が相続人の場合は、遺産の内容で調整することも多くなっています。

遺言執行者の決め方について

遺言執行者は具体的に3つの方法で決められます。

1.遺言者による指定

もっとも一般的なのは、遺言者が自ら作成した遺言書内で遺言執行者を指定する方法です。

なお、遺言者による遺言執行者の選任は、指定された本人が拒否することも可能なので、そうなってしまわないように事前にお願いしておきましょう。

2.第三者による指定

稀な例ではありますが、遺言書内にて遺言執行者の指定がなかった場合でも、相続人以外の第三者に遺言執行者を指定することは可能です。

相続というのは、遺言を作成した時点と実際の相続開始時点とでは、財産状況だけでなく、身辺の状況が変わっていることもあります。

そこで、より適した人物が遺言執行者になるために、第三者が指定されるケースもあります。例えば、遺言書作成にかかわった弁護士は、遺言を作った事情を熟知しているので、適任といえるでしょう。

3.家庭裁判所による指定

上記いずれも当てはまらない場合や、1の例で遺言執行者が断られてしまった場合は、家庭裁判所にて遺言執行者を指定することも可能です。

この場合、「遺言執行者選任申立」を行います。なお、家庭裁判所による指定を望む場合は、事前に遺言執行者の候補者を決めておきましょう。

遺言執行者に適任なのは誰?

上記からもわかるように、遺言執行者が遺言内容を実行するのは決して容易ではありません。

また、遺言内容をより確実に実行するために選任されていることからも慎重に行うべきです。

こうした点からすると、一般の方にとって遺言執行者になるのは大きな負担です。

「この人なら遺言執行者を任せたい」と思う相手がいるのはとても良いことですが、引き受ける人の負担は考慮すべきです。

弁護士をはじめとする専門家に遺言執行者を依頼することも賢い選択といえるでしょう。

遺言執行者を弁護士に依頼するメリット

遺言執行者を弁護士に依頼した場合、遺言内容に忠実かつ公平に、遺言を実行してくれるメリットがあります。

遺言執行は専門知識が必要となる手続きですし、相続人や受遺者との連携も求められることになります。

専門知識が豊富で、日ごろから相手方との交渉や協議を行っている弁護士からすれば、いずれも得意分野に該当します。

また、慣れない方に遺言執行者をお願いするよりも、弁護士に依頼してしまったほうが安心もできるのではないでしょうか。

もちろん当事務所でも遺言執行の業務を取り扱っております。お悩みの方はお気軽にご相談ください。

この記事がみなさまの参考になれば幸いです
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