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遺留分侵害額請求とは|権利、弁護士費用、時効、調停など

「父の遺言書を見たら、すべての財産を長男に譲ると書かれていた」
「遺産分割において、自分の取り分が全くないと言われた」
このように、著しく不公平な遺言や遺産分割に直面し、納得できない思いを抱えていませんか?
実は、兄弟姉妹以外の法定相続人には、最低限の遺産を受け取る権利である遺留分が法律で保障されています。この権利を行使し、侵害された分を金銭として取り戻す手続きが遺留分侵害額請求です。
本記事では、制度の仕組みや計算方法、そして実際に請求を行う際の手順や注意点について、弁護士がわかりやすく解説します。
遺留分侵害額請求は金銭解決が原則:以前の減殺請求とは異なり、2019年の法改正以降は、侵害された遺留分に相当する金銭を請求する権利へと一本化されている。
遺留分侵害額請求権の消滅時効は1年:相続の開始および遺留分を侵害する贈与や遺贈があったことを知った時から1年が経過すると、時効により権利が消滅するため、早期のアクションが不可欠。
正確な請求額算出には財産評価が必須:適正な遺留分額を計算するには、不動産の評価額や過去の生前贈与(特別受益)などを正確に把握する必要があり、安易な自己判断は損失につながる。
確実な請求手続きの第一歩は内容証明:言った言わないのトラブルを防ぎ、時効の完成を猶予させるために、最初の意思表示は必ず配達証明付き内容証明郵便で行うべきである。
弁護士による交渉・調停のメリット:感情的になりやすい親族間の対立も、弁護士が代理人となることで法的な根拠に基づいた冷静な交渉が可能になり、適正な金額での早期解決が見込める。
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遺留分侵害額請求とは何か(概要・基本)


遺留分侵害額請求とは「侵害された遺留分を金銭で取り戻す手続き」
遺留分侵害額請求とは、本来もらえる遺留分が遺言や贈与などによって侵害されたとき、その不足分を金銭で請求できる制度です。
遺留分とは、特定の相続人に対して法律上保障されている、最低限の遺産の取り分のことです(民法第1042条)。被相続人(亡くなった方)は遺言によって自らの財産を誰にどのように渡すか自由に決められますが(遺言自由の原則)、民法は遺族の生活保障や、相続人間の公平を図るという観点から、被相続人の意思を一部制限し、相続人に最低限の取り分を保障する制度を設けました。これが「遺留分」制度の本質です。



監修者コメント
遺留分侵害額請求は、権利を行使しなければ1円も受け取れない可能性があります。
相手方が親族である場合、請求を躊躇する方もいらっしゃいますが、これは法律で認められた正当な権利です。
法改正により金銭解決が原則となったため、以前よりも柔軟かつ現実的な解決が図りやすくなっています。
関連記事:相続で遺留分をもらえないのはなぜ?よくあるケースと請求できる対策も紹介
遺留分侵害額を請求できる人・できない人
遺留分侵害額を請求できるのは、被相続人の配偶者、子(代襲相続人である孫を含む)、および直系尊属(父母など)に限られます。
| 請求の可否 | 対象となる相続人 |
|---|---|
| 請求できる人 | 配偶者、子(孫などの代襲相続人)、直系尊属(父母・祖父母) |
| 請求できない人 | 兄弟姉妹、相続放棄をした人、相続廃除・欠格となった人 |
被相続人の兄弟姉妹が法定相続人になるケースであっても、兄弟姉妹には遺留分が認められていません。また、相続放棄をした方や、相続廃除・相続欠格によって相続権を失った方も同様に請求権を持ちません(民法891条・892条)。



なお、被相続人の兄弟姉妹は遺留分権利者に含まれないため、遺言で財産が遺されなかったとしても請求権は発生しません。
関連記事:遺留分は相続人が子供のみの場合どうなる?子供2人のみの場合の割合や計算例・侵害額請求の手順を弁護士が解説
遺留分侵害額請求の対象になる財産
遺留分侵害額請求の対象となるのは、手元に残された相続財産だけではありません。被相続人が生前に行った贈与や、遺言による第三者への遺贈なども計算の基礎に含まれます。具体的には以下のような財産が対象となり得ます。
- 特定の相続人へ集中的に行われた生前贈与
- 法定相続人以外(内縁の配偶者や第三者など)への高額な遺贈
- 被相続人の死亡を条件として効力が生じる死因贈与
遺留分減殺請求との違い(2019年民法改正)
遺留分減殺請求は、2019年の民法改正前に運用されていた旧制度の呼称です。旧制度においては、侵害された財産を不動産などの現物でそのまま返還させる仕組みが基本とされていました。しかし、この方式では不動産が不本意な共有状態となり、親族間で新たな紛争を招く要因となっていました。改正後の遺留分侵害額請求では、返還方法が金銭による支払いに統一されました。現物返還に伴う複雑な手続きや権利関係の争いが回避され、より迅速な解決を図りやすくなっています。
遺留分侵害額請求が必要になる典型的なケース


遺留分侵害額請求は、不平等な遺産分割が行われた際に正当な権利を回復するための法的な手続きです。実際にこの請求が必要になる典型的なケースとして、以下の3つが挙げられます。
遺言で特定の相続人に偏った相続がされている
一部の相続人に財産を集中させる旨の遺言が残されていた場合、他の相続人の遺留分が侵害されている可能性が高いといえます。たとえば、「すべての遺産を長男に相続させる」「現在の妻に全財産を譲る」「家業を継ぐ次男にのみ自社株や不動産を承継させる」といった内容の遺言書が典型例です。亡くなった方の意思である遺言が存在していても、遺留分の権利まで奪われるわけではありません。
生前贈与・死因贈与で不公平が生じている
被相続人が生前に特定の相続人へ高額な贈与を行っていた場合、その分だけ他の相続人の取り分が減ることがあります。特定の条件を満たせば、遺留分侵害額請求の対象となります。
- 相続開始前1年間に行われた生前贈与(民法1044条)
- 遺留分権利者を害すると知って行われた相続開始1年以上前の生前贈与
- 法定相続人に対して行われた相続開始前10年以内の生前贈与
死因贈与(死亡を条件とした贈与)も、実質的には遺贈と同じ扱いになり、遺留分を侵害する要因になり得ます。
法定相続人以外への多額の遺贈が発生している
被相続人が家族以外の第三者へ多額の財産を譲る(遺贈する)ケースも少なくありません。遺留分のトラブルへと発展しやすい遺贈先としては、内縁の配偶者、生前に世話になった知人や友人、特定の慈善団体や宗教法人などが挙げられます。このような遺贈は主に遺言書を通じて実行されるため、相続開始後は遺言書の有無を迅速に調査し、内容を把握することが重要です。
遺留分侵害額の計算方法


遺留分侵害額請求では、金銭での精算が基本です。自分が請求できる額を明確に把握し、無理・無駄のない手続きを目指しましょう。遺留分侵害額の計算は以下の3ステップで行います。
STEP1 遺留分算定の基礎財産を計算する
被相続人が残したプラスの財産だけでなく、過去の生前贈与なども加算の対象に含まれます。それらの合計額から借入金などの債務を差し引いた金額が基礎財産です。
| 加算・減算の対象 | 該当する主な財産・条件 |
|---|---|
| プラスの相続財産 | 相続開始時点での預貯金、不動産、有価証券など |
| 生前贈与等の加算 | 原則として相続開始前1年以内の贈与、および10年以内の特別受益 |
| 債務の減算 | 被相続人が残した借入金などのマイナスの財産 |
STEP2 遺留分を算出する
基礎財産が確定した段階で、ご自身の遺留分額を計算します。先ほど算出した基礎財産に対して法定相続分と遺留分割合を掛け合わせます。
例として、遺留分の基礎財産が3,000万円で相続人が配偶者と子2人の場合:
- 配偶者の遺留分:3,000万円 × 1/2(法定相続分)× 1/2(遺留分割合)= 750万円
- 子それぞれの遺留分:3,000万円 × 1/4(法定相続分)× 1/2(遺留分割合)= 375万円
| 相続人の組み合わせ | 総体的遺留分 | 配偶者 | 子 | 直系尊属 |
|---|---|---|---|---|
| 配偶者のみ | 1/2 | 1/2 | — | — |
| 配偶者と子 | 1/2 | 1/4 | 1/4 | — |
| 配偶者と直系尊属 | 1/2 | 2/6 | — | 1/6 |
| 子のみ | 1/2 | — | 1/2 | — |
| 直系尊属のみ | 1/3 | — | — | 1/3 |
STEP3 侵害されている遺留分を計算する
STEP2で求めたご自身の遺留分から、今回の相続等を通じて実際に取得した財産分を差し引くことで算出できます。たとえば遺留分が750万円で、実際に相続で取得した財産が150万円の場合、遺留分侵害額は600万円となります。遺留分の計算は、特別受益の判断や不動産の評価額などで相手方と見解が対立するケースも少なくないため、早急に相続問題に注力している弁護士へ相談することをおすすめします。
遺留分侵害額請求の時効・期限
遺留分侵害額請求には、請求可能な期限が民法第1048条で明確に定められています。どれだけ請求の内容が正当でも、時効を過ぎていれば権利を行使できなくなります。
時効①:相続と侵害を知った日から1年(消滅時効)
遺留分侵害額請求権は「相続の開始」および「遺留分を侵害する贈与や遺贈があったこと」の双方を知った日から1年間で消滅します。具体的な起算点となるのは以下のようなタイミングです。
- 遺言書を開封し、ご自身の取り分が侵害されている内容を確認した日
- 不公平な生前贈与や死因贈与の事実を明確に把握した日
時効の完成を防ぐには、この1年以内に相手方へ明確な請求の意思表示を行わなければなりません。侵害の事実を疑った際は、速やかな事実確認と証拠収集が求められます。
時効②:相続開始から10年(除斥期間)
消滅時効だけでなく、相続開始から10年で権利が消滅する除斥期間にも注意が必要です。ご自身が遺留分の侵害を知らなかった場合でも、被相続人の死亡日から10年が経過した時点で権利が失われます。
| 期限の種類 | 起算点 | 期間 |
|---|---|---|
| 消滅時効 | 相続の開始および侵害の事実を知った時 | 1年 |
| 除斥期間 | 相続開始の時(原則として被相続人の死亡時) | 10年 |
除斥期間には、内容証明郵便の送付等による時効の更新(中断)が原則として認められません。長期間が経過している事案では、まずこの10年の制限を過ぎていないか慎重に判断する必要があります。
時効を止める方法(内容証明郵便による6か月猶予)
配達証明付きの内容証明郵便を送付し、請求の意思を明確に通知することで、時効の完成を6か月間猶予することができます(民法第150条)。ただしこれはあくまでも一時的な猶予です。猶予された6か月以内に調停申立てや訴訟提起などの法的手続きを行わなければ、結局時効が完成して権利が消滅してしまいます。口頭での請求や単なる話し合いでは証拠が残らず効力が否定されるおそれがあります。期限が目前に迫っている場合は速やかに通知書を発送し、調停等の準備を進めましょう。
手続きの流れ(請求〜調停〜訴訟〜強制執行)


遺留分侵害額請求の手続きは、いきなり裁判を起こすわけではありません。まずは当事者間での話し合いから開始し、合意に至らない場合に段階的な法的手続きへと移行していくのが一般的な流れです。
STEP1:当事者間での話し合い(任意交渉)
最初のステップは、侵害している相手方との直接交渉です。遺留分が侵害されている事実とご自身の正当な権利について丁寧に説明し、任意の支払いを求めます。この段階で双方が納得して合意に至れば、後続の調停や訴訟に進む必要がなくなり、手続きにかかる時間や経済的コスト、精神的負担を最小限に抑えられます。
交渉をスムーズに進めるために事前に準備しておきたい主な資料:
- 遺言書の写し(遺産分割の偏りや遺贈の事実を確認する)
- 財産目録や不動産登記簿(遺留分算定の基礎となる財産を正確に把握する)
- 相続関係を示す戸籍謄本(ご自身が遺留分権利者であることを証明する)
STEP2:内容証明郵便で正式に請求する
話し合いが難航した場合は、内容証明郵便を送付します。内容証明郵便には、請求の意思と内容を相手に正式に伝えることで、民法上の催告(民法150条)として、相手方への到達から6か月間の時効完成猶予の効力が認められます。一般的に、内容証明郵便の文面に記載する主な項目は以下のとおりです。
- 請求者の氏名
- 請求の理由
- 侵害額
- 支払い期限
ネット上には文例も多くありますが、不備があるとトラブルのもとになるため、自分で作成する際は注意が必要です。不安がある場合は、弁護士に文案の確認を依頼しましょう。
STEP3:家庭裁判所への調停申し立て
内容証明郵便を送付しても相手方から誠実な対応が得られない場合は、家庭裁判所へ遺留分侵害額の請求調停を申し立てます。遺留分侵害請求は「調停前置」とされており、原則として訴訟の前に調停を経なければいけないとされています(家事事件手続法257条)。
調停前置主義とは
調停手続きでは、民間の有識者から選ばれた調停委員(2名)と裁判官で構成される調停委員会が第三者として間に入り、双方の主張を整理しながら解決に向けた合意を目指します。当事者同士で直接顔を合わせずに交渉を進められるため、感情的な対立を和らげつつ柔軟な解決を図れる点がメリットです。最高裁判所のデータによれば、遺産分割など家事調停事件の約6割は話し合い(調停)で解決に至っています。
調停に必要な書類・費用
| 必要な書類・費用 | 概要 |
|---|---|
| 調停申立手数料 | 収入印紙 1,200円 |
| 連絡用の郵便切手代 | 数千円程度(管轄の裁判所により異なる) |
| 調停申立書 | 請求の趣旨や理由を記載した書面 |
| 被相続人の戸籍謄本(1通450〜750円) | 出生から死亡までのすべての戸籍 |
| 相続人全員の戸籍謄本 | 相続関係を証明するための現在の戸籍 |
| 遺産に関する証明書 | 不動産登記事項証明書や預貯金通帳の写しなど |
STEP4:調停不成立の場合は訴訟へ
家庭裁判所で調停が成立しなかった場合、遺留分侵害額請求訴訟が提起されます。訴訟の手続きは、侵害額が140万円以内であれば簡易裁判所、それ以上の場合は地方裁判所で行われます。訴訟においては、当事者双方が遺留分侵害の有無や侵害額に関する主張を行い、それらを裏付ける証拠を提出します。証拠調べをした結果、裁判所が判決によって遺留分侵害の有無や額について判断を下します。
STEP5:判決に従わない場合は強制執行
最終的に判決が確定した場合には、これに従わなければなりません。判決の内容に従わず支払いをしないでいると、強制執行により取り立てられることになります。具体的には、強制執行により強制的に財産を差し押さえられ、不動産が競売にかけられるなどして財産を失うことになります。ただし、遺留分侵害額請求に適切に対応すれば、強制執行に至ることはほとんどないといってよいでしょう。



判決が確定しても相手が支払わない場合は、強制執行の手続きにより預貯金や不動産などの財産を差し押さえ、回収を図ることになります。
関連記事:遺留分侵害額請求から強制執行に至るまでの流れとは?対応方法も解説
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遺留分は必ずもらえる?受取の確実性と条件


自動的には受け取れない(自ら請求が必要)
「遺留分は必ずもらえるのか?」という疑問をお持ちの方は少なくありません。結論からいえば、遺留分は正しく請求手続きを踏むことでもらえる権利があります。遺留分は相続人の最低限の取り分として、法律上で保障されているからです。
しかし、何もしなくても自動的に受け取れるわけではありません。ご自身で期限内に請求の意思表示を行う必要があります。遺言書で「あなたには1円も渡さない」と書かれていたとしても請求は可能です。遺留分は法律があなたに与えた非常に強力な権利であり、誰かの感情や故人の一方的な意思だけで消滅することはありません。
請求できる条件を満たしているか確認するポイント
ただし、以下のようなケースでは遺留分が認められない、あるいはその権利を失うことがあります。
- 相続欠格:被相続人や他の相続人を殺害または殺害しようとした場合、遺言書を偽造・破棄・隠匿したなど著しく不法な行為を行った場合(民法第891条)
- 相続人の廃除:被相続人が生前に家庭裁判所に申し立てるか、遺言に記すことで特定の相続人の相続権を剥奪する制度(民法第892条)。被相続人に対する虐待や重大な侮辱、著しい非行があった場合に認められることがある
重要なのは、これらのケースは非常に限定的であるということです。単に「親子仲が悪かった」「実家に寄り付かなかった」といった理由だけで、「相続欠格」や「廃除」が認められることはまずありません。また、法律の世界では「勘当」や「絶縁」という言葉に親子関係を断ち切る効力は一切ありません。戸籍上の親子関係が存在する限り、遺留分を受け取る権利があります。
相手の資力がない場合・不動産しかない場合の注意点
相手の資産状況によって即時回収が難しい事案も考えられます。相手方に支払い能力がない場合でも、遺留分の権利が消えるわけではありませんが、実際の回収には時間と手続きが必要です。詳しくは「8. 遺産が不動産しかない場合の遺留分」の章を参照してください。
遺留分を認めない遺言・遺言書との関係
遺言書があっても遺留分は消えない(遺言より遺留分が優先)
遺留分は、被相続人と近しい一定の相続人に保証された遺産の最低限の取り分です。この取り分は、元々遺産を所有していた被相続人でさえも奪うことはできません。遺言は遺留分より優先されることはありません。
「遺留分を認めない」旨の遺言は無効か
遺言に「遺留分の請求は認めません」「遺留分の請求はやめてください」と書いてあったとしても、遺留分を請求することができます。
遺言に書かれることで法律上の効果が発生する事柄(法定遺言事項)は法律で決まっており、遺留分を認めないという文章はこれにあたりません。法的効果を持たない「付言事項」にすぎないため、このような文章が遺言に書かれていたとしても遺留分を請求できます。
遺留分侵害が生じやすい遺言の具体例
実務上、以下のような遺言内容が遺留分侵害を生じさせやすい典型例として挙げられます。
例1:「私が妻に財産の全部を遺すとしたのは、老後の生活に不安を感じることなく安心して過ごしてもらうためです。長男・次男はこの気持ちをわかってくれるはずです。遺留分の請求をすることなく、家族仲良く過ごしてください。」
例2:「うちの家業は農家であり、代々長男が不動産を守ってきました。私も長男に全ての不動産を相続させます。もし次男・長女が遺留分の請求をすれば長男は農家を続けることが難しくなります。」
例3:「長男に財産の全部を遺すとしたのは、次男にはすでに自宅購入資金や子どもへの支援として多額の贈与をしているからです。もう十分に財産を渡したと思うので後はお兄ちゃんに遺すことにしました。」
いずれも「遺留分の請求を控えてほしい」という故人の意思が表れていますが、法律的な効力はなく、遺留分の請求は有効に行えます。
遺言書の内容に疑問がある場合の対処法
遺言書の内容を確認し、ご自身の取り分が极端に少ないと判明した場合は、速やかに遺留分侵害額請求に向けた準備を始めることを推奨します。具体的には、財産目録の確認、戸籍謄本の取得、時効の起算日の特定などを行い、早期に弁護士へ相談することが有効です。
遺産が不動産しかない場合の遺留分
遺留分は現金での支払いが原則(現物返還は不可)
「遺産は不動産しかないのに遺留分をお金でもらうことは可能か?」という疑問を持つ方は多いでしょう。結論として、遺産が不動産だけでも、遺留分侵害があれば現金の支払いを請求できます。
2019年7月1日施行の民法改正により、遺留分は金銭での清算が基本となりました(民法1046条)。それ以前(旧法下の遺留分減殺請求)は、共有による移転登記が原則で金銭を受け取ることはできませんでしたが、改正によって金銭請求が可能となっています。
例として、相続人が子2人(息子・娘)で遺産が不動産のみ(評価額1億円)の場合、息子が不動産を相続する旨の遺言があっても、娘は遺留分(1/2×1/2=1/4)として2,500万円に相当する金銭の支払いを請求できます。
不動産の評価方法と金額の算定
遺留分額は不動産の時価評価を基に算定されます。評価方法によって金額が大きく変動するため、評価基準の合意がトラブル回避のカギとなります。特に収益不動産(賃貸物件など)は評価方法が複雑で、当事者間で見解が対立しやすい領域です。相手方と評価額に争いがある場合は、不動産鑑定士による評価書の取得や、弁護士への相談を検討しましょう。
支払いが困難な場合の対処法(売却・ローン・期限の許与)
相続した相手が現金を持っていない場合、遺留分を支払ってもらうことは容易ではありません。以下のような対処法が考えられます。
- 不動産の売却:不動産を売却して現金化し、遺留分に充てる
- 不動産担保ローン:不動産を担保に借入をして支払いに充てる
- 分割払いの交渉:当事者間で同意が得られれば分割回数・期間に制限はなく、長期分割払いも可能
- 裁判所への期限の許与申請:相手方が早急に支払うよう求めてきた場合、裁判所に支払い期限の延長を求めることができる
なお、不動産が共有状態になると売却や管理で全員の同意が必要となり、将来の紛争につながる可能性が高いため、できる限り避けるのが鉄則です。
特別受益と遺留分侵害額請求の関係
特別受益とは何か(生前贈与・遺贈の持ち戻し)
特別受益とは、被相続人からの生前贈与や遺贈によって、特定の相続人だけが特別の利益を受けた場合に、その利益を指す言葉です。遺留分と特別受益の違いを整理すると以下のとおりです。
| 項目 | 遺留分 | 特別受益 |
|---|---|---|
| 意味 | 法定相続人に保証された最低限の遺産の取り分 | 特定の相続人が受けた特別な利益(生前贈与など) |
| 目的 | 相続人の生活保障・遺産形成への貢献を報いる | 相続人間の公平を保つ |
| 権利者 | 配偶者、子(孫)、父母(祖父母) | 全ての共同相続人 |
| ポイント | 遺言でも奪えない権利 | 相続財産に持ち戻して計算するのが原則 |
特別受益に該当するケースの例として、長男への住宅購入資金援助、婚姻に伴う多額の支度金、海外留学費用の援助、借金の肩代わり、事業開業資金の援助などがあります。
特別受益がある場合の遺留分計算への影響
相続開始から10年以内の相続人に対する特別受益であれば、原則として遺留分侵害額請求の対象となります(民法1043条1項)。遺留分の計算における基礎財産額は、相続財産に特別受益分を加算して算出します。
「持ち戻し」とは、特別受益に該当する生前贈与などがあった場合に、その額を考慮して遺産分割協議を行い、相続人間での不公平を解消しようとする考え方です。
例として、遺産が3,000万円で兄弟3人が相続する場合、長男だけが住宅購入資金として600万円の援助を受けていたとします。この場合、長男が受けた600万円を相続財産に加え、3,600万円の遺産分割を行うのが特別受益の持ち戻しです。3等分すれば1,200万円ずつですが、長男はすでに600万円を受け取っているため、長男600万円・次男1,200万円・三男1,200万円となります。
特別受益に当たる生前贈与・当たらない生前贈与
特別受益に該当するかどうかに明確な基準はなく、個別の事情を考慮して判断されます。一般的に「生計の資本として」に該当するもの(親族間の扶養義務の範囲を超えるもの)は特別受益とされやすく、日常的な小遣いや通常の生活費援助は特別受益に当たらないことが多いです。
相続開始前10年以内の贈与が算入される理由
民法改正により、相続人に対する生前贈与は相続開始前10年以内のものが遺留分算定の基礎財産に含まれます(民法1044条3項)。10年を超える古い贈与は原則として算入されませんが、遺留分権利者を害すると知って行われた贈与は時期を問わず対象になります(同条1項)。
特別受益を主張して請求額を減額できるケース
遺留分侵害額請求をされた場合(請求された側の場合)、請求者自身に過去の特別受益があれば、それを主張することで支払い額を減額できる可能性があります。また、被相続人の持ち戻し免除の意思表示がなされた場合でも、遺留分侵害額算定の基礎財産には加算されるため注意が必要です。
遺留分を請求された側の対応・費用・支払い拒否
突然、他の相続人から遺留分を請求された場合でも、決して無視をしてはいけません。放置すると訴訟に発展し、不利な判断が下されるおそれがあります。まずは冷静に状況を整理し、以下の4点を確認することが求められます。
請求通知が届いたらまず確認すべき4つのポイント
①請求者に遺留分権利があるか確認する
遺留分侵害額請求通知書が届いたら、通知書の送り主が本当に遺留分権者かを確かめましょう。法定相続人でも被相続人の兄弟姉妹の場合には遺留分は認められません。名前を聞いたことのない人物であっても、把握していないだけで実は法定相続人(例:認知した婚外子など)であることもあります。
②時効が成立していないか確認する
遺留分侵害額請求権は、遺留分権利者が相続の開始及び遺留分を侵害する贈与または遺贈があったことを知った時から1年間行使しないときは、時効によって消滅します(民法1048条)。また、相続開始から10年を経過すると除斥期間によって消滅します。時効が既に成立している場合、相手方の請求に応じる必要はありません。
③請求額の計算根拠が適切か検証する
遺留分侵害額請求通知書に記載された請求額について、その額が適切かを計算・検討しましょう。特に問題となるのは不動産と株式の評価です。この2つの財産は評価方法が難しい場合が多く、相手方の評価額がそのまま正しいとは限りません。少しでも疑問がある場合は専門家に相談することをおすすめします。
④特別受益の見落としがないか洗い出す
遺留分請求者が被相続人から特別受益に当たる生前贈与を受けている場合があります。特別受益にあたる生前贈与があれば、その分を遺産に加えて遺留分を計算し、そこから特別受益額を差し引いたものが実際の遺留分侵害額となるので、請求額を大幅に減額できる可能性があります。
支払いを拒否できる4つのケース
遺留分侵害額請求が正当なものであれば支払い拒否はできませんが、以下のようなケースに該当する場合は、相手方の請求額をそのまま支払うことはしなくて済む可能性があります。
- 遺留分侵害額請求の時効を過ぎている
- 生前に特別受益がある(請求者が過去に多額の贈与を受けている)
- 推定相続人の廃除がされている
- 相続欠格が適用される
感情的に拒否するのではなく、客観的な証拠に基づく反論を整理していくことが重要です。
現金がない場合の対処法(分割払い・期限の許与)
相手方の遺留分侵害額請求が正当なものである場合、その請求に応じなければなりません。しかし、さまざまな事情で「すぐに支払える現金がない」というケースは珍しくありません。
- 分割払いの交渉:当事者間で同意が得られれば、分割回数や支払い期間に制限はありません。長期分割払いも可能です。
- 裁判所に遺留分支払い期限の許与を求める:相手方が早急に支払うよう求めてきた場合、裁判所に期限の延長を申請できます。
請求された側にかかる費用(弁護士費用・調停費用)
遺留分侵害額請求を受けた場合、対応にかかる費用の目安は以下のとおりです。
| 費用の種類 | 目安 |
|---|---|
| 弁護士費用(着手金) | 20万円〜(事案の難易度・請求額によって変動) |
| 弁護士費用(成功報酬) | 減額できた経済的利益の数%〜十数%程度 |
| 調停申立て費用 | 印紙1,200円+連絡用郵便切手代(数千円程度) |
| 戸籍謄本等の取得費用 | 1通450〜750円、複数通が必要な場合も |
初回相談を無料で実施している事務所も多くあります。費用倒れを防ぐためにも、正式に依頼する前に見積もりを提示してもらい、費用対効果を慎重に見極めることが大切です。
支払い拒否のリスク(調停・訴訟・強制執行)
遺留分侵害額請求を無視したり支払いを拒否したりすると、以下のリスクが生じます。
- 調停や訴訟を申し立てられる:調停で解決しない場合、最終的に遺留分侵害額請求訴訟に進む可能性があります。
- 強制執行により財産を差し押さえられる:遺留分の支払いを命ずる判決が確定した後も無視し続けると、預貯金・給与・不動産などの財産が強制的に差し押さえられます。
遺留分はもちろん、相続に関するトラブルは専門家を介して解決を目指すのがストレスも少なく、早期に解決できる可能性も高まります。請求されるがままに支払うことも、無視することも推奨できません。
遺留分減殺請求(旧制度)との違い
2019年民法改正の背景と経緯
遺留分減殺請求は、遺留分侵害額請求に改正される前の制度です。2018年7月6日に成立した民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律により、相続に関する民法の規定が改正され、2019年7月1日から施行されました。
これから遺留分の請求手続きを始める場合であっても、相続が発生したタイミングによっては遺留分侵害額請求ではなく遺留分減殺請求の手続きが必要なケースもあります(2019年6月30日以前に発生した相続については旧法が適用されます)。
旧制度:現物返還が原則だった問題点
遺留分減殺請求とは、被相続人が遺贈等を行い、相続人が遺留分を侵害された時に、受遺者や受贈者に対して、その処分行為の効力を奪うために行う請求のことです。遺留分減殺請求権を行使すると、遺留分を侵害する遺贈や贈与は侵害の限度で無効となり、遺留分権利者は受遺者や受贈者から遺贈や贈与された遺産自体の返還を請求できました。
例えば土地の遺贈により遺留分を侵害された場合、その土地は受遺者と遺留分権利者との共有状態となりました。この方式では不動産が不本意な共有状態となり、売却や管理に全員の同意が必要となることから、親族間で新たな紛争を招く要因となっていました。
新制度:金銭請求への一本化で何が変わったか
改正後の遺留分侵害額請求では、返還方法が金銭による支払いに統一されました。現物返還に伴う複雑な手続きや権利関係の争いが回避され、より迅速な解決を図りやすくなっています。
| 比較項目 | 旧制度(遺留分減殺請求) | 新制度(遺留分侵害額請求) |
|---|---|---|
| 根拠法 | 改正前民法1031条〜1041条 | 改正後民法1046条〜1049条 |
| 返還方法 | 現物返還(物・不動産の共有)が原則 | 金銭での支払いが原則 |
| 問題点 | 不動産の不本意な共有が生じやすい | 資金不足の場合は支払い困難なケースも |
| 適用される相続 | 2019年6月30日以前に開始した相続 | 2019年7月1日以降に開始した相続 |
改正前に発生した相続への適用ルール
相続が2019年6月30日以前に発生した場合、旧法(遺留分減殺請求)が適用されます。ただし、当事者間の合意があれば金銭で清算することも可能です。自分の相続がどちらの制度に該当するかを確認し、適切な手続きを選択することが重要です。
解決事例:財産調査と調停で2,000万円の遺留分を取得
以下は、弁護士法人アクロピースが実際に取り扱った案件をもとに作成した解決事例です(プライバシーに配慮し内容の一部を変更・編集しています)。
事案の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 被相続人 | Aさん |
| 依頼人 | Bさん(Aさんの子) |
| 遺言 | あり(多くの遺産をCさんに相続させる内容) |
| 相続人 | BさんとCさんの2人 |
| 相続財産 | 賃貸物件を含む複数の広大な土地、その他預貯金 |
| 結果 | 遺留分侵害額請求の調停を経て2,000万円を取得 |
Aさんは遺言を残しており、その内容は多くの遺産をCさんに相続させる内容でした。Bさんはご兄弟であるCさんから「Aさんの遺産は借金ばかりなので相続放棄してほしい」という連絡を受けたため、相続放棄の依頼をするために弊所にご相談されました。
弁護士の対応:財産調査・収益不動産の評価・調停での立証
弁護士はBさんから負債と資産の全体像を丁寧に聞き取り、判断材料の不足を指摘しました。念のため遺留分侵害額請求の意思表示を行い、財産調査を実施することを提案。調査の結果、数億円規模の遺産があることが発覚しました。
複数の収益不動産が含まれていたため、通常の評価が難航しました。弁護士は不動産の最も高い活用方法に基づいた査定を取得し、調停委員を説得。交渉の結果、Cさんより約2,000万円の遺留分を取得する形で調停が成立しました。
解決のポイントと教訓
本件の最大のポイントは、初期の段階で「相続放棄ありき」ではなく、財産調査と遺留分の権利保全を視野に入れた提案を行った点です。また、特に評価が難しい収益不動産について、最も高い活用価値を示す査定資料を用いた説得が功を奏しました。
本件のように、遺産の全貌が不明なまま「借金ばかり」と伝えられるケースは珍しくありません。相続放棄の判断は一度してしまうと原則撤回ができないため、判断前に必ず財産調査を行うことが大切です。
遺留分侵害額請求は自分でできる?弁護士に依頼すべき?
遺留分侵害額請求は、法的にご本人単独で行うことが認められている手続きです。必ずしも弁護士への依頼が義務付けられているわけではありません。
しかし、適正な遺留分額を算出し、相手方と対等に交渉を行うには、相応の法的知識と労力が求められます。
コスト面だけでなく、解決までの時間や精神的な負担も含めて、どちらが適しているかを慎重に検討することが重要です。
| 項目 | 自分で進める場合 | 弁護士に依頼する場合 |
|---|---|---|
| 費用 | 実費のみ(数千円〜数万円) | 着手金・報酬金が必要 |
| 手間・時間 | 書類収集から計算まで全て自分で行う | ほとんどの手続きを任せられる |
| 精神的負担 | 相手との直接交渉でストレスが大きい | 弁護士が窓口になるため軽減される |
| 獲得金額 | 知識不足により少なくなるリスクがある | 適正額(最大化)を目指せる |
| 解決スピード | 交渉が難航し長期化しやすい | 要点を押さえた交渉で早期解決も可能 |
遺産の内容がシンプルで争いがない場合は、ご自身で対応する余地も十分にあるでしょう。
一方で、権利関係が複雑な場合や相手方との対立が予想されるケースでは、専門家の介入が解決への近道となります。
遺留分侵害額請求を自分で行う場合の注意点


弁護士に依頼せず自力で手続きを進めることは、費用を抑えられる反面、法的な落とし穴を見落とすリスクが伴います。特に期限管理や書面の作成において、ひとつのミスが権利消滅や将来のトラブルにつながりかねません。
ここでは、ご自身で請求を行う際に特に注意すべき3つのポイントを解説します。
遺留分侵害額請求権には時効がある
遺留分侵害額請求権は、権利を行使しないまま一定期間が経過すると消滅してしまいます。
民法1048条により、以下の通り厳格な期間制限が設けられているため注意が必要です。
- 相続の開始および遺留分を侵害する贈与・遺贈を知った時から1年間
- 相続開始の時から10年間(知・不知を問わず消滅)
特に、相続の開始および遺留分を侵害する贈与・遺贈を知った時から1年という期間は非常に短いため、悠長に構えている余裕はありません。
確実に期間内に請求した事実を証拠として残すため、意思表示は普通郵便ではなく、必ず配達証明付き内容証明郵便で行うことが推奨されます。
「届いていない」という相手方の反論を封じ、時効の完成を阻止するための最重要アクションといえるでしょう。
関連記事:遺留分侵害額請求の期限はいつまで?2つの時効や注意点を弁護士が解説
合意書は必ず公正証書にする
当事者間の話し合いで合意に至ったとしても、口約束や簡易な覚書だけで済ませるのは危険です。
相手方が将来的に支払いを滞らせた場合、私文書では直ちに差し押さえなどの強制執行を行うことができず、改めて裁判を起こす必要が生じるからです。
確実な回収を目指すためにも、合意書は以下の違いを理解した上で作成する必要があります。
| 特徴 | 私文書(通常の合意書) | 公正証書(執行認諾文言付) |
|---|---|---|
| 作成者 | 当事者同士 | 公証人(公的機関) |
| 証拠能力 | 争われる余地がある | 極めて高い |
| 不払い時の対応 | 裁判による判決が必要 | 裁判なしで強制執行が可能 |
このように、公正証書を作成しておくことで、万が一の際の回収確実性が向上します。手続きの手間や費用はかかりますが、将来のリスクヘッジとして不可欠なステップです。
受け取った金銭には相続税がかかる
遺留分侵害額請求によって解決金を受け取った場合、その金銭は税務上、被相続人から相続により取得した財産とみなされます。 受け取った金額に応じて相続税の課税対象となり、税務署への申告手続きが必要になるケースが一般的です。
特に、すでに当初の相続税申告を済ませている場合は、遺留分を受け取ったことで取得財産額が増加するため、修正申告を行い、追加の相続税を納めなければなりません。
これらの手続きは、合意成立後または支払いの事実を知った日の翌日から4ヶ月以内に行う必要があります。(参照:国税庁|第27条《相続税の申告書》関係)



申告漏れは延滞税などのペナルティ対象となるため、金銭解決と同時に税理士へ相談し、速やかに処理を進めることが望ましいでしょう。
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遺留分侵害額請求を弁護士に依頼するメリット
遺留分侵害額請求は、法的な知識があればご自身で進めることも可能です。しかし、複雑な計算や相手方との交渉には多大な労力を要し、対応を誤ると本来得られるはずの権利を失うリスクも否定できません。
確実かつ迅速な解決を目指すのであれば、専門家である弁護士への依頼が有効な選択肢となります。ここでは、具体的なメリットについて解説します。
請求手続きを正しくスムーズに進められる
遺留分侵害額請求を行うには、相続人の調査から内容証明郵便の送付、そして最も重要かつ困難な遺留分額の計算まで、多岐にわたる手続きが必要です。
特に遺留分の計算においては、不動産の評価方法や特別受益の認定など、高度な法的判断を要する場面が多々あります。
ご自身で対応された場合、計算ミスにより本来請求できる金額よりも低い額で合意してしまうリスクや、書類の不備により無効となる懸念があります。
弁護士に依頼することで、以下のような煩雑な手続きを正確に進められるため、法的な不備による損失を防ぐことが可能です。
| 業務内容 | 自分で行う場合のリスク | 弁護士に依頼するメリット |
|---|---|---|
| 財産調査 | 隠された財産を見落とす可能性がある | 弁護士会照会等で徹底的に調査できる |
| 遺留分計算 | 評価額の算定ミスや計算誤りが起きやすい | 法的根拠に基づき適正額(最大額)を算出 |
| 書面作成 | 内容証明等の不備で効力が生じない恐れがある | 法的に有効かつ相手に響く書面を作成 |
このように、専門知識が必要なプロセスを一任できる点は大きな安心材料となります。手続きの不備で足元をすくわれることなく、正当な権利行使に集中できるでしょう。
相手方との交渉を任せられる
相続トラブルにおいて最も精神的な負担となるのが、相手方との直接交渉です。
特に遺留分を巡る争いは、相手が親族であるケースがほとんどであり、長年の感情的なしこりが再燃して冷静な話し合いが困難になることが少なくありません。
弁護士を代理人に立てることで、すべての連絡窓口を一本化できます。相手方からの理不尽な要求や感情的な言葉を直接受ける必要がなくなり、精神的な平穏を保つことができるはずです。
- 相手方と直接顔を合わせる必要がなくなり、ストレスが軽減される
- 感情論を排除し、法的な根拠に基づいた冷静な交渉が可能になる
- 相手方が弁護士の介入を重く受け止め、早期解決に応じるケースが多い
交渉のプロフェッショナルが間に入ることで、不当な条件での妥協を防ぎ、依頼者の利益を最大化するための建設的な議論が期待できます。
調停や訴訟になった場合の準備ができる
話し合いで解決に至らない場合、調停や訴訟へ移行することになりますが、これらは法的な主張と証拠が結果を左右する場です。
準備不足のまま臨むと、調停委員や裁判官に対して説得力のある主張ができず、不利な結果を招く恐れがあります。
早い段階から弁護士が関与していれば、将来の紛争を見据えた戦略的な準備が可能となります。
| 手続きの段階 | 弁護士の役割とサポート内容 |
|---|---|
| 交渉段階 | 訴訟を見据えた証拠収集を行い、安易な譲歩を防ぐ |
| 調停段階 | 調停委員に対し、依頼者の正当性を論理的に説明する書面を作成 |
| 訴訟段階 | 厳格な立証責任に対応し、勝訴に向けた尋問や弁論を行う |
上記のように、各段階において求められる対応は異なりますが、一貫して専門的なサポートを受けられます。



結果として、手続き全体の見通しが立ちやすくなり、納得のいく解決を導ける可能性が高まるでしょう。
関連記事:遺留分侵害額請求にかかる弁護士費用の記事を見る
関連記事:遺留分問題は弁護士に相談すべきかについて解説
遺留分侵害額請求に関するよくある質問
遺留分侵害請求の弁護士費用はどのくらい?
遺留分侵害請求の弁護士費用は、一般的に経済的利益(回収額)を基準に算定され、旧日本弁護士連合会の基準を目安とする事務所が多い傾向にあります。
具体的な金額は事務所ごとに異なるため、初回無料相談などを利用して見積もりを取り、費用対効果を確認することをお勧めします。
遺留分侵害額請求の弁護士費用は負けた側が負担するのですか?
民事訴訟の原則により、弁護士費用は依頼者自身の負担となり、勝訴しても相手方に全額請求はできません。
不法行為に基づく請求など例外的に一部認められるケースもありますが、基本的には自己負担となります。そのため、依頼する際は回収できる見込み額と弁護士費用のバランスを慎重に考慮して方針を決めることが重要です。
遺留分侵害請求の時効中断をするにはどうすればいいですか?
時効の完成を猶予させる最も確実な手段は、相手方へ配達証明付き内容証明郵便を送付することです。
これにより催告の事実が証明され、時効の完成が6ヶ月間猶予されます(民法150条)。口頭での請求は証拠に残らないため避け、必ず書面で行ってください。
遺留分侵害額請求と遺留分減殺請求の違いは何ですか?
遺留分侵害額請求と遺留分減殺請求の最大の違いは請求の対象です。
旧法の遺留分減殺請求では不動産などの現物返還が原則で、共有状態によるトラブルが多発しました。
一方、2019年の法改正で新設された遺留分侵害額請求は、金銭による解決に一本化されています。これにより、複雑な権利関係を避け、金銭のみでの柔軟な清算が可能になっています。(参照:法務省 |民法(相続関係)改正法の施行期日について)
まとめ|遺留分侵害額請求をスムーズに進めるなら早期に弁護士へ相談しよう


遺留分侵害額請求は、著しく不公平な遺言や贈与によって侵害された最低限の遺産を受け取る権利を、金銭で取り戻すための正当な手続きです。
もし遺言内容を知って「納得がいかない」と感じたら、まずは時効にかからないよう、期限と遺産の内容を冷静に確認しましょう。その上で、複雑な計算や相手方との交渉をご自身だけで進めることに少しでも不安を感じるなら、早い段階で弁護士に相談することをおすすめします。
早期に専門家が介入することで、精神的な負担を最小限に抑えつつ、適正な解決金を確実に受け取ることにつながります。 一人で悩んで泣き寝入りせず、あなたの正当な権利を守るためにも、ぜひ一度ご相談ください。
遺留分侵害額請求に関するお悩みは、弁護士法人アクロピースへお任せください。 相続トラブルに精通した弁護士が、個々のケースに併せて適切な解決策を提案いたします。



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