叔父叔母の遺産相続は誰に?相続順位や相続分、注意点を解説

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弁護士法人アクロピース代表弁護士(弁護士・税理士)

 

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東京税理士会:登録番号155401

相続分野を重点的に扱い、これまで累計7,000件以上の相続相談に対応してきました。遺産分割や遺留分、不動産を含む相続トラブルから、生前対策・遺言書作成まで幅広く経験しています。
「誰が何と言おうと依頼者の味方である」ことを信念に、スピードと実行力を重視した対応を心がけています。

叔父や叔母が亡くなった場合、誰が遺産を相続するのか、自分に相続権があるのか知りたいという方もいるのではないでしょうか。

叔父・叔母は直系親族ではないため、甥・姪の相続順位は高くありません。
しかし、稀に甥や姪が相続人になるケースもあるため、気になる方は調べておくと良いでしょう。

今回は、法定相続人に関する基本を説明したうえで、叔父・叔母の相続順位と相続分、手続きの流れや注意点を解説します。

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目次

法定相続人に関する基礎知識

付箋にメモをして家系図に貼ろうとしている様子

叔父や叔母の相続について考える前に、まずは法定相続人に関する基本を理解しましょう。

法定相続人とは

法定相続人とは、民法で定められた「死亡した人(被相続人)の財産を相続する権利のある人」のことです。

具体的には、配偶者と血族が法定相続人に該当します。

  • 死亡した人の配偶者(常に法定相続人)
  • 死亡した人の血族(相続順位の高い人が法定相続人になる)

法定相続人の範囲

法定相続人となり得るのは、配偶者と血族のみです。
具体的な法定相続人の範囲は、以下の通りです。

  • 死亡した人の配偶者
  • 死亡した人の子ども
  • 死亡した人の直系尊属(父母や祖父母など)
  • 死亡した人の兄弟姉妹
  • 代襲相続人

参考:国税庁「相続人の範囲と法定相続分

代襲相続人とは、本来の相続人がすでに死亡している場合、その人に代わって相続人となる人のことです。

死亡した人の子どもがすでに死亡している場合は「孫」、死亡した人の兄弟姉妹が死亡している場合は、その子どもである「甥・姪」が代襲相続人となります。

法定相続人の相続順位と相続分

法定相続人には、相続の優先順位があります。
配偶者は必ず相続人となりますが、それ以外の人の相続順位は以下の通りです。

法定相続人相続順位
配偶者常に
死亡した人の子ども第1順位
死亡した人の直系尊属(父母や祖父母など)第2順位
死亡した人の兄弟姉妹第3順位
参考:国税庁「相続人の範囲と法定相続分

配偶者以外の血族については、相続順位が高い人が法定相続人となります。

第2順位の人は、第1順位の人がいないときに限り相続人となり、第3順位の人は、第1順位と第2順位の人がいないときに限り相続人となる仕組みです。

たとえば、死亡した人に子どもがいる場合、「配偶者と子ども」が法定相続人になるケースが多いです。

この場合、第2順位以降の直系尊属(父母や祖父母など)、兄弟姉妹は相続人にはなりません。

また、誰が相続人になるかによって、相続分が変わります。

具体的な相続分は、以下の通りです。

配偶者と子どもが相続人の場合配偶者2分の1
子ども(2人以上のときは全員で)2分の1
配偶者と直系尊属が相続人の場合配偶者3分の2
直系尊属(2人以上のときは全員で)3分の1
配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合配偶者4分の3
兄弟姉妹(2人以上のときは全員で)4分の1

叔父・叔母の遺産相続!法定相続人は誰?

家を囲む家族のぬいぐるみ

叔父・叔母の法定相続人に誰がなるかは、子どもがいる場合といない場合で異なります。

具体的には、以下の通りです。

叔父・叔母の状況法定相続人
叔父・叔母に子どもがいる場合・配偶者
・子ども
叔父・叔母に子どもがいない場合・配偶者
・父母または祖父母
・父母または祖父母がいない場合は兄弟姉妹

甥・姪が叔父・叔母の相続人になるのはどんなとき?

書類にサインする女性

甥・姪が叔父・叔母の相続人になるパターンは、あまり多くはありません。

たとえば、以下のような状況が考えられます。

  • 叔父・叔母に配偶者・子ども・両親がおらず、兄弟姉妹が叔父・叔母よりも前に亡くなっている場合
  • 叔父・叔母の子どもや両親が相続放棄し、兄弟姉妹が叔父・叔母よりも前に亡くなっている場合

甥・姪が叔父・叔母の相続人となるのは、以下の条件がすべてそろった場合です。

  • 相続順位の高い法定相続人(子ども・両親)がいない
  • 自分の親(死亡した人の兄弟姉妹)が叔父・叔母よりも前に亡くなっている

この条件がすべてそろうと「代襲相続」が認められ、死亡した人の兄弟姉妹から、その子どもである甥・姪に相続権が移ります。

甥・姪が叔父・叔母の相続人になるときの相続分

電卓と通帳、現金、印鑑がテーブルに置いてある画

甥・姪が叔父・叔母の相続人になるときの相続分は、兄弟姉妹(第3順位)の相続分と同じです。
具体的には、配偶者がいるかどうかで異なります。

配偶者がいる場合甥・姪の相続分は4分の1
※複数いる場合は均等に分ける
配偶者がいない場合甥・姪がすべて相続
※複数いる場合は均等に分ける

叔父・叔母の遺産相続における手続きの流れ

遺産分割協議書と委任状の2枚の書類と印鑑

叔父・叔母が亡くなったときの遺産相続手続きは、以下の流れで行います。

  1. 相続人の確定
  2. 相続財産の確定・評価
  3. 遺産分割方法の協議
  4. 遺産分割協議書の作成
  5. 相続手続き(名義変更など)

甥・姪が相続を放棄する場合は、叔父・叔母の死亡を知った時から3ヶ月以内の手続きが必要です。

相続税の申告・納付は、10ヶ月以内を目安にできる限り早めに行いましょう。

10か月以内に相続税申告をしない場合、相続税額を低くする特例が使えなくなってしまいます。

関連記事:相続での預貯金等の名義変更について解説

叔父・叔母の遺産相続に関する注意点

「注意点」と書かれた付箋とペン

続いては、叔父・叔母の遺産を相続するときに、注意したいポイントを紹介します。

遺言書の有無を確認する

叔父・叔母の相続手続きを始める前に、必ず遺言書の有無を確認しましょう。

マイナスの遺産も相続の対象となる

法定相続人として叔父・叔母の遺産を相続する場合、プラスの遺産だけでなくマイナスの遺産も相続の対象となります。

マイナスの遺産だけを放棄して、プラスの遺産だけを相続することはできません。

マイナスの遺産を相続したくない場合は、プラスの遺産も含めて相続放棄の手続きが必要です。

相続放棄の手続きは、前述の通り、叔父・叔母の死亡を知ってから3ヶ月以内に行う必要があります。

詳しい手続き内容については、以下の記事をご覧ください。

関連記事:相続放棄の基本と手続き方法について

兄弟姉妹の代襲相続人に遺留分はない

一定の法定相続人には、遺留分侵害額の請求権が認められています。

遺留分とは「遺言でも奪うことができない遺産の最低限の取り分」です。

たとえば、配偶者と兄弟2人が法定相続人の場合、「長男にすべての遺産を相続する」という遺言書が残されていたとしても、配偶者と弟が長男に対して「遺留分侵害額請求」をすることで、最低限の金銭の支払いを請求することができます。

ただし、遺留分の請求が認められている相続人の範囲は、配偶者・子ども・両親です。

兄弟姉妹には、遺留分を請求する権利がないため、代襲相続人である甥・姪にも、当然ながらその権利は認められていません。

兄弟姉妹の代襲相続は相続税が2割加算

相続税額の2割加算とは、配偶者・子ども・両親(一親等の血族)以外の人が遺産を相続した場合、その人の相続税額には、取得した財産に課せられる相続税額の2割に相当する金額が加算されるというものです。
参考:国税庁「相続税額の2割加算

兄弟姉妹の代襲相続人である甥・姪は、 「配偶者・子ども・両親(一親等の血族)以外の人」に該当します。

相続税が2割加算される点をあらかじめ理解しておきましょう。

相続問題で迷った際の
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まとめ

おじいちゃんとおばあちゃんのマスコットが寄り添う様子

甥・姪が叔父・叔母の相続人になるケースは、そう多くはありません。

しかし、可能性はゼロではないため、相続や相続放棄を検討している場合は、正しい知識を身につけることが大切です。

  • 叔父・叔母の配偶者は必ず相続人となる
  • 叔父・叔母に子どもがいない場合、配偶者と父母(または祖父母)が相続人となる
  • 叔父・叔母に配偶者や子ども、父母(または祖父母)がいない場合、兄弟姉妹が相続人となる
  • 法定相続人となった兄弟姉妹が叔父・叔母が亡くなる前に亡くなっている場合、その子どもである甥・姪が相続人となる(代襲相続)

叔父・叔母が亡くなったとき、自分が相続人となる可能性がある場合は、相続放棄の手続きについて調べておくことをおすすめします。

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