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共有不動産の売却方法は?手続きの流れや持分売却時の注意点を弁護士が解説

「共有不動産を売りたいけれど、どのように手続きを進めればいいか分からない」
「自分の持分だけ勝手に売ることはできるのか」
このようにお悩みの方もいるのではないでしょうか。
共有不動産を全体として売却するには、原則として共有者全員の同意が不可欠です。現在の状況に合わせて適切なアプローチを選択し、不要なトラブルを避けつつ円滑に現金化を目指すことが大切です。
本記事では、共有不動産を売却する方法や具体的な手順をはじめ、売却時の注意点からよくあるトラブル対策までを網羅的に解説します。
共有不動産の全体売却は全員の同意必須:不動産全体を売るには共有者全員の合意が不可欠。
共有持分のみなら単独売却が可能:自分の共有持分だけなら同意不要で売却可能だが、価格は相場より下がりやすい。
共有不動産の売却方法は5つ:全員同意での売却、共有者・第三者への持分売却、分割請求訴訟、分筆(土地のみの場合)がある。
共有不動産の売却は事前対策が重要:価格の対立や所在不明など揉めやすいため、条件のすり合わせなど慎重な準備が必要。
共有不動産の売却に関するお悩みは、弁護士法人アクロピースへお任せください。累計約7,000件以上の相談実績に基づき、共有不動産・共有物分割請求について、まずは無料相談から受け付けております。
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共有不動産を売却する5つの方法

共有不動産の売却は、単独所有の物件と比べて権利関係の調整が必要となるため、特有の制約が伴います。しかし、共有者間の状況に応じた適切な手段を選択することで、関係性を維持しながらの円滑な取引が可能です。
ここでは、共有不動産を売却するための代表的な5つの方法について解説します。
弁護士 佐々木一夫監修者コメント
共有不動産の全体売却には共有者全員の合意が不可欠であり、当事者同士では価格や条件をめぐってトラブルに発展するケースが後を絶ちません。
一方で、自分の持分単独での売却は大幅な価格下落リスクを伴います。
ご自身の状況においてどの手段が不利益を生まず、確実に解決できるか、まずは以下の5つの選択肢から冷静に見極めることが重要です。
共有者全員の同意のもと売却する
共有者全員が売却に合意し、不動産全体を市場に売り出す最も理想的な方法です。通常の不動産取引と同じ扱いになるため、市場の適正価格で売却でき、手元により多くの資金を残せる可能性が高まります。
手続きを進める際は、以下のステップで進行するのが一般的です。
- 共有者間で話し合い、全員の合意を形成する
- 複数の不動産会社へ査定を依頼し、価格を決定する
- 売買契約を締結し、買主へ物件を引き渡す
全員の足並みを揃える手間はかかりますが、売却後のトラブルも少なく、経済的なメリットが最も大きい選択肢といえます。
共有者へ持分を売却する
自身の所有する共有持分を、他の共有者に買い取ってもらう手法です。売主と買主である共有者同士の合意さえあれば、その他の共有者から同意を得る必要はありません。
身内間で取引を進める際は、後々のトラブルを防ぐために以下の手順を踏むのが望ましいでしょう。
- 他の共有者へ持分の買い取りを打診する
- 不動産会社の査定などを参考に適正な価格を決定する
- 売買契約を結び、代金決済と所有権移転登記を行う
外部の第三者が介入しないため、権利関係が身内だけで完結する点が大きなメリットです。係を円満に保つために、事前に他の共有者にも持分の売買について伝えておくことが望ましいでしょう。
第三者へ共有持分を売却する
全員の合意が困難な場合、自身の共有持分のみを専門の買取業者などへ売却することも可能です。この取引も自身の判断のみで完結し、共有関係から早期に離脱できます。
ただし、専門業者へ売却する場合には以下のような懸念事項がある点に留意してください。
- 持分のみでは利用価値が低いため、売却価格が大幅に下落しやすい
- 業者が他の共有者に持分売却や分割を強く迫るケースがある
- 残された親族と業者間で新たな紛争を生むリスクを伴う
手放した後の親族関係の悪化を招きかねないため、慎重な判断が求められます。
共有物分割請求訴訟を経て売却する
当事者間の話し合いが平行線をたどり、持分の買い取りも拒否された場合は、共有物分割請求訴訟を提起して法的解決を図ります。
裁判所は当事者の主張や状況を総合的に考慮し、判決において以下のいずれかの分割方法を言い渡します。
| 分割方法 | 概要 |
|---|---|
| 現物分割 | 不動産を共有持分の割合に応じて物理的に切り分ける方法 |
| 代償分割 | 1人が不動産全体を取得し、他の共有者へ金銭を支払う方法 |
| 換価分割 | 不動産を競売などで売却し、その代金を割合に応じて分配する方法 |
解決までに時間と費用はかかりますが、最終的に共有関係を強制的に解消させることが可能です。
関連記事:共有物分割請求を弁護士に依頼するメリットは?相談から解決までの流れ
関連記事:共有名義のマンションを売却するには?売却方法や費用・注意点を弁護士が解説
分筆してから売却する(共有不動産が土地のみの場合)
売却対象が土地である場合、登記簿上で1つの土地を複数に切り分ける分筆を行い、それぞれを単独名義にしてから売却する方法があります。
分筆が完了すれば各自の区画を自由に活用できますが、持分割合に応じた公平な切り分けには以下の条件をクリアしなければなりません。
- 各区画が建築基準法上の接道義務を満たしているか
- 土地の形状や方角によって評価額に大きな偏りが出ないか



不公平な分割は新たな火種となるため、事前に不動産問題に精通した弁護士や土地家屋調査士へ相談することをおすすめします。
共有不動産の売却に全員の同意が必要な理由


共有不動産は、自己の持分のみであれば単独で売却可能ですが、不動産全体を売却するには原則として共有者全員の同意が求められます。売却に限らず、賃貸や担保設定といった活用も個人の判断だけでは進められません。
まずは、共有不動産の売却に原則全員の同意が必要な法的根拠について確認しておきましょう。
共有不動産の処分と変更行為には全員の同意が必要
共有不動産全体の売却は、法律上の変更行為に該当するため、共有者全員の合意が不可欠とされています(民法第251条)。
共有物に対する行為は、その性質に応じて以下のように要件が異なります。
| 共有物に対する行為の種類 | 要件 |
|---|---|
| 保存行為(建物の修繕など) | 各共有者が単独で行える |
| 管理行為(賃貸借契約など) | 持分割合の過半数で決定する |
| 変更行為(全体の売却など) | 共有者全員の同意を要する |
売却は権利を根本的に変動させる行為にあたるため、一人でも反対者がいれば手続きは進められません。過去の最高裁判例でも、この原則は支持されています。
共有持分だけなら同意なしで売却できる
不動産全体を売るには全員の同意が必要ですが、各自が所有する共有持分のみであれば、個人の判断で自由に譲渡することが法令上認められています(民法第206条)。
ただし、持分単独での売却には以下のような注意点が存在します。
- 他の共有者の承諾を得ずに売却手続きを進められる
- 取得しても単独利用や全体の処分ができず買い手がつきにくい
- 流動性が低く、専門の買取業者へ売却する場合の価格は持分相当の理論価格(不動産全体の時価×持分割合)の1/2〜1/3程度にとどまるケースが多い
このように権利上の制約が生じるため、一般的な個人買主を見つけるのは困難といえます。



結果として、専門の買取業者へ相場より低い価格で引き渡すケースが大半を占めているのが実情です。
共有不動産を第三者に売却する手順6ステップ


共有不動産を適正価格で手放すには、共有者全員の合意のもと第三者へ売却する方法が最も経済的メリットを見込めます。
円滑に取引を完了させるため、あらかじめ以下の6つの手順を把握しておきましょう。
共有者全員が売却に同意する
売却活動を始めるにあたり、まずは権利者が誰なのかを正確に把握し、全員の同意を得ることが不可欠です。
相続などで権利関係が複雑化しているケースも少なくないため、合意形成に向けて以下のステップを踏むことが重要となります。
- 登記簿等を確認し、共有名義人を正確に特定する
- 売り出し価格や引き渡し時期などの希望をすり合わせる
- 手続きの窓口となる代表者(または代理人)を選任する
当事者のみでは利害調整が難航する恐れがあるため、不動産問題に精通した弁護士を代理人に立てることも有効な選択肢といえます。
共有不動産の売却に必要な書類を用意する
売却方針が固まったら、手続きに必要な書類を準備する段階に入ります。主な書類は、不動産に関するものと共有者各自が用意するものの2種類です。
| 書類の種別 | 具体的な必要書類 |
|---|---|
| 不動産に関する書類 | 登記識別情報(権利証)、地積測量図・境界確認書など |
| 各自が用意する書類 | 実印・印鑑証明書、住民票、身分証明書など |
書類に不備や不足があると、予定通りに売買契約を締結できなくなる恐れがあります。
印鑑証明書などは発行から3カ月以内といった有効期限もあるため、スケジュールに合わせて手配してください。
不動産会社に共有不動産の査定を依頼する
必要書類の目処が立ったら、不動産会社へ査定を依頼します。
周辺の取引事例や建物の状態などを考慮して売却予想価格が算出されますが、依頼時は以下の点に留意することが望ましいでしょう。
- 複数社に査定を依頼し、提示された価格や根拠を比較検討する
- 共有不動産の取り扱い実績や販売網が豊富な会社を選ぶ
- 査定額が出たら、共有者全員へ速やかに共有し同意を得る
会社によって得意とするエリアや査定基準が異なるため、一社のみで判断するのは危険です。適正な売り出し価格を設定したうえで、次のステップへ進みましょう。
買主と売買契約を締結する
買主が見つかり条件がまとまれば、いよいよ売買契約の締結です。取引を安全に完了させるため、契約および引き渡しの場では以下の対応が求められます。
- 契約書へ全共有者が署名し、それぞれ実印を押印する
- 決済当日は、原則として共有者全員が指定場所に立ち会う
- 遠方などで同席できない場合は、事前に委任状を作成しておく
やむを得ない事情で欠席する共有者がいる場合、他の共有者や弁護士へ権限を委任することが認められています。
委任状の不備は取引停止に直結するため、作成には細心の注意を払わなければなりません。
売却で得られた収益を共有者で配分する
無事に不動産の引き渡しが完了し代金を受け取った後は、得られた収益を共有者間で分配する作業に移ります。
この際、税務上のトラブルを避けるために以下の原則を厳守する必要があります。
- 各自が所有する持分割合に沿って正確に利益を分配する
- 仲介手数料などの売却経費も、持分割合に応じて按分し負担する
もし割合を無視して特定の共有者に多く配分してしまうと、税務署から「みなし贈与」と判断されるリスクが生じます。
思わぬ贈与税を課されないよう、厳密な資金管理が不可欠です。
関連記事:共有不動産の放棄と譲渡による贈与税の課税
譲渡所得税の確定申告を行う
共有不動産の売却によって利益(譲渡所得)が生じた場合、譲渡所得税を納める義務が発生します。税額を算出し申告するまでの基本的な流れは、以下の通りです。
- 売却金額から取得費・譲渡費用を引き、譲渡所得を算出する
- 不動産の所有期間(短期・長期)に応じた税率を掛ける
- 利用できる特別控除などを差し引き、最終的な税額を決定する
確定申告は、不動産全体の利益ではなく各共有者が受け取った収益をもとに、名義人ごとに個別で行わなければなりません。



申告漏れのないよう、売却した翌年の期限内に必ず手続きを済ませてください。
関連記事:共有持分を譲渡する4つの方法とは?手続きや税金・注意点をプロが解説
不動産における不公平や不動産関係者のトラブルでお悩みの方は、
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共有不動産の売却にかかる費用・税金【4項目】


共有不動産を売却には、費用や税金が発生します。主に発生する費用・税金の項目は、以下の通りです。
| 費用項目 | 概要 | 税額・費用の相場 |
|---|---|---|
| 印紙税 | 売買契約書作成時に必要となる税金 | 契約金額に応じて変動する 200円~48万円 ※令和9年3月31日までは軽減税率が適用されています |
| 不動産会社への仲介手数料(一例になります) | 仲介に入った不動産会社へ支払う費用 | 売買価格に応じて変動する 【売買価格が200万円以下】 取引額の5%(+消費税) 【売買価格が200万円超~400万円以下】 取引額の4%+2万円(+消費税) 【売買価格が400万円超】 取引額の3%+6万円(+消費税) |
| 抵当権抹消登記費用 | 売却する不動産に抵当権が設定されている場合に支払う費用(抹消手続きに必要) | 土地・建物それぞれに1,000円 |
| 譲渡所得税 | 売却で利益が発生した場合に課される税金 | 不動産の所有期間によって変動する 【所有期間5年以下(短期譲渡所得)】 所得税:30.63%・住民税:5% 【所有期間5年以上(長期譲渡所得】 所得税:15.315%・住民税:9% |
印紙税と仲介手数料は、売買金額が高くなるにつれて増額します。譲渡所得税は、不動産の所有期間によって変動します。5年以内に売却すると短期譲渡所得になるため、税率が高めになります。



税負担を少なくするのであれば、5年経過してから売却した方が良いでしょう。
参照
国税庁|不動産売買契約書の印紙税の軽減措置
国税庁|抵当権の抹消登記に必要な書類と登録免許税
国土交通省|<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ
国税庁|土地や建物を売ったとき
共有不動産売却でよくあるトラブルケース3選


複数の権利者が関わる共有不動産の売却では、利害関係の調整が難しく、しばしば深刻なトラブルに発展します。ここでは、売却手続きの過程で起こりやすい代表的な3つのトラブルケースについて解説します。
よくあるトラブルを確認することで、事前に対策を立てやすくなります。共有者間で十分に話し合い、必要に応じて不動産会社や弁護士に相談しながら進めましょう。
売却価格でもめてしまった
共有者間で売却条件の合意が形成できず、手続きが停滞するケースは少なくありません。たとえば、以下のように各々の事情によって希望する条件が対立することが挙げられます。
- 少しでも高値で売りたいと考える共有者
- 価格を下げてでも早期に現金化したい共有者 など
このような意見の相違を放置すると、売り出しのタイミングを逃し、結果的に不動産市場での好機を失うリスクが生じます。
売却を成功させるには、客観的な査定額を基準に利害を調整し、妥協点を探ることが求められます。
関連記事:共有持分の売却トラブルとは?よくあるケースや法的措置を解説【弁護士監修】
共有者の所在がわからない
不動産全体を売却するには全員の同意が不可欠であるため、共有者の中に連絡が取れない方や行方不明の方がいると手続きが完全にストップします。
解決策として、家庭裁判所へ不在者財産管理人の選任を申し立てる方法が存在します。しかし、この手続きには一定の期間を要するため注意が必要です。
| 手続きの注意点 | 概要 |
|---|---|
| 期間の長期化 | 選任されるまでに通常3カ月〜6カ月程度の期間がかかる |
| 機会の損失 | 手続きを待つ間に、好条件での売却チャンスを逃す恐れがある |
所在不明者が判明した際は、売却計画の遅延を防ぐためにも、早急に法的な対処へ移行することが重要といえるでしょう。
関連記事:共有名義の不動産売却はトラブルに要注意!回避策とスムーズに売る方法
他の共有者が持分を買取会社に売却してしまった
共有者の一人が自身の持分を専門の買取会社へ売却してしまうと、残された共有者は予期せぬ紛争に巻き込まれる恐れがあります。
買取会社は利益の最大化を目的とするため、以下のような強硬な手段に出るケースが散見されます。
- 手に入れた持分を他の共有者へ高値で買い取るよう要求する
- 逆に、他の共有者の持分を安値で譲るように迫る
- 共有物分割請求訴訟を提起し、競売による強制的な換価を求める



不本意な形で不動産を失わないためにも、業者から執拗な接触があった場合は当事者間での対応を避け、速やかに弁護士へご相談ください。
共有不動産を売却するときの5つの注意点
共有不動産の売却は、単独名義の物件に比べて権利関係が複雑になりがちです。そのため、思わぬトラブルに発展して手続きが頓挫してしまうケースも少なくありません。
スムーズに取引を進めるためには、いくつかの重要なポイントを押さえておくことが求められます。ここでは、売却時に注意すべき5つの事項を解説します。
共有不動産の売却相場は市場価格より安くなる傾向がある
不動産の共有持分のみを売却する場合、単独所有の物件に比べて相場が大幅に低くなるのが一般的です。その主な理由として、以下の点が挙げられます。
- 不動産全体を活用・処分するには他の共有者の同意が必要になる
- 権利関係が複雑なため、一般の個人買主からは敬遠されやすい
- 最終的な買い手が専門業者になりやすく、卸値(買取価格)が適用される
このような背景から購入希望者にとって扱いづらい物件と見なされ、売却相場は本来の市場価格の1/2〜1/3程度にとどまる傾向にあります。
持分の売却を検討される際は、こうした価格下落の仕組みをあらかじめ理解したうえで査定を依頼し、複数の条件を慎重に比較検討してください。
関連記事:共有持分売却相場はどのくらい?市場価格より安い理由と高く売る方法を解説
共有者全員と売却条件を事前にすり合わせる
共有不動産の売却において最も多いトラブルが、共有者間での意見の対立です。
「希望する売却価格が異なる」「そもそも売却に同意しない」といった理由で、計画が白紙に戻るパターンは珍しくありません。
トラブルを未然に防ぐためには、本格的な売却活動を始める前に、関係者間でしっかりと協議を行うことが不可欠といえます。具体的には、以下の条件についてあらかじめ全員の合意形成を図っておくことが重要です。
- 売り出し価格
- 許容できる最低売却価格
- 希望する引き渡し時期 など
これらの条件を事前にすり合わせておくことで、不動産会社への依頼や買主との交渉を円滑に進められるようになります。
共有者が居住中の場合は立ち退きやリースバックの可否を整理する
対象となる不動産に共有者の誰かが住んでいる場合、売却のハードルはさらに高くなります。居住者の生活基盤を奪うことになるため、無理に立ち退きを迫ると激しい反発を招く恐れがあるからです。
このようなケースでは、居住者の権利に配慮しつつ、現実的な解決策を探ることが求められます。具体的に検討すべき選択肢としては、以下のような方法が挙げられます。
- 居住している共有者に他の持分を買い取ってもらう
- 不動産会社・リースバック事業者などの第三者へ売却し、賃料を払って住み続ける「リースバック」を利用する
状況に応じて柔軟なアプローチを提示することで、感情的な対立を避けつつ、売却に向けた前向きな合意を引き出しやすくなります。
関連記事:共有名義の居住権はどうなる?配偶者居住権との関係やトラブル解決策を徹底解説
売却代金や経費は、持分割合どおりに正確に分配・負担する
共有不動産を売却した後の代金分配や、手続きにかかった経費の清算には、細心の注意を払わなければなりません。
税務上のトラブルを避けるため、各自が所有する持分割合に応じて、正確に利益を分け合い費用を負担することが必要です。
もしこの原則を無視して不均等な分配を行った場合、以下の表のように思わぬ税金が課されるリスクが生じます。
| リスクとなる行為 | 税務上の取り扱い |
|---|---|
| 特定の共有者に多く利益を配分する | 多く受け取った分が「みなし贈与」と判定される |
| 親族間で相場より著しく安く売買する | 差額分に対して高額な贈与税が課される可能性がある |
親族間であってもどんぶり勘定は避け、割合通りの厳格な資金管理を行うことが不可欠です。
関連記事:共有不動産の放棄と譲渡による贈与税の課税
相続した共有不動産は売却前に名義変更(相続登記)を完了させる
親や祖父母から引き継いだ不動産を売却する際、登記簿上の名義が亡くなった方のままでは買主へ所有権を移転できません。そのため、遅くとも引き渡し前までに、現在の権利者への名義変更(相続登記)を完了させましょう。
長期間放置すると新たな相続が重なり、共有者がネズミ算式に膨れ上がって売却が事実上不可能になるリスクがあります。
なお、2024年(令和6年)4月1日より、相続登記が法律で義務化されました。制度の要点は以下の通りです。
| 相続登記の義務化に関するポイント | 概要 |
|---|---|
| 申請の期限 | 相続の開始および不動産の所有権の取得を知った日から3年以内 |
| 過去の相続への適用 | 2024年4月1日以前の相続も対象(原則2027年3月31日が期限) |
| 未申請時のペナルティ | 正当な理由なく怠った場合は10万円以下の過料の可能性 |
過去に発生した相続についても遡及適用される点には十分な注意が必要です。



まずは正確な相続人調査を行い、速やかに登記手続きを済ませるようにしてください。
関連記事:共有不動産の相続はどうなる?手続きの流れや共有名義のメリットデメリットを弁護士が解説
共有不動産の売却はトラブル回避のために弁護士に相談する


共有不動産の売却は権利関係が複雑になりやすく、当事者間でのトラブルに発展するケースが少なくありません。個人での解決が困難になる前に、不動産問題に精通した弁護士へ相談することが円滑な取引への近道といえるでしょう。
弁護士が介入することで、主に以下のサポートを受けられます。
- 感情的に対立する共有者間での交渉代行
- 所在不明や相続で複雑化した権利関係の整理
- 共有物分割請求など法的手続きの遂行 など
法的な観点から状況を分析し、依頼者にとって最適な売却ルートを提示いたします。



手続きに行き詰まりを感じた際は、まずは弁護士にご自身の状況をご相談ください。
共有不動産の売却に関するよくある質問
共有名義の不動産を売却する際は3,000万円控除は適用されますか?
3,000万円の特別控除は、居住用の不動産(マイホーム)を売却した場合に適用される制度です。
共有名義の場合、不動産1つに対してではなく、共有者1人ごとに最大3,000万円まで控除が適用されます。
たとえば、夫婦で1/2ずつの共有名義になっている家を売却した場合、夫と妻それぞれに3,000万円の控除が適用されるため、合計で6,000万円までが非課税になる計算です。
マイホームを売却する際は、税負担を軽減するためにも特別控除の適用条件を確認しましょう。
共有持分の評価額はどのように決まりますか?
共有持分の評価額は、対象となる不動産全体の市場価格をもとに、自身の持分割合をかけて算出するのが基本です。(参照:国税庁|第1章 総則)
ただし、持分のみでは単独で利用・売却ができないため、一般的には単独所有の不動産と比べて市場価値が低くなります。
買取業者に売却する場合は、その利用制限を考慮して、路線価や固定資産税評価額などを参考に、市場価格よりも低い金額で取引されることが多いです。
共有持分を買取ってくれる買取業者の目的は何ですか?
共有持分を専門に買い取る業者の主な目的は、最終的にその不動産全体を単独所有することです。
持分のみでは活用が難しいですが、他の共有者から持分を買い集める、あるいは共有物分割請求訴訟を起こすなどの手法によって、最終的に不動産全体の売却や活用を目指します。
これにより、市場価値が回復した不動産を再販し、利益を得ることを目的としています。
共有持分買取業者については、以下の記事でも解説しているので参考にしてください。
まとめ|共有不動産をトラブルなく売却するなら弁護士に相談しよう


共有不動産の売却は全員の同意が必要となるため、それぞれの意見が衝突しやすいデリケートな問題です。状況に応じた売却方法や注意点を正しく理解し、慎重に手続きを進める必要があります。
しかし、親族間での条件交渉や所在不明の共有者がいる場合など、当事者同士では解決が困難なケースも少なくありません。
無用なトラブルを防ぎ、適正価格でスムーズに売却するためにも、行き詰まりを感じたら早めに弁護士へ相談することが大切です。
共有不動産の売却に関するお悩みは、弁護士法人アクロピースにご相談ください。不動産の共有名義トラブルに精通した弁護士が、個々のケースに合わせて適切な解決策を提案いたします。



初回60分の無料相談も実施しておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
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