遺留分に関する問題は弁護士に相談すべき?依頼のメリットや判断のポイント

遺産相続において、法定相続人には最低限の取り分として「遺留分」が認められています。
遺留分を侵害された場合は、「遺留分侵害額請求」を行うことで遺産を取り戻せる必要があります。
ただし、遺留分侵害額請求を自力で進める場合、証拠の収集や法的交渉、裁判手続きなど、専門的な知識や対応力が求められるため、適正な遺留分を確保できないリスクが伴います。
本記事では、遺留分に関するさまざまなトラブルを自力で行う際のリスクと、弁護士に相談することでどのようなメリットが得られるのかを詳しく解説します。
遺留分侵害額請求は、生前贈与や特別受益の判断など、見落としがちな要素が多く存在します。
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遺留分に関する問題を自分で対処するリスク

遺留分に関する問題の多くは「遺留分侵害額請求」に該当するといっても過言ではありません。
以前は「遺留分減殺請求」という制度があり、遺留分を侵害する遺贈や贈与について、財産の一部を直接取り戻すことが可能でした。
しかし、2019年の民法改正により「遺留分侵害額請求」へと変更され、原則として金銭による補償が求められるようになりました
遺留分侵害額請求を自分で行うことには、下記のリスクがあります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
必要な証拠を十分に準備できないと請求が通らない
遺留分侵害額請求をする際には、被相続人が残した財産の内容や、どの程度の遺留分が侵害されているのかを明確に示す証拠が必要です。
しかし、預金通帳の履歴、不動産の登記情報、株式や投資資産の詳細などを相続人自身が把握するのは容易ではありません。
遺留分侵害額請求は、自分で行うこともできますが、専門知識がないと難しいといえるでしょう。
遺留分侵害額請求を自分で対応できないか検討されている方は、下記の記事も併せてご確認ください。
関連記事:遺留分侵害額請求は自分でできる?手続きの流れややり方について
交渉が難航しやすい
遺留分に関する問題の多くは、 相手が素直に応じるとは限りません。
特に、すでに財産を受け取った相続人が「遺産は自分が正当に受け取ったものだ」と主張する場合、話し合いが長期化する可能性が高まります。
また、相手方に弁護士がついている場合、法律知識に差があることで不利な状況に陥りやすくなります。
知識がないまま交渉を進めてしまうと、相手側が少額の和解金を提示し、それを受け入れてしまうことで、適正な遺留分を受け取れないというケースも珍しくありません。
時効が過ぎるリスクが高まる
遺留分侵害額請求には、相続開始または侵害を知った日から1年以内という厳しい時効が設けられています。
財産の調査や交渉に時間をかけすぎてしまうと、気づかないうちに時効が成立してしまい、請求権を失う可能性があります。
また、相手方との話し合いが長引き、解決のめどが立たないまま時間が経過すると、請求が認められなくなることも考えられます。
そのため、早い段階で手続きを進め、必要に応じて調停や裁判に移行できる準備を整えておくことが重要です。
遺留分侵害額請求の時効については、以下の記事を参考にしてください。
参考記事:遺留分侵害額請求の時効はいつ?期限の起算点と権利を行使する注意点
裁判や調停になった場合に対応できない
遺留分侵害額請求の交渉が決裂した場合、最終的には調停や裁判を行う必要があります。
しかし、裁判では法的な主張や具体的な証拠を提示しなければならず、自力で対応するのは難しいのが現実です。
経験豊富な弁護士のサポートを受けながら進めるのが得策です。
関連記事:遺留分侵害額請求の調停前置とは!手続きの流れとポイント
精神的・時間的負担が大きい
遺留分侵害額請求の相手が親族の場合、交渉や訴訟を通じて関係が悪化することは避けられません。
長期化すればするほど感情的なしこりが深まり、家族間の修復が困難になります。
また、交渉が難航すれば精神的なストレスが増え、仕事や日常生活にも悪影響を及ぼしかねません。
さらに、裁判になった場合は、出廷や書類作成などの負担が大きく、自力での対応が難しくなります。
遺留分に関するトラブルを弁護士に相談するメリット

遺留分に関するさまざまなトラブルを弁護士に相談するメリットは、下記のとおりです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
相手との交渉がスムーズに進む
遺留分侵害額請求を行う前に話し合いにより解決を図ることも大切です。
しかし、当事者同士での話し合いでは感情が先行してしまい、対立が激化するケースも少なくありません。
弁護士に代理人を依頼することで、適切な法的主張のもとで相手方とスムーズに話し合いを進めることができます。
特に、相手方が弁護士を立てている場合、法律知識のないまま交渉を進めるのは非常に不利です。
弁護士が代理人になれば、法的観点からの対等な交渉が可能となり、不利な条件を押し付けられるリスクを回避できます。
また、弁護士を通じて交渉することで、直接的な対立を避けることができ、感情的なしこりを最小限に抑えながら解決を目指すことができます。
必要な証拠を的確に準備できる
遺留分侵害額請求では、請求の正当性を証明するために、被相続人の財産状況を明らかにする必要があります。
しかし、相続財産の調査や評価を自力で行うのは困難です。
弁護士に相談すれば、専門的な調査を通じて、預金、不動産、株式などの財産情報をスムーズに収集できます。
さらに、遺産の評価額を正確に算出し、適切な金額を請求することができます。
調停や裁判になった際に有利に進められる
交渉がまとまらない場合、調停や裁判へと進むことになります。
裁判では、適切な主張を展開し、証拠を提出することが不可欠ですが、法律に詳しくない人がこれらの手続きを適切に行うのは難しいのが現実です。
弁護士に依頼することで、裁判の手続きを正確に進めることができるだけでなく、証拠不足や手続き上のミスを防ぐことができます。
また、法的な戦略を立てることで、有利な立場を確保しやすくなります。
さらに、弁護士が代理人として対応することで、心理的なストレスも軽減され、安心して手続きを進めることができます。
遺留分に関するトラブルを弁護士に相談するデメリット

遺留分侵害額請求を弁護士に相談するデメリットは、費用面の負担が生じることです。
着手金のほか、成功報酬がかかります。
遺留分侵害額請求によって取り戻せた金額や請求額が大きくなるほど、支払う報酬額も増加する仕組みが一般的です。
また、案件が複雑であるほど、調査費用や訴訟対応費用などが追加で発生することも考えられます。
弁護士費用の相場は法律事務所ごとに異なるため、事前に費用体系を確認し、納得したうえで依頼することが重要です。
弁護士法人アクロピースでは、遺留分の複雑な問題やトラブルに対応してきた実績があります。
また、遺留分侵害額請求をする場合には、着手金を不要としております。
すでに深刻化しているトラブルの解決はもちろん、相続発生前から紛争を防ぐための対策まで幅広くサポートしております。
心身のご負担をできるだけ軽減しながら、最適な解決策をご提案いたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。
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弁護士費用の相場

遺留分侵害額請求を弁護士に依頼する際には、主に「相談料」「着手金」「成功報酬金」「雑費」などの費用が発生します。
費用は弁護士事務所によって異なるため、依頼前に確認が必要です。
相談料の相場は1時間あたり1万円程度で、30分単位で加算されるケースもあります。
着手金は、弁護士に正式に依頼した時点で支払う費用で、得られる可能性のある利益に応じて決まることが一般的です。
目安としては、請求額が300万円以下の場合は8.8%、300万円を超えて3,000万円以下の場合は5.5%+9万9,000円、3,000万円を超えて3億円以下の場合は3.3%+75万9,000円、3億円を超える場合は2.2%+405万9,000円です。
成功報酬金は、遺留分侵害額請求が成功し、実際に遺留分が支払われた場合に支払う費用です。
目安として、回収額が300万円以下の場合は17.6%、300万円を超えて3,000万円以下の場合は11%+19万8,000円、3,000万円を超えて3億円以下の場合は6.6%+151万8,000円、3億円を超える場合は3.3%+811万8,000円です。
より詳しい費用の詳細や相場については、こちらの記事をご覧ください。
弁護士に相談した方がよいトラブル事例
下記に該当する場合は、遺留分侵害額請求を弁護士に相談した方がよいでしょう。
それぞれ詳しく解説します。
相手が遺産情報を開示しない、または拒否している
相続財産の全容がわからなければ、正確な遺留分侵害額請求を行うことは困難です。
相手が財産情報の開示を拒否している場合、どのような遺産が存在するのかを把握することができず、請求額の算定が曖昧になり、結果として適正な請求ができなくなる可能性があります。
また、意図的に遺産の一部を隠しているケースでは、証拠を十分に揃えることが難しく、交渉の場で不利になりやすいです。
弁護士に依頼することで、金融機関や不動産登記などの専門的な調査を行い、法的手続きを通じて相手に情報開示を求めることが可能になります。
相手が遺留分請求に応じず、交渉が難航している
相手が拒否する場合、交渉力の差によっては、不利な内容で押し切られてしまう可能性があります。
相続人の中には、遺留分請求そのものを拒否し、交渉に一切応じないケースもあるでしょう。
法的知識がないまま話し合いを続けることで、不利な条件で合意させられるリスクが高まります。
弁護士を代理人として立てることで、法律に基づいた交渉が可能となり、適正な金額での合意できる可能性が高まります。
遺産の評価額に争いがある
遺産の中には、不動産や株式など市場価格が変動しやすい財産が含まれることがあります。
相続人同士で評価額に認識のズレがあると、遺留分の計算に大きな影響を与え、トラブルに発展しやすくなります。
たとえば、不動産の評価額を意図的に低く見積もることで、遺留分の支払い額を抑えようとするケースにも注意が必要です。
弁護士を通じて不動産鑑定士や金融機関などの専門家と連携し、適正な評価額を算出することで、公平な遺産分割を実現できます。
高額な遺留分を請求する場合
請求額が大きくなると、相手側も弁護士を立てて反論してくる可能性が高まります。
多額の不動産や金融資産が関係する場合は、遺留分侵害額請求そのものを無効にしようとする主張や、長期にわたる交渉を仕かけてくるケースもあります。
また、高額請求では、相続税や財産の管理・処分に関する問題が起こりがちです。
弁護士に依頼することで、相手側の主張に対抗する法的根拠を整理し、最大限の遺留分を確保するための戦略を立てることが可能です。
同時に、相続税や財産の管理・処分に関する問題も解決に導くことができます。
弁護士法人アクロピースでは遺留分侵害額請求をする場合には、着手金不要で承っております。
一人ひとりのお悩みに対して、最適な解決策をご提案いたします。
ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
遺留分侵害額請求を自分で進める場合、多くのリスクや困難が伴います。
押さえておきたいポイントは下記のとおりです。
- 相続財産の調査や交渉、法的手続きには専門的な知識が必要
- 弁護士に依頼することで、遺産の調査や証拠の整理がスムーズに進む
- 弁護士に依頼する際には、費用面の確認が必要
- 早期に弁護士へ相談することでトラブルの長期化を防げる
遺留分侵害額請求の時効が到来すると請求できなくなるため、遺産に関する問題は早期の対応が重要です。
「相続財産の全容がわからない」「交渉が進まない」「適正な請求額がわからない」など、少しでも不安がある場合は、できるだけ早く相続に強い弁護士へ相談することをおすすめします。
遺留分侵害額請求は、法定の時効期間が厳密に定められており、適切な手続きを取らなければ権利を失う可能性があります。
権利を守るためには、知識と力が必要です。
遺留分損害額請求についてのお悩みは、相続問題に強い弁護士法人アクロピースにご相談ください。
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