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贈与や遺贈によって被相続人から財産を受け取っていた場合、遺留分権利者から遺留分侵害額請求が行われれば、正当な遺留分を支払わなければいけません。
しかし、何らかの理由で「遺留分を払いたくない」「支払いを拒否したい」「支払いたくても現金がない」という方もいるのではないでしょうか。
今回は、遺留分を支払わないとどうなるのか、支払いを拒否するリスクや支払わずに済むケース、現金がないときの対処法について解説します。
遺留分に関するお悩みを抱えている方は、ぜひ一度弁護士法人アクロピースにご相談ください。
相続に関するトラブルに強い弁護士が、あなたのケースに応じて対応いたします。
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遺留分とは、一定の相続人(配偶者・子ども・父母)に対して保障された最低限の取り分を指します。
遺言によっても奪うことができない権利なので、支払い拒否はできません。
ただし、だからといって請求されるがままに金銭を支払うことは避けるようにしてください。
正当な遺留分の請求であれば支払う義務があります。
しかし、相手方の主張が必ずしも正しいとは限りません。
よくよく調べたら、遺留分を支払わなくて済んだというケースもあります。
遺留分侵害額請求をされたら、慌てずに落ち着いて、冷静に対処することが大切です。
遺留分侵害額請求されたときに「やるべきこと」
遺留分侵害額請求されたときに「やってはいけないこと」
遺留分侵害額請求を無視したり、支払いを拒否したりすると、どのようなことが起こるのでしょうか。
続いては、遺留分を支払わないとどうなるのか、考えられるリスクについて説明します。
遺留分侵害額請求は、内容証明郵便で送られてくることがほとんどです。
無視し続けると、調停や訴訟を申し立てられる可能性があります。
遺留分侵害額の請求調停は、家庭裁判所にて行われます。
調停とは、調停委員が当事者間の話し合いをサポートしてくれる司法制度です。
調停で解決しなかった場合は、最終手段である遺留分侵害額請求訴訟に進むことになります。
遺留分侵害額請求訴訟で遺留分の請求が認められた場合は、それに従うしかありません。
遺留分侵害額請求訴訟で遺留分の支払いを命ずる判決が出たにも関わらず、それを無視し続けると、相手方が強制執行の申立て手続きを行う可能性があります。
強制執行が行われると、裁判所が債務者の財産を強制的に回収できるようになるため、預貯金や給与などの財産の差し押さえが行われます。
遺留分侵害額請求権は、法律で認められた権利です。
正当な遺留分侵害請求であれば、相手方に遺留分に相当する金銭を支払う義務が生じます。
しかし、以下のようなケースに該当する場合、相手方の請求額をそのまま支払うことはしなくて済むかもしれません。
遺留分侵害額を請求できる期限については、民法に以下の定めがあります。(民法1418条)
遺留分侵害額の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。
相続開始の時から十年を経過したときも、同様とする。
既に時効が成立している場合、相手方の遺留分侵害額請求に応じる必要はありません。
相手方に特別受益がある場合も、遺留分侵害額請求を拒否できる可能性があります。
特別受益とは、相続人が被相続人から受けた生前贈与や遺贈等の利益のことです。
相続発生前10年以内に相続人に対して贈与や遺贈が行われている場合、遺留分を算定するための基礎財産額に特別受益分を加えなくてはなりません。
相手方が、特別受益があることを棚に上げて遺留分を請求している場合は、しっかりとその旨を主張しましょう。
特別受益については、以下の記事もぜひ参考にしてください。
関連記事:特別受益にあたる贈与とその計算方法
被相続人による推定相続人の廃除によって、そもそも相続権をはく奪されている場合、遺留分の権利も同様に失うことになります。
推定相続人の廃除とは、「遺留分を有する推定相続人に非行や被相続人に対する虐待・侮辱がある場合に、被相続人の意思に基づいて、その相続人の相続権を失わせる制度」のことです。
たとえば、以下のようなケースで認められています。
遺留分侵害額請求をしてきた相手方が、被相続人によって推定相続人の排除をされている場合、その請求に応じる必要はありません。
相続欠格とは、「民法891条の相続欠格事由に該当する相続人が、相続権をはく奪される制度」のことです。
相続欠格となれば、相続する権利を失います。
相続権を失い相続人でなくなった以上、遺留分も有しません。
ただし、上述の推定相続人の廃除、相続欠格の場合には、代襲相続が開始するため、これらの者の直系卑属が遺留分権利者となるため注意が必要です。
【民法891条の相続欠格事由】
相続欠格は推定相続人の廃除とは違い、被相続人の意思に関係なく適用されます。
また、被相続人が相続欠格となった者に「遺産を相続する」という遺言を残したとしても、遺産を相続することはできなくなります。
このように、遺留分侵害額請求をされた場合でも、支払わずに済むケースはあります。
しかし、遺留分侵害額請求に正当性があるかどうかの判断は、相続に関する専門的な知識がなければ、なかなか難しいといえるでしょう。
相手方の遺留分侵害額請求が正当なものである場合、その請求に応じなければなりません。
無視を続けると調停や訴訟を起こされ、最悪の場合は強制執行によって財産を差し押さえられてしまいます。
また、遺留分は金銭で支払うのが原則です。
しかし、さまざまな事情で「すぐに支払える現金がない」というケースは珍しくありません。
遺留分を支払う現金がないときは、どのように対処すれば良いのでしょうか。
ここでは、具体的な対処法について説明します。
どうしても現金での一括払いが難しい場合には、相手方に分割払いの交渉をしてみましょう。
当事者間で同意が得られれば、分割回数や支払い期間に制限はありません。
相手方が納得してくれれば、長期分割払いも可能です。
相手方が早急に支払うように求めてきた場合には、裁判所に期限の許与を求めることができます。
裁判所によって支払い期限の延長が認められれば、相手方も強く請求してくることはないでしょう。
とはいえ、相手方との交渉や裁判所への申し立て手続きを全て自力で行うのは、簡単なことではありません。
手続きをスムーズに進めるためにも、一度弁護士に相談するのがおすすめです。
相続財産が不動産しかない場合でも、遺留分は金銭で支払わなければなりません。
不動産を手元に残しておきたいのであれば、遺留分相当額の金銭は自己資金から支払いましょう。
遺留分相当の自己資金を用意できない場合は、不動産の売却や不動産担保ローンによる借入などの検討が必要です。
不動産の現金化に時間がかかる場合は、前述の通り、裁判所に期限の許与を求めることも一つの方法です。
遺留分を請求された場合、安易に無視したり、放置したりしてはいけません。
まずは、以下の3点を確認し、「相手方の請求に応じるべきか」を判断しましょう。
「相手方の請求に応じるべき」と判断した場合は、期限内に遺留分を支払うようにしてください。
「相手方の請求が不当である」と感じた場合、まずは弁護士に相談のうえ、相手方との話し合い(任意交渉)での解決を目指すのが一般的です。
相手方との関係性によっては、弁護士を通じて交渉を行うほうがスムーズなケースも多いです。
話し合いによって解決できない場合は、調停や訴訟を検討することになるため、早い段階で弁護士に相談しておくことをおすすめします。
今回は、遺留分を支払わないとどうなるのか、リスクや正しい対処法について解説しました。
正当な遺留分侵害額請求であれば、支払わないという選択肢はありません。
一方で、請求されるがままに支払うこともおすすめできません。
突然、遺留分侵害額請求の内容証明が届いたら、焦ってしまう気持ちはよく分かります。
しかし、そんなときこそ落ち着いて、まずは法律の専門家に相談してみてはいかがでしょうか。
弁護士法人アクロピース代表弁護士
東京弁護士会所属
私のモットーは「誰が何と言おうとあなたの味方」です。事務所の理念は「最高の法務知識」のもとでみなさまをサポートすることです。みなさまが納得できる結果を勝ち取るため、最後まで徹底してサポートしますので、相続問題にお困りの方はお気軽に当事務所までご相談ください。