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相続人の一人が遺産分割協議に応じない場合は?放置リスクを弁護士が解説

「話し合いを拒否されて、相続手続きが一向に進まない…」
「相続人の一人が遺産分割協議に応じてくれない場合の対処法は?」
相続が発生すると、遺産の分け方を決める遺産分割協議が必要です。しかし、相続人全員の合意が必要なため、一人でも応じない人がいると手続きは止まってしまいます。
本記事では、相続人が遺産分割協議に応じない理由の分析や具体的な対処法を解説します。
遺産分割協議は相続人全員の合意が必要:一人でも応じないと手続きは進まない。
相続人が遺産分割協議に応じない理由:感情的対立、遺言への不満、無関心など多岐にわたる。
遺産分割協議を放置するリスク:相続税のペナルティや相続登記義務違反の過料、二次相続の複雑化など深刻なリスクが生じる。
相続人が遺産分割協議に応じない場合の対処法:「呼びかけ → 弁護士に相談・依頼 →遺産分割調停・審判」と段階的に進めるのが効果的。
やってはいけないNG行動:感情的な対応・勝手な分割・無断での預金引き出しに注意する。
弁護士 佐々木一夫放置した場合のリスク、やってはいけないNG行動も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
弁護士法人アクロピースは累計約7,000件以上の相談実績に基づき、遺留分侵害額請求・遺産分割協議について、トラブル解決を手厚くサポートします。
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相続人の一人が遺産分割協議に応じない8つの理由


遺産分割協議に応じない相続人がいる場合、まずはその理由を把握することが重要です。
応じない理由によって、連絡の取り方や必要な資料、専門家の介入が必要かどうかが変わってきます。
代表的な理由を8つ紹介します。
以下、それぞれのケースを詳しく解説します。
1. 遺言の内容に納得できない
被相続人(亡くなった方)が残した遺言書の内容に不満がある場合、遺産分割協議への参加を拒否するケースがあります。
たとえば「長男にすべての財産を相続させる」といった偏った遺言が残されていた場合、他の相続人が不公平だと感じるのは当然のことです。
遺言の内容に納得できない相続人は、遺留分侵害額請求を検討しているケースも少なくありません。
遺留分侵害額請求とは
遺言や生前贈与によって法律で保障された最低限の遺産取得分(遺留分)を侵害された相続人が、多くの財産を得た相手に対し侵害された金額に相当する金銭の支払いを求めること(民法第1046条)。
遺言に偏りがある場合は、遺留分を含めた法的な整理が必要になることもあるため、弁護士への相談をおすすめします。
遺留分侵害請求については、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせて参考にしてみてください。
関連記事:遺留分侵害額請求とは?手続きの流れや遺留分の計算方法を弁護士が解説
2. 感情的対立・兄弟間の確執がある
相続人間の感情的な対立のため、遺産分割協議が進まないことがあります。
- 「昔から不公平に扱われてきた」
- 「介護の負担に差があった」
上記のような不満が原因で、話し合いの場にすら参加しないケースは珍しくありません。
感情的対立が原因の場合、当事者同士の話し合いではかえって関係が悪化する恐れがあります。第三者である弁護士を間に入れることで、冷静な話し合いが実現しやすくなるでしょう。
関連記事:相続の遺産分割調停で嘘ばかりつかれたらどうする?不利にならない対処法を弁護士が解説
3. 特別の貢献(寄与分)に不満がある
被相続人への特別の貢献(寄与分)の主張について、相続人間で異論がある場合も協議は難航します。
その主張を他の相続人が認めなければ、協議には応じないという相続人もいるでしょう。
たとえば、相続人が、「被相続人を献身的に介護した寄与分があるから、その分を上乗せすべきだ」と主張するケースです。
「寄与分(民法904条の2)」とは、被相続人の療養看護や事業の手伝いなどを行って被相続人の財産の維持・増加に特別の寄与をした者に認められている相続分の加算制度です。
遺産から寄与分を控除した額を相続財産として各人の相続分を計算し、貢献した者の相続分は計算した相続分に寄与分を加えた額とするものです。
寄与分については、次の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
関連記事:相続で生前に貢献した人への増額を主張できる制度とは?寄与分の仕組みを解説
4. 多額の生前贈与を受けた(特別受益)相続人がいる
被相続人から特定の相続人に多額の生前贈与等(贈与又は遺贈)があった場合、遺産分割協議がスムーズに進まないことがあります。
たとえば、次のような贈与等があった場合は、特別受益だとの主張があり得るでしょう。
- 住宅新築費用の贈与
- 開業資金の援助
- 高額な有価証券の譲渡や不動産の無償使用
生前贈与を受けた相続人が特別受益の持戻しに同意すればよいですが、同意が得られない場合は、遺産分割協議が困難な場合もあるでしょう。
「特別受益の持ち戻し(民法903条)」とは、遺産分割の際に、被相続人が生前贈与等をした財産を相続財産に加算し、生前贈与等を受けた者の相続分から控除することです。
特別受益の持ち戻しについては、次の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
5. 相続財産の管理者に不信感がある
相続財産を管理している相続人への不信感も協議に応じない大きな理由になります。
遺産を管理している相続人が遺産全てを開示しなければ、遺産を使い込んだや遺産を独り占めにしようとしていると疑いを持ち、遺産分割協議が進まないこともあるでしょう。



たとえば、被相続人と同居していた相続人が生前から遺産を管理していた場合です。
そもそも、遺産の全容を相続人に明示しなければ、分割対象となる遺産を確定できないため、分割協議をすることすらできないと考えるでしょう。
6. 相続人とのつきあいがなかった
相続人同士が普段から全くつきあいがない場合、協議を行うことが難しいケースがあります。
たとえば、被相続人の前妻の子も遺産を相続する権利がありますが、相続が発生して初めて前妻との間に子がいることを知り連絡を取ることもあるでしょう。
その場合、スムーズにコミュニケーションが取れず、遺産分割協議の話し合いにまで至らないこともあるでしょう。
関連記事:夫死亡で前妻の子供に知らせないのはあり?
7. そもそも遺産分割をしたくないと考えている
「遺産分割には反対だ」という相続人がいる場合もあります。
たとえば、以下のような理由が考えられるでしょう。
- 遺産分割をすると今住んでいる家から出ざるを得なくなるが困る
- 自分が管理している不動産なので、そのまま引き継ぎたい
主な遺産が不動産である場合に起こりがちなため、あらかじめ相続人間でよく話し合っておいた方がよい問題です。
8. 相続に関わりたくない・無関心
相続人の一人が遺産分割協議に応じない理由として、相続問題に精神的な負担を感じ、関わること自体を避けている可能性も考えられます。また、多忙や遠方居住を理由に対応を後回しにしているケースもあるでしょう。
無関心な相手ほど、連絡手段や説明方法の工夫が必要になります。効果的な連絡方法の例と特徴は、以下のとおりです。
- メール:手軽に送れるが、重要度が伝わりにくい
- 手紙(書面):誠意が伝わりやすく、記録にも残る
- 電話:即時的なやりとりが可能だが、記録が残りにくい
- 弁護士経由の通知書:法的な重みがあり、対応を促しやすい
無関心であっても、相続手続きの当事者であることに変わりはありません。対応を放置していると、後述する7つのリスクに直面する可能性があるため、注意が必要です。
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遺産分割協議に応じない相続人を放置する7つのリスク


「話し合いがまとまらないから仕方ない」と遺産分割協議を先延ばしにすると、時間の経過そのものが大きな不利益を生みます。
放置した場合に発生する主なリスクは、以下の7つです。
以下で、それぞれのリスクを詳しく解説します。
1. 相続財産を有効活用できない
相続財産に不動産がある場合、遺産分割が済まなければ、売却や有効活用ができません。
たとえば、被相続人が所有していた不動産を売却するときは相続人全員の同意が必要で、貸す場合も共有持分割合の過半数を有する共有者の同意が必要です。
そのため、一人でも遺産分割協議に応じない場合、必要な同意が得られない場合があるのです。
2. 相続財産の使い込み・隠ぺいをされる恐れがある
遺産分割前の財産は本来、他の相続人の同意を得ずに処分できませんが、一人の相続人が生前から財産を管理していた場合、使い込みや隠ぺいをする可能性があります。
たとえば、現金を使い込んだ場合、現金は被相続人のものか・使い込んだ相続人のものかが判別しにくいこともあり、使い込みや隠ぺいが行われやすいのです。
遺産の使い込みは不当利得(民法703条・704条)又は不法行為(民法709条)となりますが、どちらの請求権も時効があるため、遺産分割協議を放置すると対処できなくなる恐れがあります。
相続財産の隠ぺいについては、以下の記事も併せてご覧ください。
関連記事:【財産隠しで相続人が遺産を独り占め】遺産隠しはバレるのか・相続財産調査のコツ
3. 相続税の申告期限を過ぎるとペナルティを受ける
相続税の申告期限を過ぎると、延滞税などのペナルティが課せられるため注意が必要です。
被相続人の財産を相続した場合、相続税がかかる場合があります。
納付すべき相続税があるときは、相続開始を知った日の翌日から10か月以内に相続税の申告が必要です。
相続税の申告は、被相続人が死亡したことを知った日(通常の場合は、被相続人の死亡の日)の翌日から10か月以内に行うことになっています。
例えば、1月6日に死亡した場合にはその年の11月6日が申告期限になります。
相続税課税があり得るのに遺産分割協議が進まない場合は、放置せずに弁護士などのサポートを受け早期に解決を図りましょう。
申告期限内に遺産分割協議が成立していない場合は、少なくとも仮申告・仮納税をした方がよいです。
参考:国税庁|No.4205 相続税の申告と納税
4. 相続登記義務の期限を過ぎると過料が科される
2024年4月1日から相続登記が義務化されました。不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に登記を行わなければなりません(不動産登記法76条の2第1項)。
正当な理由なくこの期限を過ぎると、10万円以下の過料が科される可能性があります(不動産登記法164条1項)。
遺産分割がまとまらない場合でも、「相続人申告登記」という簡易的な手続きにより、義務を暫定的に果たすことが可能です。不動産を含む相続では、登記の期限管理をとくに意識しておきましょう。
5. 配偶者控除・小規模宅地等の特例が使えなくなる
相続税には、税負担を大幅に軽減できる特例制度があります。しかし、一定の要件を満たすうえで、遺産分割が完了していることが前提のものもあるため注意が必要です。
代表的な税務上のリスクは、以下のとおりです。
| 配偶者の税額軽減 | 配偶者が取得した遺産について、法定相続分または1億6,000万円までは相続税がかからない制度(相続税法19条の2)。 分割が未了だと申告時に適用できない場合がある。 |
|---|---|
| 小規模宅地等の特例 | 自宅や事業用の土地について、評価額を最大80%減額できる制度(租税特別措置法69条の4)。 適用には分割の確定が必要。 |
いずれの制度も、申告期限から3年以内に分割が完了すれば後から適用を受けられる可能性があります。しかし、「分割見込書」の提出など、追加の手続きが必要です。
相続税の負担を少しでも軽くするためにも、遺産分割協議は放置せず適切に対処することが大切です。
6. 特別受益・寄与分を主張する権利が消滅する
2023年4月の民法改正により、相続開始から10年が経過すると、原則として特別受益の持ち戻しや寄与分の主張ができなくなりました。
前三条の規定は、相続開始の時から十年を経過した後にする遺産の分割については、適用しない。
特別受益・寄与分を主張する権利が失われると、法定相続分に基づいた分割しかできなくなり、不公平な処遇を是正できなくなります。
特別受益や寄与分の主張には証拠の収集にも時間が必要です。贈与の記録や介護の実績など、必要な資料は早い段階で整理しておくべきでしょう。
7. 二次相続が発生し相続関係が複雑になる
遺産分割が終わらないうちに次の相続が発生すると、相続人が増えるなど、遺産分割協議をまとめるのに煩雑となるリスクがあります。
たとえば、二次相続などが起こると、相続関係が複雑化し合意形成に時間を要することになるでしょう。



特に新たに相続人となった者と面識がないなど関係が希薄な場合は、話し合いがスムーズに進まない懸念があります。
相続人の一人が遺産分割協議に応じない場合の対処法


遺産分割協議に応じない相続人がいる場合の対応方法を3つ解説します。
遺産分割協議に加わるよう呼びかける
遺産分割協議に応じない相続人がいても、相手の事情を聞き、可能な提案をするなどして協議に加わるように呼びかけることが大事です。



話し合いに応じない相続人は、そもそも遺産分割協議は相続人全員の合意が必要なことを理解していない可能性もあります。
- 自分は相続するつもりがないから関係ないと思っている
- 多忙で時間的な余裕がない
- 相続税の申告期限があることを知らない
などの事情があるかもしれません。
そのため、相手の事情をくみ取りながら、次のように丁寧な対応をする必要があります。
- 遺産分割協議は全員参加が必要な旨をきちんと伝える
- 書面でのやり取り・相続放棄の提案など、相手の状況に応じた提案・呼びかけをする
弁護士に相談・依頼する
遺産分割協議に応じない相続人がいる場合は、早く弁護士に相談した方がよいです。
早期に弁護士に相談すると以下のようなメリットが得られます。
- 弁護士に交渉を依頼すれば、相続人同士が直接やりとりしなくてもよい
- 感情的な対立を避けられる
- 第三者が間に入ることで、双方の精神的な負担も軽減される
- 相談者と相手方の事情を踏まえ、相続人間の関係を悪化させない適切な提案も検討できる
- 遺産分割調停・審判の手続きに移行した場合の対応も任せられる
弁護士が間に入れば協議が進みやすくなるため、揉めそうなときはできるだけ早く弁護士に相談しましょう。
遺産分割調停・審判を利用する
どうしても遺産分割協議に応じない相続人がいる場合は、遺産分割調停・審判で解決を図りましょう。
参考:遺産分割調停|裁判所
家庭裁判所に調停を申し立てれば、それまで協議に応じなかった相続人も、裁判所からの呼出しならやむを得ない、と応じる可能性があります。
相手方相続人が調停への出席を拒否するときは、審判手続きに移行し、裁判所が遺産の分割方法を決めてくれます(家事事件手続法49条)。
遺産分割調停の申立ては弁護士に頼まなくてもできますが、一部の相続人が遺産分割協議に反対し揉めているやっかいなケースの場合は、弁護士に依頼した方がよいです。
弁護士を代理人に依頼していれば、これらの手続きがスムーズに進められます。
関連記事:遺産分割調停が不成立になったその後はどうなる?審判移行や強制執行についても解説【弁護士監修】
関連記事:遺産相続の裁判で負けるケースとは?リスクや事前にすべき対策を弁護士が解説
お役立ちガイド
相続における不公平や相続関係者のトラブルでお悩みの方は、
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遺産分割協議に応じない相続人に対してやってはいけないNG行動
相手が非協力的であっても、自己判断で強引に物事を進めると、かえって不利な立場に追い込まれる可能性があります。
特に避けるべきNG行動は、以下の3つです。
なぜNGなのか、代わりに取るべき行動とあわせて解説します。
感情的に責め立てる・脅す
相手が協議に応じないことに対して、つい感情的になってしまう気持ちは十分に理解できます。しかし、以下のような行動は事態を悪化させる可能性があるため、避けましょう。
- 怒鳴る・責め立てる
- 「親不孝だ」と非難する
- 「弁護士に訴える」と一方的に迫る
- 返答の期限を強引に設定する
感情的なやりとりをすると、さらに話し合いで解決しにくくなる恐れがあります。加えて、メールやLINEなど記録が残る手段で暴言を送った場合、後の調停・審判で不利な証拠になることもあるでしょう。
感情をぶつける代わりに、事実と必要な資料を整理して冷静に伝えることが重要です。また、弁護士など第三者の介入も検討しましょう。
他の相続人だけで勝手に遺産を分割・処分する
遺産分割協議は、相続人全員が参加しなければ法的に有効になりません。一人が応じないからといって、残りのメンバーだけで協議を進めてもその内容は無効になる可能性があります。
以下のような行為は特に問題が大きくなりやすいため、注意しましょう。
| やりがちな行動 | 起こり得る問題 |
|---|---|
| 一部の相続人だけで遺産分割協議書を作成 | 法的に無効と判断される可能性がある |
| 相続不動産を勝手に売却 | 他の相続人から損害賠償請求を受ける恐れがある |
| 名義変更を強行する | 後から争いになり手続きのやり直しが必要になる |
独断で行動してしまうと、後で紛争が拡大する火種になりかねません。進め方に迷う場合は、手続きを進める前に必ず弁護士などの専門家へ確認しましょう。
自分の判断で預貯金などを引き出す
葬儀費用などやむを得ない支出が必要な場合でも、安易に預金を引き出すことは避けましょう。
独断で遺産を勝手に使用すると、以下のようなリスクが発生します。
- 他の相続人から「使い込み」を疑われる
- 精算が複雑になり、協議がさらに長期化する
- 他の相続人との信頼関係が崩壊する
とくに問題になりやすい行為の例は、以下のとおりです。
- 被相続人の口座から預金を引き出す
- 生命保険の解約返戻金を受け取る
- 貸金庫から現金や貴重品を持ち出す
やむを得ない支出が発生した場合は、領収書を保管し、記録を残すことが大切です。また、トラブル防止のためにも、事前に他の相続人に共有しておくことが欠かせません。
遺産分割協議の進め方


遺産分割協議は全員の合意が必要です。遺産分割協議は次の流れで行います。
| 相続人の調査 | 戸籍を辿って民法で定められた「法定相続人」を調査する 法定相続人は、配偶者(常時)と、第1順位:子(孫・ひ孫)、第2順位:父母(祖父母・曾祖父母)、第3順位:兄弟姉妹(甥・姪) |
|---|---|
| 相続財産の調査 | 被相続人の全遺産を調査する プラス財産(不動産・預貯金など)とマイナス財産(借金・住宅ローンなど)がある |
| 遺産分割協議 | 相続人全員で誰がどの財産を引き継ぐかを決める |
| 遺産分割協議書の作成 | 相続人全員の合意ができれば、遺産分割協議書を作成する 登記や預貯金の名義変更などに利用する場合は、印鑑証明書の添付が必要になる場合もある |
遺産分割協議書の書き方については、以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
関連記事:相続でもめた場合はどうする?遺産分割協議のスムーズな進め方も解説
相続人の一人が遺産分割協議に応じない場合に弁護士に対処を依頼するメリット


相続人の一人が遺産分割協議に応じないからといって、遺産分割をせずに放置することはデメリットしかありません。
弁護士に依頼すれば、次のようなメリットがあります。
弁護士に対処を依頼して早期に遺産分割を確定しましょう。
話し合いをスムーズに進めやすくなる
まず、遺産分割協議がスムーズに進む可能性が高まることです。
弁護士は依頼者である相続人の代理人として遺産分割協議に参加できます。
相続人調査や相続財産調査を確実に行い、法的に根拠のある主張ができるため、相手方の相続人も納得しやすくなるでしょう。
相続人とやり取りしたくないと思う相続人もいるでしょうが、弁護士に交渉を依頼すれば直接やり取りをする必要がなくなるため、精神的な負担を軽減できます。
また、これまで関わりのなかった相続人も、弁護士から連絡がきたことで遺産分割協議に応じることもあるでしょう。
相続や遺産分割協議を弁護士に依頼するメリットについては、以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
調停や審判も安心して任せられる
遺産分割協議がまとまらない場合は、裁判所の調停や審判に移りますが、弁護士に依頼すれば調停や審判の対応も任せられます。
自分ではうまく説明できないことも、弁護士が同席していれば、状況に応じたアドバイスや適切な対応が可能です。
書面や資料の作成など法律に則った手続きも安心して任せられます。
遺産分割調停で弁護士に依頼しなかった場合について詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。
参考記事:遺産分割調停は弁護士なしで可能か?手続きの流れ・依頼するメリット
特別受益や寄与分の主張を適切に行える
相続人間でトラブルが起こりやすい特別受益や寄与分の主張についても、弁護士であればきちんとした主張をします。
他の相続人の特別受益の指摘や自身の寄与分の主張を認めてもらうためには、正確な財産調査や根拠となる証拠資料を揃える必要があります。



法律のプロである弁護士は、判例や審判例なども踏まえた適切な資料を準備し、法的に根拠のある主張が可能です。
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相続人の兄の使途不明金をめぐり遺産分割協議を実施した事例
実際に相続人が管理する被相続人の通帳から不自然な出金が見つかり、調査と調停で解決したケースがあります。
“被相続人Aさんが亡くなったが、生前に相続人である兄のCさんが管理していたAさんの預金口座から多額の金銭を引き出していた。弟の依頼人Bさんは出金された金銭を使途不明金として追及したいとのご相談。”
この事例の課題としては、
・Aさんの財産を管理していたCさんの使途不明金が正当なものか否かを見極めること
があげられます。
そこで
- Bさんの日記や兄のCさんへのメールなどから、出金額が介護の実態と比較して過剰であると主張
- 過去のやりとりの時系列と金額の整合性を丁寧に組み立て、主張を論理的に展開
というご対応をさせていただき、家庭裁判所の調停委員にも理解を得ることができました。
使途不明金のうち半分以上が認められ、依頼人Bさんにとって納得のいく水準で和解が成立いたしました。
事例詳細については下記になります。さらに詳しく事例内容を知りたい方はぜひご覧ください。


遺産分割協議に応じない相続人に関するよくある質問
遺産分割調停の費用はいくらかかる?
遺産分割調停にかかる費用は、「裁判所に支払う費用」と「弁護士に依頼する場合の費用」の2種類に分かれます。
裁判所に支払う費用は、以下のとおりです。
| 費用項目 | 内容 |
|---|---|
| 収入印紙代 | 被相続人一人あたり1,200円 |
| 郵便切手代 | 裁判所により異なる(数千円程度) |
| 戸籍謄本等の取得費用 | 数千円〜数万円(相続人の数による) |
弁護士に依頼する場合は、上記に加えて以下の費用もかかります。
| 費用項目 | 内容 |
|---|---|
| 弁護士の着手金 | 20〜50万円程度(事務所により異なる) |
| 弁護士の報酬金 | 経済的利益の10〜16%程度 |
事案の複雑さや争いのある遺産額によって費用は大きく変動します。まずは弁護士に見積りを依頼し、全体像を把握しましょう。
認知症の相続人がいて協議ができない場合の対処法は?
相続人の中に認知症の方がいる場合、通常どおりの遺産分割協議は困難です。判断能力が不十分な方に無理に協議書へ署名させた場合、後から協議全体が無効になるリスクがあります。
相続人の中に認知症の方がいる場合は、成年後見制度の利用を検討しましょう。家庭裁判所に成年後見人の選任を申し立てることで、選任された後見人が本人に代わって遺産分割協議に参加してくれます。



成年後見人の選任には時間がかかる場合があります。認知症の相続人がいる場合は、早めに弁護士に相談しておくと安心です。
相続人が海外にいる場合はどう対応すればいい?
海外に居住している相続人がいる場合でも、遺産分割協議への参加は必要です。しかし、国内の相続人とは異なり、手続き面でいくつか注意すべき点があります。
海外在住の相続人がいる場合の主な注意点は、以下のとおりです。
| 印鑑証明書の代替 | 海外在住者は住民登録がないため、印鑑証明書を取得できない場合がある。 この場合、在外公館で「署名証明(サイン証明)」を発行してもらうことが大切。 |
|---|---|
| 時差・連絡手段 | メールやビデオ通話を活用し、時差を考慮してコミュニケーションを取る必要がある。 |
| 書類の郵送 | 国際郵便には日数がかかるため、余裕を持ったスケジュールで進める。 |
| 税務上の扱い | 海外居住者にも日本の相続税が課される場合がある。 |
海外在住の相続人がいるケースでは、手続きの煩雑さから遺産分割が長期化しやすい傾向があります。弁護士に依頼すれば、海外への連絡や書類の手配も含めて代行してもらえるため、スムーズな解決が可能です。
まとめ|相続人の一人が遺産分割協議に応じない場合は弁護士に相談しよう
本記事では、遺産分割協議に応じない相続人がいる場合の理由・リスク・対処法を解説しました。
遺産分割協議は相続人全員の合意が必要です。感情的に対応するのではなく、話し合いや遺産分割調停・審判などで適切に対応しましょう。
遺産分割協議に応じない相続人がいる場合、一人で悩み続けても状況は改善しにくいのが現実です。問題を放置するほど解決は難しくなるため、早い段階で専門家に相談することが最善の選択肢といえるでしょう。
弁護士法人アクロピースでは、遺産分割協議をはじめとする相続トラブル全般について、初回60分無料でご相談いただけます。
相続に強い弁護士が複数在籍しているため、一人で抱え込まず、まずはお気軽にお問い合わせください。
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