ゆうちょ銀行の相続手続きを行うには?必要書類と手続きの流れを紹介

ゆうちょ銀行の相続手続きを行うには?必要書類と手続きの流れを紹介

被相続人がゆうちょ銀行の口座を所持していた場合、被相続人が亡くなると口座は凍結されます。

凍結された口座から預金を引き出すには、ゆうちょ銀行での相続手続きが必要です。

この記事では、ゆうちょ銀行の相続手続きが必要な方に向けて、次の内容について詳しく解説します。

銀行での相続手続きを放置していると、いつまでも預金が引き出せない状態となってしまいます。

スムーズに相続手続きを進めるために、ぜひ最後までご覧ください。

ゆうちょ銀行での相続手続きについて詳しく知りたい方は、弁護士法人アクロピースにお気軽にご相談ください。

相続問題に関する豊富な経験を活かしてサポートいたします。

24時間365日LINEやメールからお問い合わせ可能です。

 初回相談60分無料 / 

目次

ゆうちょ銀行の相続手続きでの必要書類

必要書類

ゆうちょ銀行の相続手続きを進めるには「相続確認表」というゆうちょ銀行独自の書類を準備する必要があります。

ゆうちょ銀行の窓口に相続確認表を提出すると、手続きを進めるための必要書類を案内してもらえます。

ゆうちょ銀行の相続手続きの必要書類は、他の銀行の手続きでも必要となるものがほとんどです。

ここでは、相続確認表について説明したうえで、遺言書がない場合とある場合に分けて相続手続きの必要書類を紹介します。

参考:ゆうちょ銀行の相続手続き|ゆうちょ銀行

相続確認表

相続確認表は、相続の状況を確認するための書類です。

ゆうちょ銀行のサイトからPDFをダウンロードするか、ゆうちょ銀行の貯金窓口で入手できます。

相続確認表の記載項目は、被相続人の関係図と被相続人がゆうちょ銀行で所持していた口座の情報に分けられています。

どちらも、丁寧な指示がありますので、指示に従って記入してください。

被相続人の関係図については、指示に従って記入すると、誰が被相続人の法定相続人であるのかが明確になります。

口座の情報について、記号番号が不明な貯金があるときには、貯金照会書を提出する必要があります。

貯金照会書を提出すると、被相続人の氏名、生年月日、住所などから、ゆうちょ銀行で開設している全ての口座情報を開示することが可能です。

遺言書がない場合の必要書類

遺言書がない場合の必要書類の一例は、次のとおりです。

  • 被相続人の婚姻から死亡までの戸籍謄本
  • 被相続人の預金通帳・キャッシュカード
  • 相続人の印鑑登録証明書
  • 遺産分割協議書
  • 払戻金を受け取る相続人の実印

必要書類は事案によって異なる場合があります。

個々の事案での必要書類については、相続確認表の提出後にゆうちょ銀行から送付される「必要書類のご案内」で確認してください。

相続人の印鑑登録証明書については、相続人全員のものが必要です。

相続人の人数が多い場合や遠方の相続人がいる場合には収集に時間がかかるので、早めに準備を進めておくのが良いでしょう。

遺産分割協議書がない場合には、相続人全員が払戻しに同意していることを証明するために、相続人全員の署名・押印をした相続手続き請求書の提出が必要です。

戸籍謄本の取得方法

戸籍は、婚姻、引越しによる転籍、平成の改製などを原因として変更されます。

被相続人の戸籍謄本を収集する際は、婚姻から死亡までの全ての戸籍を集めなくてはなりません。

従来、戸籍謄本を取得するには、戸籍があった市区町村ごとでの手続きが必要でした。

2024年3月1日以降は、戸籍のない市区町村でも、全国各地の市区町村からまとめて戸籍を取得できるようになりました。

出典:戸籍法の一部を改正する法律について|法務省

遺言書がある場合の必要書類

遺言書がある場合の必要書類の一例は、次のとおりです。

  • 被相続人の婚姻から死亡までの戸籍謄本
  • 被相続人の預金通帳・キャッシュカード
  • 遺言書
  • 相続人・遺言執行者の印鑑登録証明書
  • 相続人・遺言執行者の実印
  • 遺言執行者選任審判書(家庭裁判所で遺言執行者が選任された場合)

遺言書が自筆証書遺言もしくは秘密証書遺言のときは、家庭裁判所での検認手続きを済ませたことを証明する検認証明書の添付が必要です。

遺言執行者がいないときには、相続人全員の印鑑登録証明書と実印が必要となります。

遺言執行者とは

遺言執行者とは、遺言の内容を実現するために必要な手続きを行う人のことです。

ゆうちょ銀行の預貯金の払戻しを受けて遺言書の内容に従って分配するのは、遺言執行者の業務内容となります。

遺言執行者が選任されるのは、被相続人が遺言で直接指定する場合と被相続人の死後に家庭裁判所の審判で指定される場合の2通りがあります。

遺言執行者は、全ての相続手続きで選任されるわけではありません。

しかし、遺言で非嫡出子の認知をする場合や相続廃除する場合には、遺言執行者を選任しなければなりません。

相続財産の分配に手間がかかる場合や相続人の中に自分で手続きを進めるのが困難な人がいる場合にも、遺言執行者を選任するのが望ましいでしょう。

遺言執行者について、詳しくはこちらの記事もあわせてご覧ください。

関連記事:遺言執行者を弁護士に依頼する費用は?決め方や報酬は誰が払うのかも解説

ゆうちょ銀行における相続手続きの流れ

ゆうちょ銀行における相続手続きの流れは、次のとおりです。

ゆうちょ銀行での相続手続きは以下のステップを踏む必要があります。

①相続確認表の作成提出

②必要書類の案内

そのため、ゆうちょ銀行での手続きは、他の銀行での手続きよりも時間がかかる点には注意が必要です。

1.窓口で相続の申し出をする

ゆうちょ銀行の窓口で被相続人が亡くなったことを伝えます。以後は、口座が停止(凍結)されて、預金の入出金ができなくなります。

銀行に被相続人が亡くなったことを伝えずに預金口座の利用を続けると、民事・刑事上のトラブルに発展する可能性もあるため注意が必要です。

亡くなった人の預金を引き出した場合のリスクについては、こちらの記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

関連記事:死亡した人の預金をおろすと罪になる?よくある相談例と解決策を解説

2.相続確認表の作成・提出

ゆうちょ銀行の窓口もしくはゆうちょ銀行のサイトで「相続確認表」を入手して、必要事項を記載します

記号・番号が不明の口座があるときには、貯金照会書も併せて作成・提出してください。

ゆうちょ銀行の「相続Web案内サービス」を利用すると、相続手続きの一部をWebで済ませられます。

「相続Web案内サービス」を利用する場合には、Webで必要書類の案内を受けられるため、「相続確認表」を作成・提出する必要はありません。

ただし、「相続Web案内サービス」では貯金口座の照会はできません。

参照:相続Web案内サービスのご案内|ゆうちょ銀行

3.必要書類の案内に沿って必要書類を準備する

相続確認表を提出してから1〜2週間ほどで、「必要書類のご案内」が送られてきます。

必要書類は、遺言書の有無や個別の状況によって異なるので、案内に従って必要書類を準備してください。

4.必要書類の提出

必要書類は、全て原本を提出しなくてはなりません。

銀行が書類を確認した後は、指定した書類の返却を受けられます。

遺言書や遺産分割協議書はもちろんのこと、戸籍謄本や印鑑登録証明書なども他の相続手続きで利用する機会が多いので、返却してもらうようにしてください。

書類の提出は、全国のゆうちょ銀行の窓口で受け付けています。

5.払戻金の受け取り

提出書類に不備がなければ、1~2週間ほどで代表相続人または遺言執行者の口座に払戻金が入金されます。

払戻金を受け取った代表相続人や遺言執行者は、相続の内容に従って払戻金を分配しなければなりません。

代表相続人が払戻金を使い込むリスクがあるときは、遺言執行者を選任したうえで手続きを進める方が安全です。

誰が預金を相続するのかを決めるまでの流れ

誰がゆうちょ銀行の預金を相続するのかが決まっていない場合には、ゆうちょ銀行の相続手続きを始める前に誰が預金を相続するのかを決めなくてはなりません。

誰が預金を相続するかを決める流れは、次のとおりです。

それぞれの段階での手続きについて解説します。

遺産相続の流れについて、詳しくはこちらの記事で解説していますので、併せてご覧ください。

関連記事:親の遺産相続手続きの方法は?死亡後の手続きや優先順位も事前に要確認

遺言書の有無を確認する

被相続人の遺言書がある場合は、基本的には遺言書の内容に従って遺産を分配します。

遺言書の有無で手続きの流れが変わるので、まずは遺言書の有無を確認してください。

遺言書には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3つの種類があります。

このうち、自筆証書遺言と秘密証書遺言については、遺言書の内容を確認する前に、家庭裁判所での検認手続きが必要です。

遺言書を勝手に開封すると、偽造を疑われて相続人間でのトラブルになる可能性もあるため、十分に注意してください。

遺言書の内容を確認できる状態になったら、相続人全員で遺言書のとおりに相続するのかを検討します。

遺言書の内容を確認したうえで、相続人全員の同意があれば遺産分割協議で遺言とは異なる内容で遺産を分けることも可能です。

遺言書があるかどうか確認する方法については、以下の記事を参考にしてください。

関連記事:遺言書があるかどうかを確認する方法は?自筆・公正・秘密の3種類に分けて解説

誰が相続人となるのかを確認する

遺言書がない場合には、相続人全員での遺産分割協議で遺産の分配を決めなくてはなりません。遺産分割協議を行うには、前提として誰が相続人となるのかを確認する必要があります。

誰が相続人となるのかは、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本と相続人の現在の戸籍謄本で確認します。

入手が難しい戸籍がある場合や戸籍の内容を理解するのが難しい場合には、弁護士に相談するのがおすすめです。

弁護士に相談すると、必要に応じて遺産分割協議成立までの面倒な手続きのサポートを受けられます。

遺産の財産目録を作成する

遺産分割協議では、誰がどの遺産をどの割合で相続するのかを決めます。そのためには、遺産分割協議書を始める前に遺産の財産目録を作成しなくてはなりません。

相続の対象となるのは、被相続人のプラスの財産だけでなくマイナスの財産を含めた全ての財産です。

もっとも、相続の対象となる遺産がすべて遺産分割の対象となるわけでもありません。

預貯金以外の可分債権、金銭債務は遺産分割の対象からは除外されます。

遺産分割の協議書の財産目録に記載する財産としては、次のようなものが挙げられます。

  • 現金
  • 預貯金
  • 株式や投資信託
  • 自動車、宝石、家具などの動産
  • 土地や建物などの不動産
  • 借地権、著作権、ゴルフ会員権などの権利

財産の漏れがあると遺産分割協議のやり直しになってしまう可能性もあるため、財産目録作成のための財産調査は漏れなく行うことが重要です。

遺産分割協議を行う

遺産分割協議では、相続人全員の同意で誰がどの遺産をどのくらいの割合で相続するのかを決めます。

遺産分割協議を成立させるには、相続人全員の同意が必要です。

相続人のうち1人でも協議の内容に反対している場合には、遺産分割協議を成立させることができません。

遺産分割協議で相続人間の意見が整わないときには、当事者同士の話し合いで問題を解決するのは難しいでしょう。

中には、トラブルが深刻化して解決までに数年かかるといったケースもあります。

遺産分割協議が整わないときには、弁護士に相談するのがおすすめです。

専門家が交渉することで、反対していた相続人を説得できる可能性もあります。

話し合いで遺産分割協議がまとまらないときは、調停や訴訟などの裁判手続で遺産の分配内容を決めなくてはなりません。

まとめ:ゆうちょ銀行の相続手続きを行うには前提として遺産分割が必要

今回は、ゆうちょ銀行での相続手続きを理解するために、次の内容について解説しました。

  • ゆうちょ銀行の相続手続きでは相続確認表というゆうちょ銀行独自の書類が必要
  • ゆうちょ銀行の窓口で相続の申し出をすると必要書類を案内してもらえる
  • 預金の相続手続きを進めるには、誰が預金を相続するのかを決める必要がある
  • 預金の遺産分割協議でもめたときは弁護士に相談する

ゆうちょ銀行の相続手続きを進めるには、事前に遺産分割協議で誰が預金を相続するのかを決めなくてはなりません。

遺産分割協議で相続人間のトラブルになったときは、当事者の話し合いで解決するのは難しいケースが多いでしょう。

遺産分割協議のトラブルは、弁護士に相談するのがおすすめです。

弁護士法人アクロピースでは、相続問題に強い弁護士が、60分の無料相談を実施中です!

無料相談では弁護士費用についても詳しく説明いたします。

LINEや電話にて相談を受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。

\ 相続の問題はなんでもお任せください /

 

この記事がみなさまの参考になれば幸いです
  • URLをコピーしました!

この記事を執筆した人

弁護士法人アクロピース代表弁護士
東京弁護士会所属

私のモットーは「誰が何と言おうとあなたの味方」です。事務所の理念は「最高の法務知識」のもとでみなさまをサポートすることです。みなさまが納得できる結果を勝ち取るため、最後まで徹底してサポートしますので、相続問題にお困りの方はお気軽に当事務所までご相談ください。

目次