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土地と建物の名義が違うと立ち退きになる?ケースごとの違いや解決策を弁護士が解説
「土地は地主のものだが、その上の建物は自分の名義になっている」
「地主から急に立ち退きを迫られたが、従わなければならない?」
土地と建物の名義が異なる状態で生活しており、突然の立ち退き要求に不安を感じている人も多いのではないでしょうか。名義が違うというだけで住む権利が失われたり、即座に出て行かなければならなかったりすることは、原則としてありません。
本記事では、土地と建物の名義が違う場合の法的権利や、立ち退きを拒否できる条件について弁護士の視点で解説します。自分の生活を守るための知識を身につけ、冷静な判断ができるよう準備を整えましょう。
名義が違うだけで即立ち退きにはならない:土地と建物の名義が異なっていても、それだけで住む権利が失われることはない。借地権などの法的根拠があれば、保護される。
判断基準は「契約形態」と「正当事由」:賃貸借(借地権)なら、地主は正当事由なしに立ち退きを求められない。一方、使用貸借(無償)は保護が弱く、立ち退きリスクが高い。
建物登記と地代支払いが最大の防御策:建物が自己名義で登記され、地代の支払い実態があれば、地主変更後も権利を主張できる可能性が高まる。
相続・売却がトラブルの引き金になる:親の死亡や土地売却を機に、これまで問題なかった関係が一変するケースが多いため、事前の権利整理が不可欠。
放置せず、早めの専門家相談が重要:口約束や曖昧な契約のままでは不利になりやすい。立ち退き要求が出る前に、弁護士に相談し法的に備えることが大切。
立ち退きトラブルに関する悩みを抱えている方は、弁護士法人「アクロピース」にお任せください。不動産トラブルに精通した弁護士が、個々のケースに応じたアドバイスをいたします。初回60分の無料相談も実施しているので、まずはお気軽にご相談ください。
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土地と建物の名義が違っても原則「即立ち退き」にはならない
土地と建物の名義が異なること自体は、日本の不動産慣行において珍しいことではありません。
多くの場合は「借地権」などの正当な権利に基づいて土地を利用しており、名義の違いが直ちに違法性を示すとは限りません。地主からの要求であっても、法的な根拠が不足していれば、居住者は住み続ける権利を主張できます。

監修者コメント
土地と建物の名義が違うだけで、直ちに立ち退きを強いられるわけではありません。立ち退きが必要かどうかは、契約内容と実態など、さまざまな要素が複雑に考慮されます。
とくに、相続や売却で相手方が変わると、トラブルになりやすくなります。感情的に立ち退きに応じる前に、法的に「守られる権利」があるかを冷静に確認することが大切です。
ここでは、土地と建物の名義が違う場合の立ち退きについて、詳しく解説します。
立ち退きになるかは「契約内容」と「正当事由」で決まる
立ち退きが必要かどうかを判断するポイントは、地主と建物所有者の間でどのような契約が結ばれているかという点です。
土地を利用する権利には、主に以下の2種類が存在します。
- 賃貸借(地代を払う)
- 使用貸借(無償で借りる)
地代を支払っている賃貸借契約の場合、借地借家法という法律によって借主の権利は手厚く守られています。
地主側が契約を解除して立ち退きを求めるには、単なる「返してほしい」という要望だけでは認められません。法律上、契約の更新を拒絶する「正当事由」が必要となり、ハードルは高く設定されています。
一方、無償で借りている場合は保護が弱くなるため、まずは自身の契約形態を確認することが第一歩です。
土地の所有者が変わったとしても一定の場合には強制的に出て行く必要はない
「土地の名義人が絶対的な権限を持っている」と誤解されがちですが、建物の名義人にも強力な占有権原があります。
建物を借地権者自身の名義で登記していれば、土地の新しい所有者に対しても権利を主張することが可能です(借地借家法第10条)。
したがって、新しい地主から「出て行け」と言われても、法的にはその主張だけで強制退去させられることはありません。
立ち退きは拒否できる?「契約形態」ごとの違いを解説
立ち退き要求を拒否できるかは、地主との間でどのような取り決めがなされているかによって大きく異なります。
毎月対価を支払っている場合と、親族間などでタダで借りている場合とでは、法律の適用ルールが別物になるからです。
ここでは、代表的な2つの契約形態である「賃貸借」と「使用貸借」を、拒否できる可能性を解説します。
借地権(賃貸借)なら「正当事由」がない限り拒否できる
地代を支払って土地を借りている「賃貸借契約(借地権)」の場合、借主は借地借家法により強力に守られています。地主が契約の更新を拒絶したり解約を申し入れたりするためには、正当事由が必要です。
正当事由とは、地主がその土地を自ら使用する必要性が、借主がその土地に住み続ける必要性を大きく上回る場合などを指します。現実の裁判では、地主側の事情だけで正当事由が認められるケースは珍しく、多くの場合で立ち退き料の支払いが必要です。



借地権がある限り、納得できる条件提示がないまま一方的に追い出される心配はありません。
使用貸借(無償)なら立ち退きを迫られるリスクが高い
地代を支払わずに無償で土地を借りている状態(使用貸借契約)は、主に親子や親族間で多く見られる契約形態です。
使用貸借は借地借家法の適用外となるため、借主の権利は強くありません。立ち退きを求められた際、返還しなければならないリスクが高まります。
使用貸借のリスクが高まる主な状況は、以下のとおりです。
| 状況 | リスクの内容 |
|---|---|
| 地主の相続 | 相続人(兄弟など)から「不公平だ」として立ち退きを迫られる |
| 土地の売却 | 新しい地主には使用貸借の権利を主張できず、退去となる可能性が高い |
| 人間関係の悪化 | 親族間トラブルなどで信頼関係が崩れると、解約事由になり得る |
原則として、契約で定めた期間が終了するか、使用収益の目的(「家を建てて住む」など)が完了すれば、返還義務が生じます。
とくに注意が必要なのは、地主(親など)が死亡して相続が発生した場合や、土地が第三者に売却されたケースです。信頼関係に基づいた契約であるため、人間関係が崩れたり当事者が変わったりすると、「信頼関係の破壊」として解除が認められやすくなります。



無償で借りている場合は、法的な対抗手段が限られるため、早急な対策が必要です。
関連記事:使用貸借で立ち退き請求は可能か?契約終了の条件やトラブル回避策を解説
【ケース別】土地と建物の名義が違う状態で立ち退きが迫られる場面
土地と建物の名義が異なるトラブルは、長年変わらないと思っていた状況が変化したタイミングで突然発生します。相続や売買が絡むと、それまでの「なあなあの関係」が一変し、ドライな法的処理を迫られることが一般的です。
とくに、土地と建物の名義が違う状態で立ち退きが迫られやすい場面は、以下のとおりです。
自身の状況が以下のどのケースに当てはまるかを確認し、起こりうる事態を予測しておきましょう。
親の土地に子どもが家を建てているケース
親が所有する土地に、子どもが自分名義で家を建てて住むことは、よくあるケースです。多くの場合、地代を払わない「使用貸借」または相場より著しく安い地代での契約となっています。
このケースで立ち退きが迫られるのは、主に親子関係が悪化した場合や、親が介護費用捻出するために土地を売りたいと考えたときです。権利関係が曖昧なまま家を建ててしまっていることが多く、契約書が存在しないことも珍しくありません。



親が元気でかつ仲が良いうちに、権利関係(地代の有無や将来の相続について)を明確にしておくことが大切です。
相続(死亡)により土地と建物が別々の所有者になったケース
元々は土地も建物も父親名義だったが、相続によって「土地は長男、建物は次男」のように所有者が分かれるケースも、立ち退きトラブルに発展しやすいです。
兄弟仲が良ければ問題ありませんが、土地所有者である長男が「土地を売ってお金にしたい」と考えたときはトラブルになりやすい傾向があります。土地上に他人の建物があると売却価格が下がるため、長男は次男に対して建物の取り壊しや立ち退きを要求するようになるでしょう。
相続時に発生するトラブルパターンは、主に以下のとおりです。
| パターン | 具体例 |
|---|---|
| 兄弟間対立 | 土地を相続した兄弟から、高額な地代や立ち退きを要求される |
| 共有名義 | 土地が兄弟の共有になり、売却派と維持派で意見が割れる |
| 権利不明確 | 遺産分割協議で利用権について触れず、法的根拠が曖昧になる |
この場合、建物所有者(次男)が土地を利用する権限が何に基づいているかが争点となります。遺産分割協議書で土地の利用権について明確な取り決めがない場合、法的な解釈が難しくなり、泥沼の争いに発展しがちです。



相続発生時は、単に名義を分けるだけでなく、その後の土地利用契約までセットで決める必要があります。
地主が底地(土地)を第三者に売却してしまったケース
ある日突然、見知らぬ不動産業者や投資家から「この土地の新しい所有者になった」と連絡が来るケースもゼロではありません。
地主が、借地権付きの土地(底地)を借主に断りなく第三者に売却することは法的に可能です。土地の価値を高めるために、強引な手法で立ち退きを迫ってくる地主も存在します。
しかし、借地権として対抗要件(建物の登記など)を備えていれば、地主が変わっても居住権は守られます。相手は立ち退きのプロである可能性が高いため、個人の判断で交渉に応じず、弁護士を挟んで対応するのが鉄則です。
関連記事:底地権・借地権とは?違いやメリット・デメリットと売却時の注意点を解説
土地使用が「口約束」の場合、立ち退きリスクはどうなる?
昔からの地主との関係では、きちんとした契約書を作らず「口約束」だけで土地を借りていることが多々あります。
「契約書がない=権利がない」と不安になるかもしれませんが、契約は口頭でも成立します。しかし、いざ立ち退きトラブルになった際、契約内容を証明するものが何もない状態は、借主にとって大きなリスクとなるでしょう。
ここでは、契約書がなくても借地権が認められるケースや、不利になりやすいケースを解説します。
契約書がなくても借地権が認められるケース
借地借家法が適用される「借地権」は、紙の契約書が存在しなくても成立します。重要なのは、以下の2点です。
- 土地を借りる合意があったか
- 地代を支払っている事実があるか
長年にわたり地代を支払っており、地主がそれを受け取っていれば、黙示の賃貸借契約が成立しているとみなされます。さらに、その土地上の建物が借主名義で登記されていれば、第三者に対しても借地権を主張できます。



したがって、契約書がないという理由だけで即座に立ち退きに応じる必要はありません。
しかし、契約期間や更新の条件などが不明確なため、争いになった際に事実関係を立証する準備が必要です。
以下のような証拠資料を準備しましょう。
| 資料名 | 証明できる内容 |
|---|---|
| 地代の振込明細 | 賃貸借契約として対価を支払っている事実 |
| 建物の登記事項証明書 | 第三者に対抗できる権利を有している事実 |
| 固定資産税の納税通知 | 建物所有者として公的に認められている事実 |
口約束だと不利になりやすい具体例
口約束の弱点は、「言った・言わない」の水掛け論になった際に客観的な証拠がないことです。
地主から「あの時は一時的な使用のつもりで貸した」「地代ではなく、ただの謝礼として受け取った」と主張されると反論が難しくなります。
とくに、賃貸借(有料)か使用貸借(無料・著しく低額)かの境界線が曖昧な場合、借主の法的地位が脅かされます。また、更新料の有無や、建て替えの承諾についての取り決めも、口約束では曖昧になりがちです。
口約束で揉めやすいポイントは、以下のとおりです。
- 地代の性質:「賃料」なのか「固定資産税の負担分」なのか
- 契約の期間:いつまで借りられる約束だったのか
- 使用目的:居住用のみか、事業用も含むか
- 更新の条件:更新時に更新料を支払う約束があったか
地主が変わった際に「契約書がないなら出て行ってほしい」と言われ、交渉が難航するケースは珍しくありません。可能であれば、今の地主との関係が良好なうちに、現在の利用状況を書面化しておくことを推奨します。
立ち退き料(補償金)はもらえる?判断基準や相場を解説
立ち退きを求められた際、最終的な解決策として「立ち退き料」の受け取りで合意するケースが多くあります。
しかし、立ち退き料は法律で一律に決まっているものではなく、すべてのケースでもらえるわけでもありません。
どのような状況で支払いが発生し、どれくらいの金額が妥当なのか、その仕組みを理解しておきましょう。
立ち退き料が発生するケース
立ち退き料が発生するのは、主に地主側の「正当事由」が不足しているのを補完する場合です。
前述の通り、借地権がある借主を退去させるには強力な正当事由が必要ですが、100%満たされるケースは稀です。正当事由が足りない部分の調整弁として、立ち退き料が発生します。
立ち退き料が発生する具体的なケースは、以下のとおりです。
| 正当事由が不足している | 地主の事情だけでは退去させる根拠が弱い場合 |
|---|---|
| 早期解決の必要がある | 裁判をせずに早期に土地を明け渡してほしい場合 |
| 借主の経済的損失が大きい | 移転によって借主が大きな出費を強いられる場合 |
関連記事:立退料を払ってくれない場合の理由とは?基礎知識や交渉の流れも解説
立ち退き料が発生しないケース
一方で、借主側に明らかな落ち度がある場合や、権利関係が弱い場合は、立ち退き料なしで退去となることもあります。
立ち退き料がもらえない主なケースは、以下のとおりです。
| 債務不履行 | 地代の滞納や無断転貸など、契約違反がある場合 |
|---|---|
| 使用貸借 | 無償での貸し借りは借地借家法の保護対象外 |
| 定期借地権 | 期間満了で契約が終了すると定めている場合 |
| 建物の朽廃 | 建物が古すぎて物理的に居住不可能な状態になった場合 |
代表的なのは、長期間にわたる「地代滞納」や、地主に無断で増改築を行う「契約違反(信頼関係の破壊)」がある場合です。契約違反があれば、地主は正当な権利として契約解除を行えるため、補償金を支払う必要がありません。
また、そもそも借地借家法で保護されない「使用貸借(無償)」の場合も、地主は立ち退き料を支払う必要はありません。「定期借地権」のように契約期間の満了で必ず終了する契約の場合も同様です。
関連記事:立退料がもらえないときの対処法は?もらえる・もらえないをケース別に解説
立ち退き料の相場と算定要素
「立ち退き料は○○万円」という決まった相場はなく、個別の事情を総合的に考慮して算出されます。借地権価格(更地価格の60〜70%程度)の一部や、実費としての移転費用などが考慮されるのが一般的です。
裁判例や実務においては、以下の3つの要素を積み上げて計算するアプローチがよく取られます。
- 移転実費:引っ越し代や新居の敷金・礼金、仲介手数料など
- 借地権の対価:その場所を利用できる権利の価値(借地権価格の○%など)
- 営業補償・慰謝料:店舗なら休業損害、精神的負担に対する考慮
上記を合計し、地主と借主の交渉によって最終的な金額が決まります。提示額が安すぎると感じた場合は、不動産鑑定士や弁護士による算定根拠を示すことで増額交渉が可能です。
関連記事:立ち退き料の算出要素に基づく相場と過去の判例に見える特徴
名義の違いによる立ち退きトラブルの根本的な対処法
不安定な権利関係を解消し、将来の不安を取り除くためには、根本的な解決策を実行する必要があります。
土地と建物の名義が違うトラブルを解決する方法は、主に以下の3つです。
以下、それぞれ具体的に解説します。
1.土地と建物の名義を統一する(売買・交換)
理想的な解決策は、土地と建物の所有者を同一人物にすることです。名義が統一されれば、借地関係は解消され、自由な売却や建て替えが可能になり、資産価値も大幅に向上します。
名義を同一にする主な方法として、以下の2種類が存在します。
- 借主が地主から「底地(土地)」を買い取るパターン
- 地主が借主から「借地権(建物)」を買い取るパターン
資金的な余裕がない場合は、「等価交換」という手法も有効です。広い敷地であれば、土地の一部を借主のものとし、残りの土地上の借地権を地主に返すことで、土地を物理的に分割してそれぞれの完全所有権にできます。



当事者同士で話し合える関係であれば、まずはこの売買・交換を検討してみましょう。
関連記事:不動産売買契約書を個人間で取り交わすには?必要書類と登記・税金も解説
2.第三者へ売却する(借地権の売却・底地の売却)
当事者間での売買が難しい場合、第三者へ権利を売却して現金化し、その関係から離脱する方法も考えられます。
主な売却パターンは、以下の3つです。
| パターン | 特徴 |
|---|---|
| 借地権のみ売却 | 買い手が限られるため価格は低くなる傾向があります。地主の承諾が必要です。 |
| 同時売却 | 所有権として売れるため高値が期待できます。地主の協力が必須です。 |
| 底地のみ売却 | 地主が勝手に売却を行うケースです。借主は、新しい地主との関係構築が必要になります。 |
建物所有者は、地主の承諾を得ることを条件に、建物と借地権を第三者に売却して引っ越すことが可能です。もし地主が承諾してくれない場合でも、裁判所が相当と認めるときは、裁判所の許可(借地非訟手続き)を得て売却を進める道も残されています(借地借家法第19条)。
さらに効果的なのは、地主と協力して、土地(底地)と建物をセットで第三者に売却する「同時売却」です。それぞれ単独で売るよりも市場価格に近い高値で売れる可能性が高まります。



売却代金を借地権割合などに基づいて地主と借主で分配すれば、双方が満足のいく結果を得やすくなるでしょう。
関連記事:底地とは?種類や所有のメリット・デメリットなどをわかりやすく解説
関連記事:貸している土地を売ることは可能なのか?方法や気をつけるべきポイントを解説
3.専門家に相談して権利関係を整理する
いきなり売買や売却に踏み切れない場合は、まずは現在の契約内容を法的に整理し直すことから始めましょう。
口約束だけの状態や、何十年も前の古い契約書のままになっている場合は、現代の法令に即した新しい契約書を作成します。以下の項目を明確に文書化することで、将来のトラブルを未然に防ぐことが可能です。
- 契約期間
- 地代の額
- 更新の条件
- 建て替えの承諾 など
この際、当事者だけで作成するのではなく、弁護士や司法書士を入れて「公正証書」にしておくことが大切です。公正証書は公証人が作成する公文書であり、高い証明力と執行力を持つため、「言った、言わない」の争いを防げます。
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土地と建物の名義が違う立ち退きの悩みを弁護士に相談するタイミング
立ち退き問題は初期対応を誤ると、不利な条件を飲まされたり、交渉が泥沼化したりするリスクがあります。「まだ大ごとにはなっていない」と思っている段階こそ、専門家の知見を借りましょう。
土地と建物の名義が違う立ち退きの悩みを弁護士に相談するタイミングは、以下の3つです。
以下、それぞれ詳細に解説します。
関連記事:不動産にまつわるトラブル解決のための弁護士費用目安と依頼のメリット
話し合いが噛み合わなくなったとき
地主との話し合いで、感情的な対立が生じたり、主張が平行線をたどり始めたりしたら、黄色信号です。
当事者同士の交渉は、過去の経緯や感情が邪魔をして、冷静な法的判断ができなくなることが多々あります。地主が「土地を返せ」の一点張りでこちらの事情を聞こうとしない場合、これ以上個人で説得するのは困難です。
とくに、以下のような場合は弁護士に相談しましょう。
- 相手が声を荒らげるなど、威圧的な態度を取るようになった
- こちらの提案に対して「検討する」と言ったまま返事がない
- 「法律なんて関係ない」「誠意を見せろ」と理不尽なことを言う
弁護士が入ることで、議論の土俵を感情論から法律論へと移せます。「法律上、このような権利があります」と客観的に伝えることで、相手も無茶な要求を引っ込めざるを得なくなるでしょう。
内容証明や通知書が届いたとき・送ろうとしているとき
地主側から「契約解除通知書」や「明渡請求書」などが内容証明郵便で届いた場合も、弁護士への相談に適したタイミングです。
相手方が裁判覚悟で動いている証拠であり、安易に回答すると後の裁判の結果にも影響を及ぼします。内容証明に書かれている期限や要求に慌てて従う必要はありませんが、無視をすることも危険です。
また、自身から地主に対して何らかの意思表示を内容証明で送ろうと考えている際も、事前に弁護士のチェックを受けましょう。
裁判・調停を考え始めたとき
話し合いで解決ができず、裁判所での調停や訴訟を検討し始めたら、独力での対応は限界です。
裁判の手続きは複雑で、厳格なルールに基づいた主張と立証が求められます。また、どのような証拠をどのタイミングで提出するかという「訴訟戦略」も勝敗に大きく影響します。
調停では調停委員を味方につけるための説得力が求められますが、法的な裏付けのない主張は聞き入れてもらえません。
弁護士に依頼すれば、煩雑な書類作成や裁判所への出頭をすべて任せられます。自分で実施するのに比べ正確に手続きができるうえ、精神的な負担も大幅に軽減されるでしょう。
土地と建物の名義が違う立ち退きに関するよくある質問
土地と建物の名義が違う状態で賃貸にできる?
借地上の建物を第三者に賃貸すること自体は、原則として可能です。建物の所有者はあなたであるため、誰に貸そうが自由なうえ「借地権の無断転貸(又貸し)」には当たりません。
しかし、契約書に「建物の賃貸禁止」などの特約がある場合や、使用方法が大きく変わる場合(住居用を店舗にするなど)はトラブルになる可能性があります。
法律上、建物の賃貸について地主への報告義務はありませんが、良好な関係維持のため、事前に一言報告を入れておくことが望ましいでしょう。
立ち退きを拒否し続けたら裁判になる?
地主との交渉が決裂し、それでも立ち退きを拒否し続けた場合、地主が明け渡しを求めて訴訟を起こす可能性は十分にあります。
裁判になった場合、争点は「正当事由の有無」に集中します。
正当事由の有無は、建物使用の必要性・従前の経過・建物の利用状況・立退料の提供などを総合考慮して正当事由を判断する点が特徴です(借地借家法第28条)。
地代を払い続け、契約違反もない状態であれば、借主側が勝訴(居住継続)するケースもあるでしょう。



裁判になることを過度に恐れず、正当な権利を主張し続ける姿勢が大切です。
建物が他人名義でもリフォームして大丈夫?
建物の所有者(名義人)であれば、内装のリフォームや設備の交換などは自由に行えます。
しかし、建物の構造に関わる大規模な修繕や増築を行う場合、借地契約上の「増改築禁止特約」に触れる可能性はゼロではありません。この特約がある場合、地主の承諾なしに工事を行うと契約解除の事由になり得ます。
リフォーム会社と契約する前に、必ず借地契約書の内容を確認し、必要であれば地主の承諾(承諾料の支払い含む)を得ましょう。
まとめ|土地と建物の名義が違うことによるトラブルは、早めに対策しよう
土地と建物の名義が違う状態は、今は平穏でも将来的に大きなリスクを孕んでいます。地主の代替わりや相続をきっかけに、住まいを追われたり、金銭トラブルに巻き込まれたりする可能性はゼロではありません。
地主との関係が良好なうちこそ、権利関係を整理する絶好のチャンスです。自身の大切な資産と生活を守るためにも、まずは不動産や法律の専門家に現状を相談し、一歩を踏み出してみてください。
立ち退きトラブルに関する悩みを抱えている方は、弁護士法人「アクロピース」にお任せください。不動産トラブルに精通した弁護士が、個々のケースに応じたアドバイスをいたします。初回60分の無料相談も実施しているので、まずはお気軽にご相談ください。
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