【アクロピース解決事例集・遺留分侵害額請求】遺留分の負担をめぐる兄弟間の争いで、実質勝訴の和解を獲得した事案

この記事を執筆した人
弁護士法人アクロピース代表弁護士
東京弁護士会所属
東京弁護士会・東京税理士会所属

遺留分侵害額請求事件

相続人Aさん
依頼人Bさん
遺言あり
相続人Aさん、Bさん、Cさんの3人

ご相談内容ー遺言の内容に不満

Bさんは、母の遺言により相続分を受け取れませんでした。生前に多額の贈与があったことを理由に相続から除外されていたのです。Bさんは遺留分侵害額請求を行ったものの、C・Dの間で分担割合をめぐる争いがあり、誰がどの程度支払うべきかが不明確であったため、法的な主張を整理して請求を行いたいと相談に来られました。

結果

実質的に依頼者側の主張が通る形で解決に至りました。

法律的な問題点

  • 負担付き特定財産承継遺言が遺留分の分担割合に与える影響
  • 付言事項に基づく特別受益の認定の有無
  • 遺留分侵害額の分担に関する法的解釈の対立

弁護士の対応・サポート内容

STEP

事案の再評価と法的立論の構築

Bさんは当初別の弁護士に依頼していましたが、法的主張の整理と方向性に納得がいかず、弊所へ相談されました。案件の複雑性を再評価し、争点の洗い出しと主張構築を行いました

STEP

遺留分負担割合の争点整理と反論準備

本件最大の争点である「誰がいくら支払うか」について、法的根拠の乏しい中で、多数の法文献を参照し、独自の法的解釈を展開。相手方の主張の不当性を具体的に論破する形で交渉・訴訟を進めました。

STEP

特別受益の立証活動

特別受益の有無については遺言の付言事項に記載があるのみで確たる証拠もなかったので、相互に当事者尋問を実施して、特別受益があることを立証しようと試みました。

STEP

裁判所による和解案の提示と合意

裁判所から、当方の主張を大きく取り入れた和解案が提示され、これをもとに最終的な和解に合意。特別受益の部分は認められなかったものの、遺留分の負担割合に関しては実質的に依頼者側の主張が通る形で解決に至りました。

解決のポイント

前例や明確な法的基準が乏しい中で、丁寧な法的分析と主張構築を行い、裁判所に対して合理的かつ説得力ある主張を展開した点が、実質的な勝訴に繋がりました。遺留分の分担割合という複雑な争点について、法的根拠を丁寧に積み上げた結果、裁判所からも信頼を得る形で解決できました。

弁護士からのコメント

相続トラブルは感情的な対立に発展しやすいですが、本件のように法的な論点が複雑で、かつ前例が少ない場合には、丁寧な法的調査と理論構築が不可欠です。特別受益や遺留分の分担といったテーマは、家族間の信頼関係を崩すリスクもあるため、冷静に事実と法をもとに判断する姿勢が重要です。

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※掲載している解決事例は、実際に弁護士法人アクロピースが取り扱った案件をもとに作成しておりますが、プライバシーに配慮し、内容の一部を変更・編集しております
ご相談内容や解決結果は案件ごとに異なりますので、詳細はぜひ個別相談にてお話しください

この記事がみなさまの参考になれば幸いです
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