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遺留分の請求の仕方!流れや条件についてくわしく解説

遺留分を請求するには、遺留分侵害額請求の手続きが必要です。
遺留分とは何かを理解している方の中にも、具体的な請求方法がわからずにお困りの方もいらっしゃるでしょう。
遺留分侵害額請求では、遺留分に相当する金銭の支払いを請求できます。
遺留分の侵害があるのなら、正しい請求方法を理解して手続きを進めるのがおすすめです。
この記事では、遺留分の請求を検討している方に向けて、次の内容について詳しく解説します。
遺留分請求とは:遺言や生前贈与で減らされた最低限の取り分を取り戻す手続き。不公平な相続でも金銭で補填を求められる点が重要。
遺留分を請求できる人:請求できるのは配偶者・子(代襲相続人を含む)・直系尊属です。兄弟姉妹には遺留分が認められないため、自分が権利者かを最初に確認することが鉄則。
遺留分請求の基本的な手続き:まず内容証明郵便で請求し、その後交渉を行います。解決しない場合は家庭裁判所の調停や訴訟へ進むのが一般的な流れです。
請求には厳しい期限がある:遺留分請求は「侵害を知ってから1年」、または「相続開始から10年」で権利が消滅します。期限を過ぎると請求できないため早期対応がカギです。
専門家へ相談する重要性:遺留分の計算には生前贈与や財産評価も含まれ、非常に複雑です。交渉や証拠整理も必要なため、早めに弁護士へ相談することが確実な解決につながります
遺留分の制度を理解しているだけでは具体的な請求手続きを進めるのは難しいでしょう。
実際に遺留分の請求を検討しているのであれば、この記事をぜひ最後までご覧ください。
弁護士法人アクロピースは累計約7,000件以上の相談実績に基づき、遺留分侵害額請求・遺産分割協議について、まずは無料相談から受け付けております。
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関連記事:【遺留分とは何か】わかりやすく解説!法定相続分との違い・計算方法・具体例
遺留分の請求の仕方とは

遺留分侵害額請求で遺留分を請求するには、次の4つの段階があります。
相手方との交渉を始める際は、内容証明郵便の送付からスタートするのが一般的です。
ここでは、それぞれの段階に分けて遺留分を請求する方法を解説します。
内容証明郵便を送付する
遺留分侵害額請求の手続きを進めるには、最初に内容証明郵便で遺留分を請求する意思を相手方に伝えます。
配達証明付き内容証明郵便は、郵便局が書類の内容、差出人や受取人、受取の日時などを証明してくれるサービスです。
遺留分侵害額請求には時効があります。
時効の期間は、相続の開始と遺留分の侵害があったことを知ってから1年間と短いです。
話し合いの途中で時効が完成してしまうといった事態を防ぐには、最初の内容証明郵便を送付してください。
いったん遺留分侵害額請求権を行使すると、そこから発生する金銭支払請求権の時効は5年となります。
「1年以内に遺留分侵害額請求がなかったので時効が成立している」という不要な争いを防ぐため、内容証明郵便で遺留分を請求した事実を残しておくことが重要です。
遺留分侵害の相手方との交渉
内容証明郵便を送付したあとは、すぐに調停には進まず、相手方との話し合いで解決を目指すのが一般的です。
話し合いで合意できたときには、必ず合意書を作成するようにしてください。
合意書がなければ、後から話し合いが蒸し返されてしまう可能性もあります。
合意書の作成方法や記載内容に不安がある場合は、弁護士に相談するのがおすすめです。
話し合いで合意できないときには、裁判所を利用した調停や訴訟手続での解決を目指すことになります。
遺留分侵害額請求の調停
遺留分侵害額請求の調停は、調停委員立ち会いのもと、話し合いでの解決を目指す手続きです。
訴訟を提起する前に調停を経なければならないという調停前置主義により、最初は原則として、調停を申し立てることになります。
調停を申し立てるには、申立書のほか遺産の内容を示す資料、戸籍などを添付書類として準備する必要があります。
調停を申し立てる裁判所は、相手方の住所地の家庭裁判所もしくは双方の合意で決めた家庭裁判所です。
調停期日では、調停委員が双方から交互に話を聞いて意見の調整を図ります。
直接の話し合いでは冷静に進められないことも、調停委員が仲介することで円滑に進められる可能性があるでしょう。
双方が調停案に合意できたときには、調停が成立して調停調書が作成されます。
調停調書に記載された内容は、裁判の判決と同様の効力を持ちます。
遺留分侵害額請求訴訟
調停で解決できないときは、訴訟で決着をつけることになります。
訴訟では、当事者が合意できないときでも、裁判所が判決で請求の可否を判断します。
訴訟手続を進めるには、主張を整理して伝え、それを裏付ける証拠を提出しなければなりません。
交渉や調停での手続きよりも専門的な知識が求められるため、調停まで弁護士に依頼していなかった場合でも、訴訟手続きは弁護士に依頼すべきです。
訴訟は和解によって終結することもありますが、和解できない場合には判決が出されます。
判決に不服がある場合は、高等裁判所に控訴することも可能です。
判決で遺留分に相当する金銭の支払いが命じられた場合、その判決が確定すれば、相手方がそれに従わないときは強制執行で相手方の財産を差し押さえることもできます。
遺留分侵害額請求の手続きについて、詳しくはこちらの記事も併せてご覧ください。
関連記事:遺留分侵害額請求とは?手続き・注意点
また、遺言で遺留分を認めない旨が記載されている場合には、以下記事を参考にしてください。
関連記事:遺留分を認めない遺言とは?具体例や認められないケース
遺留分侵害額請求を自分だけで進める3つのリスク
遺留分侵害額請求は、請求の仕方を一歩誤るだけで、本来取れるはずの数百万円〜数千万円が失われる、極めてシビアな手続きです。
ここでは、遺留分請求を本人だけで進めようとした場合に陥りやすい3つのリスクを整理します。
弁護士 佐々木一夫遺留分は「請求した」だけでなく「どう請求したか」「いつ請求したか」が証拠として残せていないと、後で時効を主張されて泣き寝入りになるケースがあります。
リスク1|1年(短期消滅時効)に気づかず請求権を失う
遺留分侵害額請求権は『相続開始および遺留分侵害を知った時から1年』『相続開始から10年』のいずれか早い方で消滅します。1年は想像以上に短く、葬儀・四十九日・遺産整理に追われている間にあっという間に過ぎてしまいます。
LINEや口頭で『遺留分は払ってほしい』と伝えただけでは、後から『そんな話は聞いていない』と否定されると立証が困難です。
時効間際になって慌てて内容証明を出しても、配達のタイミング次第で時効後の請求とみなされてしまうこともあります。
リスク2|不動産評価・特別受益の算入ミスで請求金額が過少になる
遺留分の基礎財産には、相続開始時の財産だけでなく、生前贈与(特別受益)も加算されます。不動産評価も路線価・固定資産評価・査定価格・鑑定価格と複数の手法があり、どれを採用するかで金額が大きく変わります。
算定式の理解が浅いと、相手方の言う金額をそのまま受け入れて『これが私の遺留分か』と納得してしまい、本来取れる金額の半分以下で合意してしまうケースもあります。
特に不動産・非上場株式が含まれるケースでは、評価方法の選び方一つで結果が数百万単位で変わります。
リスク3|訴訟移行で消耗し、和解の落としどころを見失う
遺留分は、交渉→調停→訴訟と段階を踏みます。本人だけで進めていると、訴訟段階に入る頃にはすっかり疲弊してしまい、『もう半額でいいから終わらせたい』という心理に陥りがちです。
その結果、本来取れるはずだった金額の半分以下で和解してしまう典型パターンが繰り返されています。



遺留分は「時効を止める」「金額を最大化する」「訴訟まで持っていく」の3点が揃わないと取り損なうことが多い分野です。
遺留分を請求する条件


遺留分は、誰でも請求できるものではありません。
誰が遺留分を請求できるかを判断するには、遺留分を請求できる人と遺留分の侵害とは何かを理解する必要があります。
ここでは、遺留分を請求する人と遺留分を侵害されていることの2つに分けて、遺留分を請求する条件を解説します。
遺留分を請求できる人
遺留分を請求できるのは、兄弟姉妹以外の法定相続人です(民法1042条1項)。
法定相続人の一覧は、次のようになっています。
- 配偶者
- 直系卑属(子どもや孫)
- 直系尊属(父母や祖父母)
- 兄弟姉妹
兄弟姉妹が相続人である場合、遺留分を請求することはできません。
関連記事:遺留分は相続人が子供のみの場合どうなる?子供2人のみの場合の割合や計算例・侵害額請求の手順を弁護士が解説
「生前贈与が絡むケース」もあわせてご確認ください。
関連記事:生前贈与で遺留分はどうなる?請求の流れと注意点
遺留分を侵害されていること
遺留分を侵害されていることとは、相続で取得する財産が遺留分よりも少ない状態のことです。
たとえば、相続人が妻と長男の場合、妻の遺留分は相続財産の4分の1となります。
相続財産が4000万円であれば、妻の遺留分は1000万円です。
このケースで、妻に500万円、長男に3500万円の財産を相続させる旨の遺言書が遺されていた場合、妻は、500万円分の遺留分が侵害されています。
そのため、妻は、長男に対して遺留分侵害額請求として500万円の支払いを求めることが可能です。
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遺留分の請求にかかる期間の目安


遺留分を請求する際に最も重要なのは、時効完成前に内容証明郵便を送付することです。
遺留分侵害額請求は、相続の発生と遺留分侵害の事実を知ってから1年で時効になります。
相手方との交渉には期限がありません。
一般的には、交渉開始から2〜3か月経っても進展が見られないときは裁判所での手続きに移行することになります。
調停や訴訟は、1か月から1か月半に1回のペースで期日が開催されます。
調停で決着するまでは、半年から1年程度かかるケースが多いでしょう。
裁判にまで移行すると、調停と裁判を併せて1年以上かかることも珍しくありませんので、早めに請求を行うようにしましょう。
遺留分の請求にかかる費用


遺留分の請求にかかる費用は、調停や裁判にかかる費用と弁護士費用に分けられます。
ここでは、それぞれの費用の内訳を解説します。
調停や裁判にかかる費用
調停の申立てにかかる費用は、1200円の収入印紙と5000円ほどの郵便切手代です。
郵便切手代は、手続きを申し立てる裁判所によって金額が変わるので、詳しい金額は裁判所に問い合わせてみてください。
裁判にかかる費用は、訴額に応じた収入印紙と5000円ほどの郵便切手代となっています。
遺留分侵害額請求の訴額とは、裁判で相手方に支払いを求める金額のことです。
具体的な金額は、下記のサイトで確認できます。
参照:手数料額早見表:裁判所
たとえば、遺留分侵害額請求の請求金額が1000万円の場合、収入印紙の金額は5万円となります。
弁護士費用
遺留分侵害額請求の手続きを弁護士に依頼する場合には、着手金と報酬金がかかります。
着手金は、依頼の際に支払う費用です。
報酬金は、事件が解決した際に支払う費用となっています。
着手金は、日弁連の旧規定を基準に算定している事務所が多くなっています。
具体的な金額は、次のとおりです。
| 経済的利益の額(請求額) | 着手金 |
|---|---|
| 300万円以下 | 請求額の8.8% |
| 300万円を超え3000万円以下 | 請求額の5.5%+9万9000円 |
| 3000万円を超え3億円以下 | 請求額の3.3%+75万9000円 |
報酬金は、実際に相手から回収できた金額をベースに計算されるケースが多いでしょう。
日弁連の旧規定における報酬金の額は、着手金の2倍の金額となっています。
たとえば、遺留分侵害額請求で1000万円を請求して全額を回収できた場合、着手金と報酬金の金額は次のようになります。
- 着手金:1000万円×5.5%+9万9000円=64万9000円
- 報酬金:1000万円×11%+19万8000円=129万8000円
弁護士費用については以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事;【遺留分の請求】にかかる費用の内訳や具体例安く抑える方法も解説
さらに詳細の費用については以下の記事でまとめていますのでご確認ください。
関連記事:遺留分侵害額請求にかかる費用は?弁護士に依頼する際の相場
遺留分侵害額請求を弁護士に依頼する3つのメリット
遺留分は数百万〜数千万円規模の請求になることが多く、弁護士費用を払っても回収額が大きくなりやすい『依頼コストパフォーマンスの高い』分野です。
ここでは、弁護士に依頼することで得られる3つのメリットを整理します。



遺留分は数百万〜数千万円規模の話になることが多く、弁護士費用を差し引いても十分プラスになるケースがほとんどです。
メリット1|時効を確実に止める内容証明と立証準備
弁護士に依頼すると、まず最優先で『内容証明郵便(配達証明付き)』を相手方に送付します。これにより1年の短期消滅時効を確実に中断(更新)させることができます。
差出人が弁護士であること自体が相手方への抑止力になり、無視や引き延ばしの戦術を取りにくくなります。
時効が止まった後は、必要な証拠の収集と請求金額の確定にじっくり取り組めるため、慌てずに最大化を目指せます。
メリット2|基礎財産・特別受益・不動産評価で請求金額を最大化
弁護士は、相続税申告書・固定資産評価証明・不動産鑑定評価書など複数の評価軸を組み合わせ、請求金額の根拠を最大化します。
特別受益の持ち戻しも漏れなく主張することで、本人だけで請求した場合と比べて、最終的な回収額が1.5〜2倍以上になるケースも珍しくありません。
メリット3|交渉→調停→訴訟までシームレスに対応
1人の弁護士が交渉から訴訟まで一気通貫で対応するため、論点・証拠が引き継がれ、訴訟段階で論理が崩れることがありません。
途中で別の弁護士に依頼し直すと、争点整理の引き継ぎだけで数ヶ月のロスが発生します。最初から最後まで同じ弁護士に任せられることが、結果として最短ルートになります。
遺留分を請求する方法についてよくある質問


ここでは、遺留分侵害額請求についてよくある質問に回答します。
遺留分を請求する方法について疑問をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。
遺留分侵害額請求で物の返還を求めることはできますか?
遺留分侵害額請求では、物の返還を求めることはできません。
2019年7月1日の民法改正以前は、遺留分減殺請求により物の返還を求めることができました。
しかし、遺留分の請求により物の返還を認めると、相続財産の共有状態が生じるという問題があります。
遺留分権利者としても、金銭の支払いさえ受けられれば満足できる人がほとんどです。
そのため、遺留分侵害額請求では、物の返還ではなく遺留分に相当する金銭の支払いだけが認められています。
遺留分は口頭でも請求できますか?
遺留分は口頭でも請求できます。
しかし、遺留分侵害額請求の時効は1年です。
口頭では遺留分を請求した証拠が残らなくなるため、時効の完成を避けるためには内容証明郵便で請求した証拠を残しておく必要があります。
遺留分を請求する際に弁護士に依頼すべきですか?
遺留分の請求手続きを弁護士に依頼すると、次のようなメリットがあります。
- 交渉成立による早期解決が期待できる
- 交渉、調停、訴訟といった一連の手続きをすべて任せられる
- 専門的知識に基づく適切な主張・立証ができる
弁護士に依頼するか否かで、相手から取り戻せる金額が大きく変わることも珍しくありません。
遺留分侵害額請求は自分で行うこともできますが、専門知識がない方の場合かなり大変といえるでしょう。
遺留分侵害額請求について不安のある方は、まずは弁護士にご相談ください。
遺産のうち遺留分の割合はどのくらいですか?
遺産に占める遺留分の割合は、誰が相続人であるかによって変わります。
具体的には、次のようになります。
- 直系尊属のみが相続人の場合 遺産の3分の1
- それ以外の場合 遺産の2分の1
相続人が複数いる場合、それぞれの遺留分は、全体の遺留分に自分自身の法定相続分を乗じた割合となります。
遺留分の割合について、詳しくはこちらの記事も併せてご覧ください。
お役立ちガイド
相続における不公平や相続関係者のトラブルでお悩みの方は、
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まずは初回60分の無料相談をご利用ください。
遺留分侵害額請求で納得の遺産を取得した事例2選
遺留分請求で実際に納得の結果を得られた2つの事例をご紹介します。



どちらの事例も、相談時には「泣き寝入りかもしれない」とおっしゃっていた方々です。
事例1|父が残した遺言に不満。遺留分侵害額請求で納得の相続を実現した事例
父が亡くなり、相続人の一人にだけ遺産の大半を相続させる内容の遺言が残されていたケースです。依頼人は『遺言に逆らえない』と諦めかけていましたが、当事務所にご相談いただいたタイミングで遺留分侵害額請求の手続きを開始。
内容証明での請求から交渉を経て、依頼人にとって納得のいく金額を取得することができました。
この事例の詳細 → https://acropiece-lawfirm.com/sozoku/kaiketsujirei/case19/
事例2|相続放棄相談から財産調査と調停を経て、一人当たり2,000万円の遺留分を獲得
相続放棄を考えてご相談いただいたケースです。財産調査の結果、相手方への生前贈与が多額に上ることが判明。特別受益を持戻して計算することで遺留分が大きく膨らむと判断し、調停手続きへ。
最終的に、依頼人一人当たり2,000万円の遺留分を獲得することができました。
この事例の詳細 → https://acropiece-lawfirm.com/sozoku/kaiketsujirei/case20/
まとめ
今回は、遺留分の請求の仕方を理解するために、次の内容について解説しました。
- 遺留分侵害額請求では遺留分に相当する金銭の支払いを請求できる
- 遺留分を請求する際は最初に内容証明郵便を送付する
- 交渉で解決できないときは、調停や訴訟で決着をつける
遺留分の請求を検討している方は、弁護士への相談がおすすめです。
相手方との交渉をスムーズに進めるには、法律の専門家である弁護士に交渉を任せるのが良いでしょう。
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